現地時間28日(日)、2018年FIA F1世界選手権第19戦メキシコGP決勝レースが開催され、レッドブルのフェルスタッペンが優勝すると共に、メルセデスのハミルトンが5度目のドライバーズタイトルを確定させた。
海抜2,250mの高地にあるアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスではレッドブルが速さを示し、3回実施されたフリー走行はいずれもフェルスタッペンがトップに立っている。予選ではそのフェルスタッペンと100分の数秒を争う大激戦を繰り広げたチームメイトのリカルドが1分14秒759をマークしてポールシッターに輝いた。2列目に5点以上の獲得で戴冠決定の状態だったメルセデスのハミルトンと、数字上はまだタイトル獲得のチャンスを残していたフェラーリのベッテルが並んでいる。
ハースF1のグロージャンは前戦で他車と接触した責任としてメキシコで3グリッド降格処分を受けており、一部のエンジンコンポーネントとギアボックスを交換してレースに臨んだトロ・ロッソのガスリーがグリッドペナルティを科せられた。予選16番手だったグロージャンは18番グリッド、予選Q2に進むもペナルティを踏まえてタイムを残さなかったガスリーは最後尾の20番手に着いている。
決勝レースは全長4.304kmのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスを舞台に71周で争われ、曇り空の下、気温18.8℃、路面温度32.3℃、湿度54.8%のドライコンディションでスタート時刻を迎える。
レッドブル、メルセデス、フェラーリの6台は予選Q2のベストタイムをウルトラソフトタイヤでマークしており、スタートタイヤは6名のドライバーとも同じだ。メキシコにスーパーソフト、ウルトラソフト、ハイパーソフトのドライタイヤを持ち込んだピレリはスーパーソフトもしくはウルトラソフトの1セットをレース用に確保しておくよう義務付けている。
シグナル消灯と同時に2番手スタートのフェルスタッペンが好発進を決め、同様に蹴り出しが良かったハミルトンも出遅れたリカルドをかわした。ターン1の先頭争いはフェルスタッペンとハミルトンに絞られるも、フェルスタッペンが前をキープし、ハミルトンが2番手、リカルドは3番手に下がっている。
オープニングラップでフォース・インディアのオコンがルノーのサインツと接触してフロントウイングにダメージを受けたところ、付近にいたマクラーレンのアロンソがそのデブリを拾ってしまい、5周目を迎えたところで停車を余儀なくされた。オコンは1周目の終わりに緊急ピットインしてノーズとタイヤを交換しており、同時にトロ・ロッソのハートレーも1回目のピットストップを完了している。
好ペースだったレッドブルの一方で徐々にタイムが落ちてきていたメルセデス勢は12周目にハミルトンとボッタスのダブルストップを敢行して2台にスーパーソフトを履かせた。これを受けてレッドブルも動き、リカルド、フェルスタッペンの順で最初のピットストップを完了している。
フェラーリ勢は16周目の終わりまで第1スティントを引っ張り、ベッテルとライコネンの2人にスーパーソフトタイヤを履かせてコースに送り出したが、トップ6のオーダーに変化はなく、フェルスタッペンが8秒のリードを築いて先頭をキープ、ハミルトン、リカルド、ベッテル、ボッタス、ライコネンが6番手だった。
スーパーソフトではフェラーリ勢が好ペースを発揮し、ベッテルがリカルドとの距離を詰める中でライコネンも一時は15秒以上開いたボッタスとの差を徐々に縮めていく。
ポイント圏外ではあるものの、11番手につけていたルクレール(ザウバー)を先頭にした中団グループの接近戦はグロージャン、ハートレー、オコン、ガスリー、バンドールン(マクラーレン)、ストロール(ウィリアムズ)を含めた7人でのバトルに発展している。各車のタイヤ戦略が異なるため、レース後半を見据えた対応も求められ、難しい局面が続いた。
トップ6がトラフィックの対応に励む中、ルノーのサインツがレースの折り返し地点を前にスローダウンし、コース脇にマシンを止めた。トラブルの詳細は分かっていないが、パワーユニット問題が疑われている。
サインツのリタイアから4周後、ポジションを争っていたルクレールとペレスの攻防戦から少し離れた位置で様子をうかがっていたリカルドに、ベッテルがオーバーテイクを仕掛けて前に出る。リカルドはバックマーカーの対応に不満げだったが、周回遅れの2台をかわして前が開けてもフェラーリマシンとのギャップは開く一方だった。
リカルドを追い抜いて3番手に上がったベッテルは好ペースを刻んで前方のハミルトンに接近し、レース後半に入ってすぐにサイド・バイ・サイドに持ち込んでオーバーテイクを成功させる。
