夕日がまぶしく輝き、夜の帳が下りようとする
ヤス・マリーナ・サーキットで27日(日)、2016年
FIA F1世界選手権第21戦アブダビGP決勝レー
スが開催され、メルセデスのハミルトンがポー
ル・トゥ・ウィンを飾った。ドライバーズ選手権タイ
トルは2位でゴールしたロズベルグが獲得して
いる。
タイトル決定戦を前にした予選では安定して好
調を維持していたハミルトンがポールポジション
を獲得し、0.3秒差のタイムを刻んだ僚友ロズベ
ルグがフロントロー、2列目にレッドブルのリカル
ドとフェラーリのライコネンが並んだ。
週末を通して快晴に恵まれたヤス・マリーナ・サ
ーキットは全長5.554㎞を誇り、トワイライトから
ナイトレースへと移行するため、コース上は人工
照明が灯される。レースは55周で争われ、スタ
ート時は気温26℃、路面温度29℃、湿度59%の
ドライコンディションだった。
シグナルが消灯と共に決戦がスタートすると、
メルセデスの2台は好発進でターン1を通過。レ
ッドブルとフェラーリが激しくポジションを争い、
3番手スタートのリカルドをフェラーリのライコネ
ンが追い抜くと、もう1台のレッドブルを駆るフェ
ルスタッペンがスピンを喫して最後尾に後退し
てしまう。ただ、フェルスタッペンは走行に影響
がなかったようで、次々にオーバーテイクを仕
掛けてポジションを取り戻した。
スタート直後にフロントウィングを破損したルノ
ーのマグヌッセンは緊急ピットストップでノーズ
を交換してレースを続けるも、6周目にチームか
ら再度のピットインが指示され、そのままマシン
をガレージに収めることになった。
メルセデスは7周が終わる頃にハミルトンにピッ
トインするよう伝え、同時にピットインしたライコ
ネンもソフトタイヤに履き替えている。翌周には
ロズベルグとベッテルもタイヤ交換を済ませた
が、ベッテルのピットインのタイミングとロズベル
グのピットアウトが重なってしまい、ロズベルグ
は数秒待機を強いられた。それでも、ライコネン
の前でコースに復帰することには成功。
第1スティントを長くとったフェルスタッペンがハ
ミルトンとロズベルグの間で粘り、タイヤ戦略が
異なるものの、オーバーテイクを仕掛けるロズ
ベルグに対して道を譲らず、何度も攻撃を受け
ながらも必死にポジションを死守した。
一方、フォース・インディアのペレスと8番手を
争っていたマクラーレンのバトンをサスペンショ
ントラブルが襲う。コースを飛び出し、「ステアリ
ングがおかしい」と訴えるも、右フロントサスペ
ンションが破損したのを確認してピットに向かい、
レースを終えた。グランドスタンドから大きな拍手
と声援が送られている。
さらに、週末を通してトラブルが相次ぐトロ・ロッソ
にまたも問題が発生。クビアトがコース上にマシ
ンを止めてしまった。
先頭のハミルトンが順調にペースを維持していく
中、フェルスタッペンを抜けずに手こずっていた
ロズベルグに対し、メルセデスから「オーバーテ
イクせよ」との無線連絡が入る。これを聞いたロ
ズベルグは一気にペースを上げてフェルスタッペ
ンにプレッシャーを与え、ターン11からの立ち上
がりでレッドブルマシンを置き去りに。3番手に下
がったフェルスタッペンは予選から履き続けるス
ーパーソフトタイヤが寿命に近づいていたようで
最初のピットストップを行い、ソフトタイヤに履き替
えてコースに戻った。
前が開けたロズベルグはファステストラップを刻み
ながらハミルトンを追いかけ、この辺りから3番手
以下のドライバーが上位2台に離されていく。ライ
コネンと競っていたリカルドは先にピットに入って
タイヤを交換。レッドブルの動きを見てフェラーリも
次の26周目にライコネンをピットに呼び入れるが、
コースに戻るとすでにリカルドは通過した後。レッ
ドブルがアンダーカットに成功する。2人の前には
フォース・インディアのぺレスがおり、リカルドが引
っかかる形でライコネンの接近を許したが、オー
バーテイクでペレスを料理して先行。結局、ペレ
スはその後すぐにピットインしたため、ライコネンも
大きなロスなくレースを続けている。
メルセデスは29周目にハミルトン、次のラップで
ロズベルグのタイヤ交換を済ませ、どちらもスム
ーズなピット作業でドライバーをコースへと送り出
した。
タイヤ戦略の異なるベッテルがラップリーダーとし
