25日(日)、シーズン第12戦ポルトガルGP決勝レースが開催され、序盤の波乱がありながらも、ポールシッターだったメルセデスのハミルトンが勝利し、通算92勝目を挙げてF1最多勝の記録を塗り替えた。
全長4.653kmを誇るアルガルベ・サーキットの決勝レースは66周で争われ、分厚い雲に覆われたアルガルベ・サーキットでフォーメーションラップが始まった時点の気温は20.5℃、路面温度25.4℃、湿度66.3%のドライコンディション。
ピレリがC1からC3の最も硬い組み合わせを用意したポルティマンのレース週末は、1列目に並んだメルセデス勢と4番グリッドのルクレール(フェラーリ)が予選Q2をミディアムタイヤで突破しており、3番手のフェルスタッペン(レッドブル)は周囲のドライバーたちと異なるタイヤ戦略で決戦に挑んでいる。11番手以下のドライバーはほとんどがミディアムタイヤを選択し、16番手スタートのライコネン(アルファロメオ・レーシング)がソフト、19番グリッドに並んだマグヌッセン(ハースF1)がハードタイヤで第1スティントに臨んだ。
ハミルトンが好発進を決めた一方、フロントローのボッタスとフェルスタッペンが2番手を争ったスタートでは5番手からペレス(レーシング・ポイント)もうまく蹴り出してターン1を4番手の位置で通過し、攻防戦を繰り広げていたボッタスとフェルスタッペンのバトルに加わっていったが、レッドブルマシンに並んだ際にタイヤ同士が接触したようで、スピンを喫したペレスは大きく後退を強いられる。後続車の通過を待って走行を再開したペレスは緊急ピットインしてタイヤを交換、最後尾で隊列に戻っている。
オープニングラップを終える前には雨が降り出し、ワイドにふくらんだり、コースを飛び出したりするドライバーが多く、ラップリーダーはハミルトンからボッタスに、2周目にはボッタスがエイペックスを逃したスキに2番手につけていたサインツ(マクラーレン)がポジションを奪って先頭に立った。サインツは難しい路面コンディションに対応しながらボッタスとのギャップを1.4秒ほどに広げていたものの、6周目に入ると同時にDRSを生かしたボッタスが追い抜いてラップリーダーに返り咲いた。
1周目に大きくポジションを上げたのはライコネンだ。16番手から6番手に大きく前進しており、全体が接近していた序盤の攻防戦ではしっかりとポジションをキープしていた。しかしながら、雨の脅威が和らいだ8周目にはルクレールに加えてルノーのリカルドにもオーバーテイクされ、サインツが徐々にポジションを落としていったように、ソフトタイヤを履く面々がミディアム勢に押されているようだった。結局、ライコネンは12周を走ってピットに向かい、ミディアムタイヤに履き替えて最後尾から第2スティントに入っている。
ラップリーダーの座はボッタスがキープしていたものの、2番手にはハミルトンが上がり、フェルスタッペンが3番手、ソフトのサインツはミディアムを履いていたルクレールにもオーバーテイクを許して5番手にまで後退。メルセデス勢はリズムをつかんで3番手以下を引き離していき、18周目に入る頃にはフェルスタッペンに10秒以上のリードを築いていた。
一方、混戦の中団グループでは、新品のミディアムタイヤでレースに臨み、タイヤのアドバンテージを生かして8番手のポイント圏内を走っていたストロール(レーシング・ポイント)が前を行くノリス(マクラーレン)に対し、ターン1にかけて若干コースをはみ出す形でアウト側から追い抜きを仕掛けるも、ターンインすると同時にインサイドにいたノリスの行く手を阻む格好となってしまい、接触を余儀なくされた。2人ともレースを続けられはしたが、マシンへのダメージは免れられておらず、緊急ピットインしてマシン状態を確認するとともにタイヤをハードコンパウンドに交換して隊列に戻っている。
初日のフリー走行でストロールとフェルスタッペンが交錯したときと似た状況ではあるが、この一件を審議したスチュワードはストロールが接触を引き起こした責任を取るべきと判断し、5秒のタイムペナルティを科した。
