フリー走行を通して全体的にタイムが接近していたが、予選ではハミルトンがずば抜けた速さを見せつけてポールポジションを獲得。相棒のボッタスにも0.5秒以上のリードを築いているが、フロントローはメルセデスが独占し、3番手にレッドブルのフェルスタッペンがつけた。
決勝レースを前にダミーグリッドに向かっていたマクラーレンのサインツをエキゾーストトラブルが襲い、チームは7番グリッドからスタートするはずだったサインツの出走を断念している。
F1カレンダーの中で最長となる全長7.004kmの高速サーキットのスパ・フランコルシャンで44周にわたって争われた決勝レースは週末で一番の好天に恵まれ、気温18℃、路面温度30.7℃、湿度58.5%のドライコンディションでフォーメーションラップ開始の時刻を迎える。ピレリタイヤはC2からC4のコンパウンドが持ち込まれており、予選Q2をミディアムタイヤで突破したトップ3ドライバーはミディアムタイヤで第1スティントに臨んだ。
サインツを除く19台が順調に滑り出したオープニングラップでは4番手スタートだったルノーのリカルドがフェルスタッペンに襲いかかるシーンがあったものの、サイド・バイ・サイドのバトルを制したフェルスタッペンが3番手をキープし、リカルドの真後ろにはアルボン(レッドブル)との競争に打ち勝ったオコン(ルノー)がつけていた。
予選ではトップ10入りを逃したアルファ・タウリのガスリーやフェラーリのルクレールがフレッシュタイヤの利点を生かしてスタートダッシュを決めており、グリッドで唯一、ハードタイヤを選んだガスリーが8番手に浮上、ルクレールが9番手に上がっている。
その2人に抜かれてしまったレーシング・ポイントのペレスはなんとかポジションを取り戻そうとマシンをプッシュし、ルクレールを抜き返した後、3周目のオー・ルージュにかけてガスリーとホイール・トゥ・ホイールの攻防戦を繰り広げたが、ガスリーが奮闘して8番手をキープする。ペレスを抑え込んだガスリーは前方にいたもう1台のレーシング・ポイントを駆るストロールへの攻撃を強めていった。
レーシング・ポイント勢との接近戦に集中するガスリーの一方で、同様にスタートでポジションを上げていたルクレールはマクラーレンのノリスにオーバーテイクされ、アルファ・タウリのクビアトにも先行を許して7周目には12番手に後退している。ポイント圏内に復帰したノリスは追随するクビアトを抱えながら3秒以上のギャップが開いたペレスの背中を追いかけた。
先頭集団ではメルセデス勢が1分49秒台のタイムを刻みながら快走するかたわら、ペースがコンマ数秒遅かったフェルスタッペンは徐々に前との差が開いている。ただ、後続のルノー勢に対しては周回を重ねるごとにギャップをつけており、フェルスタッペンはタイヤをいたわりながら必死にメルセデスに食らいついていった。
そんな中、アルファロメオ・レーシングのジョビナッツィとウィリアムズのラッセルがクラッシュを喫して黄旗が振られる。リプレー映像で確認すると、スピンを喫したジョビナッツィがコースを飛び出してウオールに激突、衝撃でマシンがコースに戻ってきたところに後続勢のラッセルが遭遇しており、脱落したジョビナッツィのタイヤを避けようとしたものの、そのタイヤを含むデブリに襲われたラッセルはなすすべなくジョビナッツィとは逆のウオールにマシンをぶつけて停車した。
黄旗が振られてすぐ、セーフティカーに出動要請が下り、それを見て各陣営が対応に動く。ピットレーン入口に近かったルクレールがピットに飛び込み、ライコネン(アルファロメオ・レーシング)がそれに続いてタイヤを交換している。
上位勢も順次ピットストップに向かい、メルセデスやルノーはダブルストップを敢行してハードタイヤに交換した。ステイアウトを選んだガスリーが4番手、ユーズドのソフトタイヤを履くペレスもピットには入らずにコースにとどまって5番手の位置だ。リカルドの後方についたアルボンはただ一人、ミディアムタイヤを選び、ルノーがダブルストップに挑んだ間にオコンの前に出ている。
