23日(日)、モンテカルロ市街地サーキットを舞台にシーズン第5戦モナコGP決勝レースが行われ、レッドブルのフェルスタッペンが優勝した。
混戦が予想された予選はポールシッターを争うQ3序盤にフェラーリのルクレールがトップタイムを記録し、タイムアップを目指して最後のアタックに臨んだところ、スイミングプール区間でガードレールにマシンをぶつけてしまい、クラッシュを喫して赤旗が振られる事態に。残り時間が少なくセッションはそのまま終了となり、ルクレールより後方でラストアタックに挑んでいた各車はタイムを更新できずに予選を終えることになった。
マシンのダメージが懸念されていたルクレールだが、予選後と決勝当日のチェックでギアボックスには問題なしとの判断がくだされていたにもかかわらず、ダミーグリッドに向かう途中にトラブルが発生したことを報告。フェラーリによると、左側のドライブシャフトに問題が起きていたとのことで、スタートに間に合わせて修復を完了するのは困難としてルクレールのレース出走を断念することになった。
ペナルティを受けるとはいえ、ギアボックスを交換していれば防げたかもしれないトラブルだっただけに、ルクレールの無念は想像を絶するが、モンテカルロの決戦は予定通りにスタート時刻を迎える。
タイトでツイスティな低速コースのモナコは全長3.337km、決勝レースは78周で争われ、気温20.9℃、路面温度42.7℃、湿度61.9%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まった。予選トップ10に入ったドライバーは全員がソフトタイヤで第1スティントを走り、11番手以降では13番手スタートのストロール(アストンマーティン)と16番手スタートの角田(アルファタウリ)がハードタイヤをチョイスしている。
ルクレールの欠場により、ポールシッター不在となったレースは先頭スタートのフェルスタッペンが後方3番グリッドに並んだボッタス(メルセデス)をカバーする形でターン1を駆け抜けて先頭をキープし、少し後ろでわずかな接触があったのか、マシンパーツが飛ぶシーンも見られたが、大きな混乱はなく19台がオープニングラップを完了した。
抜きにくいコースとあって波乱なきスタート後――少なくともフォーメーションラップ以降――は上位勢にポジションの変化はなく、10周を消化してフェルスタッペンがラップリーダーのまま、2番手にボッタス、3番手に一翼を失ったフェラーリのサインツがつけている状態だ。ポイント圏内にはマクラーレンのノリスのほか、ガスリー(アルファタウリ)、予選7番手にとどまったディフェンディングチャンピオンのハミルトン(メルセデス)が6番手を走り、モナコ優勝経験のあるベッテル(アストンマーティン)、ペレス(レッドブル)、ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)、オコン(アルピーヌ)が名を連ねていた。
レースの4分の1が終わってなお、ユーズドタイヤでスタートした上位勢ですらそれぞれ自己ベストタイムを更新し続けており、路面温度はこれまでのセッションより高めとはいえ、他のグランプリに比べればタイヤ管理をあまり気にせずに攻められる状況とあって、すでに隊列が組まれたレースはピットストップが始まるまでパレード状態が続くと考えられた。
1秒以下のギャップで攻防戦を繰り広げていたのはガスリーとハミルトン、その後方にいたベッテルとペレスだが、ハミルトンもペレスも追い抜きを仕掛けられる状態には持っていけず、がまんのレースを強いられている。それ以外のドライバーたちは2秒から5秒ほどの間隔で連なっており、フェルスタッペンが21周目に入った時点で最後尾のマゼピン(ハースF1)まで70秒差だった。
フェルスタッペンがマゼピンの背中をとらえ、周回遅れにしたのは23周目。フェルスタッペンに4秒以上のリードを築かれていたボッタスは1周ほど遅れてマゼピンをラップダウンにし、真後ろに控えるサインツも同時にハースF1マシンをかわしている。サインツは無線でボッタスよりもペースがあることをしきりに訴えており、1.5秒前後に近づいてプレッシャーをかけていったものの、本格的に攻撃を仕掛けることはなかった。ただ、ボッタスが「左タイヤがもうほとんど残っていない」とピットウオールに伝えていたことから、ピットストップのタイミングが迫っていることをうかがわせた。
最初に動いたのはやはりメルセデス陣営だ。しかし、ボッタスではなくハミルトンを先にピットに呼び入れ、ハードタイヤを履かせてコースに送り出している。戻った位置はクリーンエアが取れるジョビナッツィの前だ。9番手を走っていたジョビナッツィは前のペレスから14秒以上遅れていたため、前が開けた状態の好位置につけたハミルトンはアンダーカットを狙って猛プッシュする。
