煌めく夕日が地平線へと傾き、夕闇が訪れようとしている
ヤス・マリーナ・サーキットにて今季最終戦の火蓋が切ら
れ、23日(日)日本時間22時から2014年FIA F1世界選手
権第19戦アブダビGP決勝が実施された。
前日に行われた予選では、17ポイント差を逆転してのタイ
トル奪取を狙うロズベルグがポールポジションを獲得し、チ
ャンピオンシップリーダーのハミルトンが2番手に入った。
ハミルトンは1位か2位で王座確定、逆にロズベルググは
6位以下になると選手権制覇の望みが消える。
サーキットは1周5.554Km、決勝レースは55周で行われる。
スタート時の天候は晴れ、気温26℃、路面温度33℃のドラ
イコンディションだった。
今季最後のシグナルが消えると、鮮やかなスタートダッシュ
を決めたハミルトンが出遅れたロズベルグをかわしていく。
10周目が終わったところでハミルトンとボッタスがピットへ。
ロズベルグにはプッシュの指示が飛ぶが、次のラップにタイ
ヤ交換をこなしたロズベルグが戻った位置は、やはりハミル
トンの後ろだった。
日が沈んだアブダビの空は青から濃紺へと変わっていく。
隊列の前方ではロズベルグがタイヤをロックさせてコースオ
フするも、体制を立て直してハミルトンの4秒後ろに戻る。し
かし、ロズベルグはERS(エネルギー回生システム)のトラブ
ルに見舞われ、見る間にペースを落としていった。
ハミルトンに3秒遅いペースで苦しい戦いを強いられたロズ
ベルグは28周目にマッサにパスされ、3番手に下がる。
2戦の欠場を経て最終戦の舞台に戻ってきたケータハムの
ために懸命にレースしてた可夢偉だが、45周目にピットで今
季の戦いに幕を引いた。
マッサは確実にハミルトンとのギャップを削っていくが、ハミ
ルトンもそれに応じてペースアップする。対するロズベルグ
はスーパーソフトを履いたライバルたちに為すすべもなく抜
かれていき、ポジションは13番手、上位勢が1分45秒から46
秒台で走行している状況で2分台までタイムを落としている。
2周を残した段階でロズベルグにはピットインの指示が飛ぶ
が、本人は最後までレースする事を希望し、3秒差で走行す
るハミルトンとマッサに道を譲りながらも走り続ける。
最後はマッサを2.5秒後方にとどめたハミルトンが、優勝とい
う最高の形で自身2度目の選手権制覇を達成した。マッサと
ボッタスのウィリアムズコンビが2位と3位で表彰台に上って
いる。
4位リカルドからバトン、ヒュルケンベルグ、ペレス、ベッテル
アロンソ、ライコネンまでがポイントを獲得。ロズベルグは14
位まで下がった。
これで2014年の戦いはすべて終了。2015年のチャンピオ
ンシップは3月にオーストラリアで開幕する予定。
ホンダがマクラーレンとのタッグで戦線に復帰する来季の
F1世界選手権が楽しみです。