て君臨するも、コンマ数秒速いペースを刻むメル
セデス勢が追い上げていき、その差が3秒ほど
に縮まった38周目にベッテルが2度目のピットス
トップを実施。スーパーソフトタイヤに交換して隊
列に加わり、この時点でトップ5のライコネンから
5.5秒後ろだったが、フレッシュタイヤと柔らかい
コンパウンドの利点を生かして42周目には相棒
の前に出ている。さらに、4周を経てリカルドも料
理したベッテルは残り3周を切ってフェルスタッペ
ンに追いつき、3番手の座を確保すると、すぐ前
にいるメルセデスコンビにもプレッシャーをかけ
ていった。
また、トロ・ロッソのサインツとルノーのパーマー
が接触し、パーマーに事故を引き起こしたとして
5秒のタイムペナルティ―が科せられる。周回遅
れにされた直後、サインツの真後ろでブレーキン
グが遅れたパーマーが突っ込んでしまったのだ。
トロ・ロッソの不運はまだ終わらない。リアにダメ
ージを負ったサインツがギアボックスにも問題を
抱えてしまう。サインツもリタイヤを喫し、トロ・ロッ
ソは最終戦で2台ともチェッカーを受けられなかっ
た。
ラスト3周はメルセデスコンビとベッテル、フェル
スタッペンが1秒差以内の間隔で連なる超接近
戦が繰り広げられ、チェッカーが振られるその瞬
間までハラハラの展開に・・・。ベッテルの追い上
げを振り切りたいロズベルグはペースを上げたか
ったものの、先頭のハミルトンがマイペースを崩
さず、板挟み状態になる。それでも、ハミルトン
がトップチェッカーを受け、2位でゴールしたロズ
ベルグが初めてのタイトル獲得を決めた。終盤に
猛チャージを見せたベッテルは3位表彰台に上っ
ている。
4位以下、フェルスタッペン、リカルド、ライコネン、
ヒュルケンベルグ、ペレス、マッサ、アロンソがポ
イントを獲得。マッサは現役最後のレースで入賞
を果たした。
マクラーレン・ホンダのアロンソが10位入賞も、
このレースでF1の第一線を退くバトンは、右サス
ペンションの破損により、僅か12周でリタイヤ。
来年はバンド―ルンにシートを譲ることになるバ
トンは、レース自体と現代のF1マシンを一番恋し
く思うだろうと述べている。
ヤス・マリーナ・サーキットで27日(日)、2016年
FIA F1世界選手権第21戦アブダビGP決勝レー
スが開催され、メルセデスのハミルトンがポー
ル・トゥ・ウィンを飾った。ドライバーズ選手権タイ
トルは2位でゴールしたロズベルグが獲得して
いる。
タイトル決定戦を前にした予選では安定して好
調を維持していたハミルトンがポールポジション
を獲得し、0.3秒差のタイムを刻んだ僚友ロズベ
ルグがフロントロー、2列目にレッドブルのリカル
ドとフェラーリのライコネンが並んだ。
週末を通して快晴に恵まれたヤス・マリーナ・サ
ーキットは全長5.554㎞を誇り、トワイライトから
ナイトレースへと移行するため、コース上は人工
照明が灯される。レースは55周で争われ、スタ
ート時は気温26℃、路面温度29℃、湿度59%の
ドライコンディションだった。
シグナルが消灯と共に決戦がスタートすると、
メルセデスの2台は好発進でターン1を通過。レ
ッドブルとフェラーリが激しくポジションを争い、
3番手スタートのリカルドをフェラーリのライコネ
ンが追い抜くと、もう1台のレッドブルを駆るフェ
ルスタッペンがスピンを喫して最後尾に後退し
てしまう。ただ、フェルスタッペンは走行に影響
がなかったようで、次々にオーバーテイクを仕
掛けてポジションを取り戻した。
スタート直後にフロントウィングを破損したルノ
ーのマグヌッセンは緊急ピットストップでノーズ
を交換してレースを続けるも、6周目にチームか
ら再度のピットインが指示され、そのままマシン
をガレージに収めることになった。
メルセデスは7周が終わる頃にハミルトンにピッ
トインするよう伝え、同時にピットインしたライコ
ネンもソフトタイヤに履き替えている。翌周には
ロズベルグとベッテルもタイヤ交換を済ませた
が、ベッテルのピットインのタイミングとロズベル
グのピットアウトが重なってしまい、ロズベルグ
は数秒待機を強いられた。それでも、ライコネン
の前でコースに復帰することには成功。
第1スティントを長くとったフェルスタッペンがハ
ミルトンとロズベルグの間で粘り、タイヤ戦略が