メルセデスは次のラップでボッタスのタイヤ交換も実行するが、右フロントタイヤがまったく外れず、クルーが必死に作業していたが、完全にスタックしていたことからレース続行を断念・・・。2番手と表彰台圏内をキープしていたボッタスだが、折り返し地点を迎える前にマシンを降りることになった。
その間に他の陣営も各車のピットストップを進めており、メルセデスとハミルトンが逆転を狙ったガスリーも最初で最後になるであろうタイヤ交換を済ませている。ガスリーはハミルトンの前をキープして第2スティントをスタートしたが、2人より後にピットインしたベッテルがオーバーカットを成功させて5番手に浮上。ベッテルがピットアウトしたタイミングでガスリーとはサイド・バイ・サイドのバトルにもつれ込んだものの、ベッテルが先行して5番手を確保している。
他チームよりピットストップを遅らせたレッドブルはフェルスタッペンのタイヤを先にハードに交換し、その次のラップでペレスのピットストップも完了。フェルスタッペンにリードをキープさせ、ペレスをベッテルの前でコースに復帰させることに成功したレッドブルのガレージはホッとした安心感と喜びに包まれていた。
まだ、中団以降にはスタートと同じタイヤを履き続けているドライバーも複数いたが、第2スティントに入った上位勢のオーダーはフェルスタッペン、サインツ、ノリスのトップ3に、4番手に上がったペレスが続き、ベッテル、ガスリー、ハミルトンが7番手を走行。8番手と9番手に並んでいたストロールとライコネン(アルファロメオ・レーシング)は、タイヤこそハードとミディアムで異なるものの、第1スティントを長く取る戦略を採用している。他にはアロンソ(アルピーヌ)、ラティフィ(ウィリアムズ)、角田がステイアウトを続けていたものの、いずれもポイント圏外の位置だ。
ライコネンとラティフィは45周目に入るタイミングでピットに入ってタイヤを交換。残り周回数は33まで減っていたが、どちらもハードタイヤを選んでいる。アロンソは2人に2周遅れてピットインし、こちらはソフトタイヤに履き替えてチェッカーを目指す戦略を取った。
ストロールがピットに入ったのは先頭のフェルスタッペンが59周目に入ってから。オコンに22秒近いギャップを築いた状態だったことから、ソフトタイヤでコースに復帰したストロールは接近戦が続くオコンとジョビナッツィの前をキープし、ピットイン前と同じ8番手を確保した。ピット出口のイエローラインを超えた疑いでスチュワードの審議対象となってしまったが、最終的におとがめなしの裁定が下されている。
最も長く第1スティントを走り、戦略の異なるアロンソを追いかけ続けていた角田はレースが66周目に入った後、ソフトタイヤに交換してチェッカーフラッグを目指すことになった。
レース終盤には3番手を走るノリスの真後ろにペレスが接近。ノリスはピットウオールに対して必要のない限り無線連絡をせぬよう要望し、ペレスとの直接対決に全集中した。同様にガスリーとの攻防戦を続けていたハミルトンはオーバーテイクの可能性を捨て、残り10周を前にソフトタイヤに履き替えてファステストラップを狙う戦略に切り替える。ソフトは新品がない状態だったものの、ハミルトンはユーズドながらその狙い通りに1分12秒台のファステストラップをたたき出している。
また、9番手につけながらもペースがまったく上がらないオコンに対してアルファロメオ・レーシングの2台がプレッシャーをかけていく。ジョビナッツィはレースの大半をオコンの真後ろで過ごしていたが、ライコネンは一時25秒以上あったギャップを縮めてチームメイトとオコンのバトルに加わっている。さらにマクラーレンのリカルドも追いつき、アロンソも合流した結果、オコンを先頭とする集団は終了間際にして5台が連なった。
スタートからファイナルラップまでリードを一度も譲らなかったフェルスタッペンがトップチェッカーを受け、サインツが2位でフィニッシュ、ペレスのプレッシャーを振り切ったノリスが懸命の走りで3位表彰台を手に入れた。
4位以下、入賞はペレス、ベッテル、ガスリー、ハミルトン、ストロール、オコンはなんとかポジションを守り抜いて9位でゴール、ジョビナッツィが10位に入って1点をもぎ取っている。ライコネンは惜しくもポイントに届かず11位、リカルド、アロンソ、ラッセル(ウィリアムズ)、ラティフィ、角田、マゼピン、ミック・シューマッハ(ハースF1)が完走を果たした。
ホンダPU勢、フェルスタッペンがモナコ初制覇!