ラップリーダーのフェルスタッペンがリードを15秒に拡大した41周目、母国グランプリに挑んでいたフォース・インディアのペレスがガレージにマシンを入れてしまい、リタイアを喫した。
44周を走破したハースF1勢が最初で最後のタイヤ交換を終えた直後、ハミルトンに接近していたリカルドがプレッシャーをかけたところ、タイヤに苦しんでいたハミルトンがロックアップの末にオーバーランを喫し、リカルドがポジションを上げている。芝生を通ってなんとかコースに戻ったハミルトンだが、タイヤはもはや寿命が尽きかけており、すぐにピットに向かって新しいタイヤと交換した。
ハミルトンがピットレーンに入る頃、同じ場所でライコネンに迫られていたボッタスが同じようにしてタイヤをロックアップ、コースを飛び出しながらもなんとかコースに復帰してタイヤを交換すべくピットを目指している。
フェルスタッペンとベッテルも2回目のピットストップを済ませたが、それぞれポジションを上げたリカルドとライコネンはコースにとどまって1ストップ戦略に打って出た。しかしながら、そのリカルドを悲劇が襲ったのは61周目。第2スティントを継続して2番手につけていたにもかかわらず、ルノーエンジンが悲鳴を上げてしまったのだ。ベッテルを抑えながら踏ん張ろうとしたものの、チームから停車を指示されて無念のリタイアを喫している。
リカルドの停車でバーチャルセーフティカーが発令され、そのタイミングでメルセデスがボッタスのタイヤをハイパーソフトに交換。1ストップだったライコネンやペースが落ちていたハミルトンはステイアウトしている。
チームメイトのエンジントラブルを受けて慎重にマシンを操っていたフェルスタッペンはチームに指示をあおぎ、「エンジンをターンダウンする必要なし。ゴールを目指せ」とのメッセージを聞いてラストの2周に臨んだ。
71周の激闘を終えてフェルスタッペンがトップチェッカーを受け、17秒遅れでベッテルが2位、さらに32秒後にライコネンがゴールして3位表彰台に上っている。フェルスタッペンと同一周回だった最後の1人、ハミルトンは4位でフィニッシュし、今年もメキシコでドライバーズ選手権タイトルを決めた。
5位以下、入賞はボッタス、ヒュルケンベルグ、ルクレール、バンドールン、エリクソン、ガスリーが10位で1点を手に入れている。
もう1台のトロ・ロッソを駆るハートレーはオコンとの接触で5秒ペナルティを受け、14位完走となった。
長かった2018年シーズンも残すところあと2レース。
残り2戦のホンダPUのスペック3の投入により、ガスリー、ハートレーともポイントを獲得して欲しいですね。
海抜2,250mの高地にあるアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスではレッドブルが速さを示し、3回実施されたフリー走行はいずれもフェルスタッペンがトップに立っている。予選ではそのフェルスタッペンと100分の数秒を争う大激戦を繰り広げたチームメイトのリカルドが1分14秒759をマークしてポールシッターに輝いた。2列目に5点以上の獲得で戴冠決定の状態だったメルセデスのハミルトンと、数字上はまだタイトル獲得のチャンスを残していたフェラーリのベッテルが並んでいる。
ハースF1のグロージャンは前戦で他車と接触した責任としてメキシコで3グリッド降格処分を受けており、一部のエンジンコンポーネントとギアボックスを交換してレースに臨んだトロ・ロッソのガスリーがグリッドペナルティを科せられた。予選16番手だったグロージャンは18番グリッド、予選Q2に進むもペナルティを踏まえてタイムを残さなかったガスリーは最後尾の20番手に着いている。
決勝レースは全長4.304kmのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスを舞台に71周で争われ、曇り空の下、気温18.8℃、路面温度32.3℃、湿度54.8%のドライコンディションでスタート時刻を迎える。
レッドブル、メルセデス、フェラーリの6台は予選Q2のベストタイムをウルトラソフトタイヤでマークしており、スタートタイヤは6名のドライバーとも同じだ。メキシコにスーパーソフト、ウルトラソフト、ハイパーソフトのドライタイヤを持ち込んだピレリはスーパーソフトもしくはウルトラソフトの1セットをレース用に確保しておくよう義務付けている。
シグナル消灯と同時に2番手スタートのフェルスタッペンが好発進を決め、同様に蹴り出しが良かったハミルトンも出遅れたリカルドをかわした。ターン1の先頭争いはフェルスタッペンとハミルトンに絞られるも、フェルスタッペンが前をキープし、ハミルトンが2番手、リカルドは3番手に下がっている。