ノリスとストロールのインシデントが発生した次の周回にはハミルトンがホームストレートでボッタスのスリップストリームに入り、ターン1に向かう下り坂でついにリードを取り戻す。前が開けたハミルトンは本来のペースを引き出しながらボッタスをも引き離し始め、フェルスタッペンがピットストップに向かった24周目には7秒以上のギャップがあった。
フェルスタッペンはソフトから新品のミディアムタイヤに履き替え、4番手の位置でコースに復帰、トップと48秒差の状態で来るメルセデス勢のタイヤ交換に備えてプッシュしていく。フェルスタッペンのピットインで3番手に上がっていたルクレールがピットに向かったのはハミルトンが35周目に入る頃。ミディアムを外してハードを装着したルクレールはフェルスタッペンの9秒後方ながら4番手のポジションで隊列に戻った。
それから6周遅れでピットインの指示を受けたハミルトンはハードタイヤに交換し、リードを保ったまま第2スティントに突入。翌周にはボッタスも最初で最後のピットストップを完了し、採用したタイヤ戦略はチームメイトと同様だ。ボッタスが合流した時点でハミルトンとのギャップは13秒、7秒後方にフェルスタッペンが控えた状態だった。
第1スティントを最も長く取ったのはルノーのオコンで、残り20周を切ってなおステイアウトを続けていた。この頃、アルガルベ・サーキットを再び雨の脅威が襲っており、先頭を走るハミルトンから「雨降りそう?」と聞かれたメルセデスのピットウオールはレーダーとにらめっこしながら状況把握に努めている。
粘るオコンとの終盤の対決を見据え、先に動いたのは先行していたペレスとレーシング・ポイントだ。2度目のピットストップに向かったペレスはユーズドのソフトタイヤを装着してピットアウトし、オコンから20秒離れた6番手の位置で隊列に復帰。1分21秒台を刻むオコンに対してペレスは1分20秒台の自己ベストを連発しながらオーバーカット対策に励んだ。ペレスの3秒ほど後方にはガスリー(アルファ・タウリ)が控え、残り15周の時点でオコンからガスリーのギャップは約22秒あり、ガスリーとおよそ2秒差で8番手につけていたサインツもオコンのピットストップに備えてプッシュしていた。
そのオコンが54周目にようやくピットに向かい、ペレスが5番手をキープ、ガスリーとサインツもポジションを上げたが、オコンは8番手の位置から新品のソフトタイヤを生かしてオーバーテイクを狙う。ただ、前を行くガスリーとサインツのペースが良く、逆にペレスに接近した2人はさらなるポジションアップを狙って最後の猛チャージをかけている。
ホームストレートでペレスのトウを得たガスリーがサイド・バイ・サイドに持ち込もうとした攻防戦はペレスが瞬時の判断で防御に出たため、順位の入れ替わりはなかったものの、あわや接触の危険性をはらむペレスの動きだったことから、このインシデントはレース後に審議されることになっている。一度は防御を成功させたペレスだったが、次のラップではガスリーが前回とは逆側からオーバーテイクを仕掛ける巧みさで5番手に浮上。さらにファイナルラップではサインツもペレスへの追い抜きを成功させている。
リードを取り戻して以降は独走状態とあってレース中に大きな注目を集めることはなかったものの、66周のバトルを終えてトップチェッカーを受けたハミルトンは通算92勝目をマークし、F1最多勝の新記録を樹立。これまでミハエル・シューマッハが誇った91勝の記録に前戦アイフェルGPで並んだ後、連勝で新記録樹立を祝った。
ボッタスが2位表彰台に上り、3位にはフェルスタッペンが入っている。4位にルクレール、ガスリー、サインツ、ペレス、オコン、リカルド、ベッテルが10位でポイントを獲得した。
レッドブルのアルボンは12位で完走、アルファ・タウリのクビアトは19位完走にとどまっている。リタイアは1台のみで、ストロールが51周目にマシンをガレージに入れた。
連戦で挑む次戦はシーズン第13戦エミリア・ロマーニャGP、舞台は久々のカレンダー復帰を果たすイモラ・サーキットだ。イモラのグランプリ週末は通常の3日間ではなく2日間の短縮スケジュールが組まれており、フリー走行は1回のみで予選とレースに臨む。
ホンダPU勢は、フェルスタッペンが3位表彰台、ガスリーが5位と良い結果でしたが、アルボンとクビアトは入賞は出来ませんでした。