ペレスが4番手、ガスリーが6番手、角田は16番手完走、次戦アゼルバイジャンGPではホンダPU勢の表彰台独占を期待したいですね!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/2c/382904525a083e63d5d884d65e301c90.jpg)
混戦が予想された予選はポールシッターを争うQ3序盤にフェラーリのルクレールがトップタイムを記録し、タイムアップを目指して最後のアタックに臨んだところ、スイミングプール区間でガードレールにマシンをぶつけてしまい、クラッシュを喫して赤旗が振られる事態に。残り時間が少なくセッションはそのまま終了となり、ルクレールより後方でラストアタックに挑んでいた各車はタイムを更新できずに予選を終えることになった。
マシンのダメージが懸念されていたルクレールだが、予選後と決勝当日のチェックでギアボックスには問題なしとの判断がくだされていたにもかかわらず、ダミーグリッドに向かう途中にトラブルが発生したことを報告。フェラーリによると、左側のドライブシャフトに問題が起きていたとのことで、スタートに間に合わせて修復を完了するのは困難としてルクレールのレース出走を断念することになった。
ペナルティを受けるとはいえ、ギアボックスを交換していれば防げたかもしれないトラブルだっただけに、ルクレールの無念は想像を絶するが、モンテカルロの決戦は予定通りにスタート時刻を迎える。
タイトでツイスティな低速コースのモナコは全長3.337km、決勝レースは78周で争われ、気温20.9℃、路面温度42.7℃、湿度61.9%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まった。予選トップ10に入ったドライバーは全員がソフトタイヤで第1スティントを走り、11番手以降では13番手スタートのストロール(アストンマーティン)と16番手スタートの角田(アルファタウリ)がハードタイヤをチョイスしている。
ルクレールの欠場により、ポールシッター不在となったレースは先頭スタートのフェルスタッペンが後方3番グリッドに並んだボッタス(メルセデス)をカバーする形でターン1を駆け抜けて先頭をキープし、少し後ろでわずかな接触があったのか、マシンパーツが飛ぶシーンも見られたが、大きな混乱はなく19台がオープニングラップを完了した。
抜きにくいコースとあって波乱なきスタート後――少なくともフォーメーションラップ以降――は上位勢にポジションの変化はなく、10周を消化してフェルスタッペンがラップリーダーのまま、2番手にボッタス、3番手に一翼を失ったフェラーリのサインツがつけている状態だ。ポイント圏内にはマクラーレンのノリスのほか、ガスリー(アルファタウリ)、予選7番手にとどまったディフェンディングチャンピオンのハミルトン(メルセデス)が6番手を走り、モナコ優勝経験のあるベッテル(アストンマーティン)、ペレス(レッドブル)、ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)、オコン(アルピーヌ)が名を連ねていた。
レースの4分の1が終わってなお、ユーズドタイヤでスタートした上位勢ですらそれぞれ自己ベストタイムを更新し続けており、路面温度はこれまでのセッションより高めとはいえ、他のグランプリに比べればタイヤ管理をあまり気にせずに攻められる状況とあって、すでに隊列が組まれたレースはピットストップが始まるまでパレード状態が続くと考えられた。
1秒以下のギャップで攻防戦を繰り広げていたのはガスリーとハミルトン、その後方にいたベッテルとペレスだが、ハミルトンもペレスも追い抜きを仕掛けられる状態には持っていけず、がまんのレースを強いられている。それ以外のドライバーたちは2秒から5秒ほどの間隔で連なっており、フェルスタッペンが21周目に入った時点で最後尾のマゼピン(ハースF1)まで70秒差だった。
フェルスタッペンがマゼピンの背中をとらえ、周回遅れにしたのは23周目。フェルスタッペンに4秒以上のリードを築かれていたボッタスは1周ほど遅れてマゼピンをラップダウンにし、真後ろに控えるサインツも同時にハースF1マシンをかわしている。サインツは無線でボッタスよりもペースがあることをしきりに訴えており、1.5秒前後に近づいてプレッシャーをかけていったものの、本格的に攻撃を仕掛けることはなかった。ただ、ボッタスが「左タイヤがもうほとんど残っていない」とピットウオールに伝えていたことから、ピットストップのタイミングが迫っていることをうかがわせた。
