新たなシーズンの幕開けに沸くメルボルンのアルバート・
パーク・サーキットで、20日(日)日本時間14時からFIA F1
世界選手権開幕戦オーストラリアGP決勝が実施された。
前日には新方式の予選が行われ、昨年度王者のハミルト
ン(メルセデス)がポールポジションを獲得。僚友ロズベル
グとフェラーリのベッテルが2番手と3番手だった。
舞台となるサーキットは1周5.303Km、決勝レースは58周
で争われる。決勝日のメルボルンは快晴に恵まれ、気温
23℃、路面温度37℃、湿度41%のドライコンディションだ
った。
フォーメーションラップを終えたマシンがホームストレート
に戻ってきた際、18番グリッドに着くはずだったレッドブル
のクビアトがストップしてしまった。クビアトのマシンはピッ
トレーンに戻され、それ以外のドライバーたちはエクストラ
フォーメーションラップを実施する。これによってレースは
57周で行われることになった。
21台のマシンがグリッドに着き、シグナルがオフになると
3番手スタートのベッテルが好発進を決める。メルセデス
デュオが2番手争いをする間にもう一台のフェラーリを駆
るライコネンが二人を抜き去ってベッテルの後ろに着き、
1周目を終えた段階でトップ10はベッテル、ライコネン、ロ
ズベルグ、フェルスタッペン(トロ・ロッソ)、マッサ、ハミル
トン、サインツ(トロ・ロッソ)、ヒュルケンベルグ、リカルド
(レッドブル)、アロンソ(マクラーレン)という並びになった。
ハミルトンは4周目にマッサを追い抜いて次なるターゲット
を4番手フェルスタッペンに定めるもなかなかオーバーテ
イクすることができない。隊列の先頭はベッテルの2秒以
上後方にライコネン、その1秒前後後ろにロズベルグとい
う位置関係になっていた。
9周目から初回のタイヤ交換が始まり、18周目、レースが
新たな局面に入ったとkろで、アロンソがターン3で前を行
くグティエレス(ハースF1)のマシン左サイドに追突。アロン
ソのマシンはバリアに衝突して跳ね上がり、激しく回転し
ながらコーナーの先にあるグラベルを突きって壁沿いで
ストップした。
マシンが原型を留めない大クラッシュだったが、アロンソ
は自力でマシンを降り、同じくコックピットを後にしたグテ
ィエレスとハグを交わした。当初はセーフティカーが出動
するも、19周目に赤旗に変わり、すべてのマシンがいっ
たんピットレーンに戻っている。
レースは約20分の中断を経て再開。フェラーリコンビが
スーパーソフトのままなのに対し、ロズベルグが新品の
ミディアムに履き替え、4番手から6番手のリカルド、フェ
ルスタッペン、サインツがソフト、それ以降のトップ10メン
バーはミディアムを選択していた。
リスタートから間もなく、ライコネンがマシンの不調を訴
えてピットへ。ピットボックスで止まった途端にライコネン
の頭上のエアインテークから炎が吹き出し、急ぎ消化活
動が行われる中、ライコネンはマシンから降りた。
フェラーリが36周目に行ったベッテル車のピット作業で、
左フロントで不手際があった。
一連の動きを受けて上位のオーダーはロズベルグ、リ
カルド、ハミルトン、ベッテルという形に。ベッテルは最終
スティントのタイヤにソフトをチョイスしている。
40周目頃熱かったのはポイントが取れるかどうかの瀬
戸際である10番手付近のバトルで、9番手パーマー(ル
ノー)の真後ろでトロ・ロッソのサインツとフェルスタッペ
ンがチームメイト同士で競り合っている。42周目にサイ
ンツがパーマーを料理すると、すかさずフェルスタッペン
も前へ。
前方ではハミルトンにパスされたリカルドが最後のタイ
ヤ交換に向かい、トップ3はロズベルグ、ハミルトン、ベ
ッテルという並びでチェッカーフラグを目指した。ライバ
ルよりタイヤが新しいベッテルは、表彰台のもう一段上
のステップに上がるべくハミルトンの背中を追いかける。
52周目にハミルトンがミスを犯し、2人の距離はぐっと近
づいた。
レース終了間際の56周目、ハミルトンに迫っていたベッ
テルがコースオフを喫し、オーバーテイクの機会は失わ
れてしまう。隊列の一番前で57周目を終えたロズベルグ
の上にトップチェッカーがはためいた約8秒後、ハミルトン
が2位フィニッシュを決め、ベッテルが3位に続いた。21戦
が組まれた2016年シーズンの初戦は、チャンピオンチー
ムのメルセデスが1-2を決めている。
4位リカルドと5位マッサに次いで、グロージャンがハース
F1のデビュー戦に初ポイントという華を添えた。7位ヒュル
ケンベルグからボッタス、サインツ、フェルスタッペンまで
が得点を獲得している。
11位パーマー以下、マグヌッセン、ペレス、バトン、ナッサ
ー、ウェーレイン(マノー)が完走を果たした。
それにしても、アロンソが無事で良かったです。