14周目の終わりにセーフティカーが解除され、リスタート直後に「パワーを失っている」と無線報告したハミルトンだったが、ボッタスに接近を許しはしたものの、ハミルトンのラップタイムに大きな変化はなく、ラップリーダーのポジションも守ってレースを続けた。DRSの使用が再び認められるとリカルドがペレスのスリップストリームに入ってオーバーテイクを成功させ、さらにアルボンもペレスを料理してポジションをひとつ上げている。
そのペレスは18周を走り切ってピットイン、ハードタイヤに交換して最後尾となる17番手でコース復帰した。前とは7秒近いギャップがあり、クリアエアを得たペレスはすぐさまスピードに乗ってレース終盤のバトルを見据えながらタイヤマネジメントに集中する。
4番手以降のドライバーたちはコンマ数秒から2秒ほどの間隔で行列をなしており、その先頭を走っていたガスリーはすでに20周以上を走るハードタイヤで懸命にポジションを死守しようとプッシュしていたが、リカルドにオーバーテイクされ、24周目にはアルボンにもかわされてしまう。ただ、タイヤ戦略が異なるため、いずれのバトルも激しく抵抗していない。
ハミルトンが27周目に入った頃、2度目のピットストップを終えたルクレールがミディアムタイヤに履き替え、最後尾の位置で隊列に復帰。その次のラップ終わりにはガスリーも最初で最後のタイヤ交換を済ませ、新しいミディアムタイヤで残り17周に挑んでいる。ガスリーはコースに戻ってすぐに2台をかわして14番手に上がり、次なるターゲットとなったグロージャン(ハースF1)を追いかけた。ガスリーの一番の狙いはグロージャンの3秒ほど前を走っていた同じく1ストップ戦略のペレスだ。
ベッテルを追い抜いて11番手に上がったペレスがライコネンの攻略に手こずる中、数周遅れでフェラーリマシンを料理したガスリーがペレスの2秒後方に接近し、その直後にペレスがようやくライコネンの前に出るも、ガスリーはタイヤに苦しむライコネンを素早くパスしてペレスに息つく暇を与えない。ペレスは前に立ちはだかったガスリーの僚友クビアトに対するオーバーテイクも無事に成功させたが、ガスリーもほどなくしてチームメイトの前に出ており、突き放せる状況ではなかった。ついに迎えた直接対決はタイヤにアドバンテージのあるガスリーが優位を生かして9番手に上がっている。
2人よりも先にタイヤを交換していたドライバーの多くは2ストップが予想されていたものの、タイヤマネジメントを成功させて1回のピットストップだけでチェッカーを目指せる状況となり、終盤の大きなポジションアップは望めなくなったが、ガスリーはもう1台のレーシング・ポイントも追い抜いて8番手にポジションを上げた。
ミディアムタイヤで超ロングスティントを走ることになったアルボンはオコンやノリスにプレッシャーをかけられながらも5番手を守ろうと必死にマシンをコントロールし、ファイナルラップでオコンにオーバーテイクを許したとはいえ、ノリスを抑え込んで6位フィニッシュを果たしている。
優勝はスタートからゴールまでリードを守りきったハミルトン。ボッタスが2位に入り、フェルスタッペンが3位表彰台を獲得した。リカルドが4位で入賞、5位となったオコンとともにルノーのダブル入賞を達成している。アルボンに次いでノリスが7位、ガスリー、ストロール、ペレスがポイントを手に入れ、クビアトは11位完走で得点はならなかった。
ホンダPU勢は、優勝は出来ませんでしたがフェルスタッペンが3番手、アルボンが6番手、ガスリーが8番手、クビアトは惜しくも11番手と高速サーキットとしては良い結果でした。
スパで伝統の一戦を終えたF1サーカスは5日後に幕を開ける次の舞台へと大急ぎで移動する。スパと同じく高速サーキットのモンツァで開催されるシーズン第8戦イタリアGPは9月4日(金)に開幕。
次々週は、フェラーリ所有のムジェロ・サーキットでフェラーリの1000回目のグランプリとなります。
フェルスタッペンには、メルセデスに一矢報いて欲しいですね!
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