最初に動いたのはやはりメルセデス陣営だ。しかし、ボッタスではなくハミルトンを先にピットに呼び入れ、ハードタイヤを履かせてコースに送り出している。戻った位置はクリーンエアが取れるジョビナッツィの前だ。9番手を走っていたジョビナッツィは前のペレスから14秒以上遅れていたため、前が開けた状態の好位置につけたハミルトンはアンダーカットを狙って猛プッシュする。
メルセデスは次のラップでボッタスのタイヤ交換も実行するが、右フロントタイヤがまったく外れず、クルーが必死に作業していたが、完全にスタックしていたことからレース続行を断念・・・。2番手と表彰台圏内をキープしていたボッタスだが、折り返し地点を迎える前にマシンを降りることになった。
その間に他の陣営も各車のピットストップを進めており、メルセデスとハミルトンが逆転を狙ったガスリーも最初で最後になるであろうタイヤ交換を済ませている。ガスリーはハミルトンの前をキープして第2スティントをスタートしたが、2人より後にピットインしたベッテルがオーバーカットを成功させて5番手に浮上。ベッテルがピットアウトしたタイミングでガスリーとはサイド・バイ・サイドのバトルにもつれ込んだものの、ベッテルが先行して5番手を確保している。
他チームよりピットストップを遅らせたレッドブルはフェルスタッペンのタイヤを先にハードに交換し、その次のラップでペレスのピットストップも完了。フェルスタッペンにリードをキープさせ、ペレスをベッテルの前でコースに復帰させることに成功したレッドブルのガレージはホッとした安心感と喜びに包まれていた。
まだ、中団以降にはスタートと同じタイヤを履き続けているドライバーも複数いたが、第2スティントに入った上位勢のオーダーはフェルスタッペン、サインツ、ノリスのトップ3に、4番手に上がったペレスが続き、ベッテル、ガスリー、ハミルトンが7番手を走行。8番手と9番手に並んでいたストロールとライコネン(アルファロメオ・レーシング)は、タイヤこそハードとミディアムで異なるものの、第1スティントを長く取る戦略を採用している。他にはアロンソ(アルピーヌ)、ラティフィ(ウィリアムズ)、角田がステイアウトを続けていたものの、いずれもポイント圏外の位置だ。
ライコネンとラティフィは45周目に入るタイミングでピットに入ってタイヤを交換。残り周回数は33まで減っていたが、どちらもハードタイヤを選んでいる。アロンソは2人に2周遅れてピットインし、こちらはソフトタイヤに履き替えてチェッカーを目指す戦略を取った。
ストロールがピットに入ったのは先頭のフェルスタッペンが59周目に入ってから。オコンに22秒近いギャップを築いた状態だったことから、ソフトタイヤでコースに復帰したストロールは接近戦が続くオコンとジョビナッツィの前をキープし、ピットイン前と同じ8番手を確保した。ピット出口のイエローラインを超えた疑いでスチュワードの審議対象となってしまったが、最終的におとがめなしの裁定が下されている。
最も長く第1スティントを走り、戦略の異なるアロンソを追いかけ続けていた角田はレースが66周目に入った後、ソフトタイヤに交換してチェッカーフラッグを目指すことになった。
レース終盤には3番手を走るノリスの真後ろにペレスが接近。ノリスはピットウオールに対して必要のない限り無線連絡をせぬよう要望し、ペレスとの直接対決に全集中した。同様にガスリーとの攻防戦を続けていたハミルトンはオーバーテイクの可能性を捨て、残り10周を前にソフトタイヤに履き替えてファステストラップを狙う戦略に切り替える。ソフトは新品がない状態だったものの、ハミルトンはユーズドながらその狙い通りに1分12秒台のファステストラップをたたき出している。
また、9番手につけながらもペースがまったく上がらないオコンに対してアルファロメオ・レーシングの2台がプレッシャーをかけていく。ジョビナッツィはレースの大半をオコンの真後ろで過ごしていたが、ライコネンは一時25秒以上あったギャップを縮めてチームメイトとオコンのバトルに加わっている。さらにマクラーレンのリカルドも追いつき、アロンソも合流した結果、オコンを先頭とする集団は終了間際にして5台が連なった。
スタートからファイナルラップまでリードを一度も譲らなかったフェルスタッペンがトップチェッカーを受け、サインツが2位でフィニッシュ、ペレスのプレッシャーを振り切ったノリスが懸命の走りで3位表彰台を手に入れた。
4位以下、入賞はペレス、ベッテル、ガスリー、ハミルトン、ストロール、オコンはなんとかポジションを守り抜いて9位でゴール、ジョビナッツィが10位に入って1点をもぎ取っている。ライコネンは惜しくもポイントに届かず11位、リカルド、アロンソ、ラッセル(ウィリアムズ)、ラティフィ、角田、マゼピン、ミック・シューマッハ(ハースF1)が完走を果たした。
ホンダPU勢、フェルスタッペンがモナコ初制覇!
ペレスが4番手、ガスリーが6番手、角田は16番手完走、次戦アゼルバイジャンGPではホンダPU勢の表彰台独占を期待したいですね!