オープニングラップでフォース・インディアのオコンがルノーのサインツと接触してフロントウイングにダメージを受けたところ、付近にいたマクラーレンのアロンソがそのデブリを拾ってしまい、5周目を迎えたところで停車を余儀なくされた。オコンは1周目の終わりに緊急ピットインしてノーズとタイヤを交換しており、同時にトロ・ロッソのハートレーも1回目のピットストップを完了している。
好ペースだったレッドブルの一方で徐々にタイムが落ちてきていたメルセデス勢は12周目にハミルトンとボッタスのダブルストップを敢行して2台にスーパーソフトを履かせた。これを受けてレッドブルも動き、リカルド、フェルスタッペンの順で最初のピットストップを完了している。
フェラーリ勢は16周目の終わりまで第1スティントを引っ張り、ベッテルとライコネンの2人にスーパーソフトタイヤを履かせてコースに送り出したが、トップ6のオーダーに変化はなく、フェルスタッペンが8秒のリードを築いて先頭をキープ、ハミルトン、リカルド、ベッテル、ボッタス、ライコネンが6番手だった。
スーパーソフトではフェラーリ勢が好ペースを発揮し、ベッテルがリカルドとの距離を詰める中でライコネンも一時は15秒以上開いたボッタスとの差を徐々に縮めていく。
ポイント圏外ではあるものの、11番手につけていたルクレール(ザウバー)を先頭にした中団グループの接近戦はグロージャン、ハートレー、オコン、ガスリー、バンドールン(マクラーレン)、ストロール(ウィリアムズ)を含めた7人でのバトルに発展している。各車のタイヤ戦略が異なるため、レース後半を見据えた対応も求められ、難しい局面が続いた。
トップ6がトラフィックの対応に励む中、ルノーのサインツがレースの折り返し地点を前にスローダウンし、コース脇にマシンを止めた。トラブルの詳細は分かっていないが、パワーユニット問題が疑われている。
サインツのリタイアから4周後、ポジションを争っていたルクレールとペレスの攻防戦から少し離れた位置で様子をうかがっていたリカルドに、ベッテルがオーバーテイクを仕掛けて前に出る。リカルドはバックマーカーの対応に不満げだったが、周回遅れの2台をかわして前が開けてもフェラーリマシンとのギャップは開く一方だった。
リカルドを追い抜いて3番手に上がったベッテルは好ペースを刻んで前方のハミルトンに接近し、レース後半に入ってすぐにサイド・バイ・サイドに持ち込んでオーバーテイクを成功させる。
ラップリーダーのフェルスタッペンがリードを15秒に拡大した41周目、母国グランプリに挑んでいたフォース・インディアのペレスがガレージにマシンを入れてしまい、リタイアを喫した。
44周を走破したハースF1勢が最初で最後のタイヤ交換を終えた直後、ハミルトンに接近していたリカルドがプレッシャーをかけたところ、タイヤに苦しんでいたハミルトンがロックアップの末にオーバーランを喫し、リカルドがポジションを上げている。芝生を通ってなんとかコースに戻ったハミルトンだが、タイヤはもはや寿命が尽きかけており、すぐにピットに向かって新しいタイヤと交換した。
ハミルトンがピットレーンに入る頃、同じ場所でライコネンに迫られていたボッタスが同じようにしてタイヤをロックアップ、コースを飛び出しながらもなんとかコースに復帰してタイヤを交換すべくピットを目指している。
フェルスタッペンとベッテルも2回目のピットストップを済ませたが、それぞれポジションを上げたリカルドとライコネンはコースにとどまって1ストップ戦略に打って出た。しかしながら、そのリカルドを悲劇が襲ったのは61周目。第2スティントを継続して2番手につけていたにもかかわらず、ルノーエンジンが悲鳴を上げてしまったのだ。ベッテルを抑えながら踏ん張ろうとしたものの、チームから停車を指示されて無念のリタイアを喫している。
リカルドの停車でバーチャルセーフティカーが発令され、そのタイミングでメルセデスがボッタスのタイヤをハイパーソフトに交換。1ストップだったライコネンやペースが落ちていたハミルトンはステイアウトしている。
チームメイトのエンジントラブルを受けて慎重にマシンを操っていたフェルスタッペンはチームに指示をあおぎ、「エンジンをターンダウンする必要なし。ゴールを目指せ」とのメッセージを聞いてラストの2周に臨んだ。
71周の激闘を終えてフェルスタッペンがトップチェッカーを受け、17秒遅れでベッテルが2位、さらに32秒後にライコネンがゴールして3位表彰台に上っている。フェルスタッペンと同一周回だった最後の1人、ハミルトンは4位でフィニッシュし、今年もメキシコでドライバーズ選手権タイトルを決めた。
5位以下、入賞はボッタス、ヒュルケンベルグ、ルクレール、バンドールン、エリクソン、ガスリーが10位で1点を手に入れている。
もう1台のトロ・ロッソを駆るハートレーはオコンとの接触で5秒ペナルティを受け、14位完走となった。
長かった2018年シーズンも残すところあと2レース。
残り2戦のホンダPUのスペック3の投入により、ガスリー、ハートレーともポイントを獲得して欲しいですね。