異なるものの、オーバーテイクを仕掛けるロズ
ベルグに対して道を譲らず、何度も攻撃を受け
ながらも必死にポジションを死守した。
一方、フォース・インディアのペレスと8番手を
争っていたマクラーレンのバトンをサスペンショ
ントラブルが襲う。コースを飛び出し、「ステアリ
ングがおかしい」と訴えるも、右フロントサスペ
ンションが破損したのを確認してピットに向かい、
レースを終えた。グランドスタンドから大きな拍手
と声援が送られている。
さらに、週末を通してトラブルが相次ぐトロ・ロッソ
にまたも問題が発生。クビアトがコース上にマシ
ンを止めてしまった。
先頭のハミルトンが順調にペースを維持していく
中、フェルスタッペンを抜けずに手こずっていた
ロズベルグに対し、メルセデスから「オーバーテ
イクせよ」との無線連絡が入る。これを聞いたロ
ズベルグは一気にペースを上げてフェルスタッペ
ンにプレッシャーを与え、ターン11からの立ち上
がりでレッドブルマシンを置き去りに。3番手に下
がったフェルスタッペンは予選から履き続けるス
ーパーソフトタイヤが寿命に近づいていたようで
最初のピットストップを行い、ソフトタイヤに履き替
えてコースに戻った。
前が開けたロズベルグはファステストラップを刻み
ながらハミルトンを追いかけ、この辺りから3番手
以下のドライバーが上位2台に離されていく。ライ
コネンと競っていたリカルドは先にピットに入って
タイヤを交換。レッドブルの動きを見てフェラーリも
次の26周目にライコネンをピットに呼び入れるが、
コースに戻るとすでにリカルドは通過した後。レッ
ドブルがアンダーカットに成功する。2人の前には
フォース・インディアのぺレスがおり、リカルドが引
っかかる形でライコネンの接近を許したが、オー
バーテイクでペレスを料理して先行。結局、ペレ
スはその後すぐにピットインしたため、ライコネンも
大きなロスなくレースを続けている。
メルセデスは29周目にハミルトン、次のラップで
ロズベルグのタイヤ交換を済ませ、どちらもスム
ーズなピット作業でドライバーをコースへと送り出
した。
タイヤ戦略の異なるベッテルがラップリーダーとし
て君臨するも、コンマ数秒速いペースを刻むメル
セデス勢が追い上げていき、その差が3秒ほど
に縮まった38周目にベッテルが2度目のピットス
トップを実施。スーパーソフトタイヤに交換して隊
列に加わり、この時点でトップ5のライコネンから
5.5秒後ろだったが、フレッシュタイヤと柔らかい
コンパウンドの利点を生かして42周目には相棒
の前に出ている。さらに、4周を経てリカルドも料
理したベッテルは残り3周を切ってフェルスタッペ
ンに追いつき、3番手の座を確保すると、すぐ前
にいるメルセデスコンビにもプレッシャーをかけ
ていった。
また、トロ・ロッソのサインツとルノーのパーマー
が接触し、パーマーに事故を引き起こしたとして
5秒のタイムペナルティ―が科せられる。周回遅
れにされた直後、サインツの真後ろでブレーキン
グが遅れたパーマーが突っ込んでしまったのだ。
トロ・ロッソの不運はまだ終わらない。リアにダメ
ージを負ったサインツがギアボックスにも問題を
抱えてしまう。サインツもリタイヤを喫し、トロ・ロッ
ソは最終戦で2台ともチェッカーを受けられなかっ
た。
ラスト3周はメルセデスコンビとベッテル、フェル
スタッペンが1秒差以内の間隔で連なる超接近
戦が繰り広げられ、チェッカーが振られるその瞬
間までハラハラの展開に・・・。ベッテルの追い上
げを振り切りたいロズベルグはペースを上げたか
ったものの、先頭のハミルトンがマイペースを崩
さず、板挟み状態になる。それでも、ハミルトン
がトップチェッカーを受け、2位でゴールしたロズ
ベルグが初めてのタイトル獲得を決めた。終盤に
猛チャージを見せたベッテルは3位表彰台に上っ
ている。
4位以下、フェルスタッペン、リカルド、ライコネン、
ヒュルケンベルグ、ペレス、マッサ、アロンソがポ
イントを獲得。マッサは現役最後のレースで入賞
を果たした。
マクラーレン・ホンダのアロンソが10位入賞も、
このレースでF1の第一線を退くバトンは、右サス
ペンションの破損により、僅か12周でリタイヤ。
来年はバンド―ルンにシートを譲ることになるバ
トンは、レース自体と現代のF1マシンを一番恋し
く思うだろうと述べている。