次週、イモラではもっと良い結果を出して欲しいですね!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/b2/9c28e770c9c3f21b1af4f0107503f347.jpg)
全長4.653kmを誇るアルガルベ・サーキットの決勝レースは66周で争われ、分厚い雲に覆われたアルガルベ・サーキットでフォーメーションラップが始まった時点の気温は20.5℃、路面温度25.4℃、湿度66.3%のドライコンディション。
ピレリがC1からC3の最も硬い組み合わせを用意したポルティマンのレース週末は、1列目に並んだメルセデス勢と4番グリッドのルクレール(フェラーリ)が予選Q2をミディアムタイヤで突破しており、3番手のフェルスタッペン(レッドブル)は周囲のドライバーたちと異なるタイヤ戦略で決戦に挑んでいる。11番手以下のドライバーはほとんどがミディアムタイヤを選択し、16番手スタートのライコネン(アルファロメオ・レーシング)がソフト、19番グリッドに並んだマグヌッセン(ハースF1)がハードタイヤで第1スティントに臨んだ。
ハミルトンが好発進を決めた一方、フロントローのボッタスとフェルスタッペンが2番手を争ったスタートでは5番手からペレス(レーシング・ポイント)もうまく蹴り出してターン1を4番手の位置で通過し、攻防戦を繰り広げていたボッタスとフェルスタッペンのバトルに加わっていったが、レッドブルマシンに並んだ際にタイヤ同士が接触したようで、スピンを喫したペレスは大きく後退を強いられる。後続車の通過を待って走行を再開したペレスは緊急ピットインしてタイヤを交換、最後尾で隊列に戻っている。
オープニングラップを終える前には雨が降り出し、ワイドにふくらんだり、コースを飛び出したりするドライバーが多く、ラップリーダーはハミルトンからボッタスに、2周目にはボッタスがエイペックスを逃したスキに2番手につけていたサインツ(マクラーレン)がポジションを奪って先頭に立った。サインツは難しい路面コンディションに対応しながらボッタスとのギャップを1.4秒ほどに広げていたものの、6周目に入ると同時にDRSを生かしたボッタスが追い抜いてラップリーダーに返り咲いた。
1周目に大きくポジションを上げたのはライコネンだ。16番手から6番手に大きく前進しており、全体が接近していた序盤の攻防戦ではしっかりとポジションをキープしていた。しかしながら、雨の脅威が和らいだ8周目にはルクレールに加えてルノーのリカルドにもオーバーテイクされ、サインツが徐々にポジションを落としていったように、ソフトタイヤを履く面々がミディアム勢に押されているようだった。結局、ライコネンは12周を走ってピットに向かい、ミディアムタイヤに履き替えて最後尾から第2スティントに入っている。
ラップリーダーの座はボッタスがキープしていたものの、2番手にはハミルトンが上がり、フェルスタッペンが3番手、ソフトのサインツはミディアムを履いていたルクレールにもオーバーテイクを許して5番手にまで後退。メルセデス勢はリズムをつかんで3番手以下を引き離していき、18周目に入る頃にはフェルスタッペンに10秒以上のリードを築いていた。
一方、混戦の中団グループでは、新品のミディアムタイヤでレースに臨み、タイヤのアドバンテージを生かして8番手のポイント圏内を走っていたストロール(レーシング・ポイント)が前を行くノリス(マクラーレン)に対し、ターン1にかけて若干コースをはみ出す形でアウト側から追い抜きを仕掛けるも、ターンインすると同時にインサイドにいたノリスの行く手を阻む格好となってしまい、接触を余儀なくされた。2人ともレースを続けられはしたが、マシンへのダメージは免れられておらず、緊急ピットインしてマシン状態を確認するとともにタイヤをハードコンパウンドに交換して隊列に戻っている。
初日のフリー走行でストロールとフェルスタッペンが交錯したときと似た状況ではあるが、この一件を審議したスチュワードはストロールが接触を引き起こした責任を取るべきと判断し、5秒のタイムペナルティを科した。
ノリスとストロールのインシデントが発生した次の周回にはハミルトンがホームストレートでボッタスのスリップストリームに入り、ターン1に向かう下り坂でついにリードを取り戻す。前が開けたハミルトンは本来のペースを引き出しながらボッタスをも引き離し始め、フェルスタッペンがピットストップに向かった24周目には7秒以上のギャップがあった。
フェルスタッペンはソフトから新品のミディアムタイヤに履き替え、4番手の位置でコースに復帰、トップと48秒差の状態で来るメルセデス勢のタイヤ交換に備えてプッシュしていく。フェルスタッペンのピットインで3番手に上がっていたルクレールがピットに向かったのはハミルトンが35周目に入る頃。ミディアムを外してハードを装着したルクレールはフェルスタッペンの9秒後方ながら4番手のポジションで隊列に戻った。
それから6周遅れでピットインの指示を受けたハミルトンはハードタイヤに交換し、リードを保ったまま第2スティントに突入。翌周にはボッタスも最初で最後のピットストップを完了し、採用したタイヤ戦略はチームメイトと同様だ。ボッタスが合流した時点でハミルトンとのギャップは13秒、7秒後方にフェルスタッペンが控えた状態だった。
第1スティントを最も長く取ったのはルノーのオコンで、残り20周を切ってなおステイアウトを続けていた。この頃、アルガルベ・サーキットを再び雨の脅威が襲っており、先頭を走るハミルトンから「雨降りそう?」と聞かれたメルセデスのピットウオールはレーダーとにらめっこしながら状況把握に努めている。
粘るオコンとの終盤の対決を見据え、先に動いたのは先行していたペレスとレーシング・ポイントだ。2度目のピットストップに向かったペレスはユーズドのソフトタイヤを装着してピットアウトし、オコンから20秒離れた6番手の位置で隊列に復帰。1分21秒台を刻むオコンに対してペレスは1分20秒台の自己ベストを連発しながらオーバーカット対策に励んだ。ペレスの3秒ほど後方にはガスリー(アルファ・タウリ)が控え、残り15周の時点でオコンからガスリーのギャップは約22秒あり、ガスリーとおよそ2秒差で8番手につけていたサインツもオコンのピットストップに備えてプッシュしていた。
そのオコンが54周目にようやくピットに向かい、ペレスが5番手をキープ、ガスリーとサインツもポジションを上げたが、オコンは8番手の位置から新品のソフトタイヤを生かしてオーバーテイクを狙う。ただ、前を行くガスリーとサインツのペースが良く、逆にペレスに接近した2人はさらなるポジションアップを狙って最後の猛チャージをかけている。
ホームストレートでペレスのトウを得たガスリーがサイド・バイ・サイドに持ち込もうとした攻防戦はペレスが瞬時の判断で防御に出たため、順位の入れ替わりはなかったものの、あわや接触の危険性をはらむペレスの動きだったことから、このインシデントはレース後に審議されることになっている。一度は防御を成功させたペレスだったが、次のラップではガスリーが前回とは逆側からオーバーテイクを仕掛ける巧みさで5番手に浮上。さらにファイナルラップではサインツもペレスへの追い抜きを成功させている。
リードを取り戻して以降は独走状態とあってレース中に大きな注目を集めることはなかったものの、66周のバトルを終えてトップチェッカーを受けたハミルトンは通算92勝目をマークし、F1最多勝の新記録を樹立。これまでミハエル・シューマッハが誇った91勝の記録に前戦アイフェルGPで並んだ後、連勝で新記録樹立を祝った。
ボッタスが2位表彰台に上り、3位にはフェルスタッペンが入っている。4位にルクレール、ガスリー、サインツ、ペレス、オコン、リカルド、ベッテルが10位でポイントを獲得した。
レッドブルのアルボンは12位で完走、アルファ・タウリのクビアトは19位完走にとどまっている。リタイアは1台のみで、ストロールが51周目にマシンをガレージに入れた。
連戦で挑む次戦はシーズン第13戦エミリア・ロマーニャGP、舞台は久々のカレンダー復帰を果たすイモラ・サーキットだ。イモラのグランプリ週末は通常の3日間ではなく2日間の短縮スケジュールが組まれており、フリー走行は1回のみで予選とレースに臨む。
ホンダPU勢は、フェルスタッペンが3位表彰台、ガスリーが5位と良い結果でしたが、アルボンとクビアトは入賞は出来ませんでした。
次週、イモラではもっと良い結果を出して欲しいですね!