26日(日)、ソチ・オートドロームを舞台にシーズン第15戦ロシアGP決勝レースが開催され、終盤の雨が大きな影響を与えた結果、メルセデスのハミルトンが通算100勝目を挙げるとともに、メルセデスがロシアGPで8連覇を達成した。
初日は好天に恵まれたものの、グランプリ2日目は悪天候に見舞われ、土曜フリー走行が中止された後に実施された予選もウエットコンディションでスタートしたが、徐々に路面が乾いていく難しいコンディションとなり、Q3終盤にはドライタイヤが登場。早めにスリックタイヤに切り替える判断を下した陣営が2回以上のアタックラップのチャンスを得るなど、いつもとは異なる状況の中、マクラーレンのノリスが1分41秒993でラップをまとめ、キャリア初となるポールポジションを獲得した。2番手には元チームメイトで現在はフェラーリを駆るサインツが入り、最初にソフトタイヤを投入したウィリアムズのラッセルが3番手に食い込んでいる。
ソチ・オートドロームでは複数のドライバーがグリッド降格ペナルティを受けており、前戦のペナルティで3グリッド降格が決定していたレッドブルのマックス・フェルスタッペンはパワーユニット交換を決断し、予選はタイムを計測せずに20番手で終えた。フェラーリのルクレールも予選前に新しいエンジンコンポーネント投入を決めていたため、Q2に進んだ後はリスクを回避してアタックラップに臨んでいない。ウィリアムズのラティフィに加えて、予選7番手だったメルセデスのボッタスも新しいパワーユニットでレースに挑むことになった。さらに、ギアボックスを交換したのがアルファロメオ・レーシングのジョビナッツィだ。
カレンダーではスパ・フランコルシャンとシルバーストーンに続いて3番目に長い全長5.848kmを誇るソチ・オートドロームにて53周で争われた決勝レースは気温19.1℃、路面温度22℃、湿度60.9%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。予選がウエットコンディションだったため、レーススタートに装着するタイヤは全車が自由に選択でき、上位5グリッドに並んだドライバーたちはミディアムを選択、6番手スタートのアロンソ(アルピーヌ)と8番グリッドからスタートしたレッドブルのペレスがハードタイヤで決戦に挑んでいる。11番手以降もミディアムもしくはハードのコンパウンドを選び、ソフトを履いたドライバーはいない。ペナルティを受けたドライバー中で第1スティントにミディアムタイヤを選んだのはラティフィだけで、それ以外はハードタイヤをチョイスした。
注目の蹴り出しはノリスが好発進を決めるも、ターン2ではブレーキングポイントを遅らせたと見られるサインツがややロックアップしながらもノリスの前に出て先頭に浮上し、複数台が団子状態でコーナーに進入した結果、アロンソがコースを飛び出してしまったが、無事にコース復帰を果たしている。オープニングラップを終えてサインツがトップをキープし、ノリスとラッセルに次いでストロール(アストンマーティン)が4番手にポジションを上げ、スタート位置を維持したリカルド(マクラーレン)の後ろにハミルトン(メルセデス)、アロンソ、ペレス(レッドブル)、オコン(アルピーヌ)、アルファロメオ・レーシングのライコネンが10番手に上がっていた。
後方スタートの面々はルクレールが12番手まで大きく回復し、ひとつ順位を上げたボッタスの真後ろにはフェルスタッペンがピタリとつけている。アルファタウリの角田裕毅はスタート直後の混雑でポジションを失い、12番手から19番手に後退してしまった。
快調に飛ばすサインツに1.5秒ほどのギャップでノリスが続き、3番手をキープするラッセルは2人より1秒ほどペースが遅く、後方のドライバーたちがコンマ数秒差の隊列を組んだ状態で追い抜きのチャンスを狙っていくも、ラッセルも懸命にマシンをプッシュしており、簡単には道を譲らない。
至るところでバトルが繰り広げられる中、7周目にはフェルスタッペンがボッタスに対するオーバーテイクを成功させて14番手に上がり、続けて目の前にいたガスリー(アルファタウリ)に狙いを定める。かつての相棒も追い抜いたフェルスタッペンは次のラップにはルクレールをも料理して12番手に浮上、12周目に4番手を走っていたストロールが最初のピットストップに向かって15番手の位置でコース復帰した結果、フェルスタッペンは11番手とポイント圏内まであとひとつのところに迫った。
数周にわたってオーダーが動かず、しばらく安定していくかと思われたレースは13周目にノリスがサインツに仕掛けてリードを奪うと、そのラップ終わりに3番手にいたラッセルがタイヤ交換に向かったほか、リードを明け渡したサインツもピットストップのタイミングを迎えてタイムシートが目まぐるしく変わっていく。
マクラーレンはノリスとリカルドをステイアウトさせて1-2態勢を築き、2番手に上がる格好となったリカルドのコンマ数秒後方にいたハミルトンもコースにとどまったが、簡単にはリカルドを追い抜けない状況を考えると、アンダーカットを狙う戦略の方が良いようにも思われた。特に、この時点で4番手以降に並んでいたのはスタートにハードタイヤを選んだドライバーたちが大半で、ペレスとアロンソを挟んで6番手にはフェルスタッペンが迫ってきており、ハミルトンとフェルスタッペンのギャップは18周目に入った時点で6秒弱しかなかった。
先頭のノリスが1分40秒後半のペースで周回を重ねる一方、それより1秒ほど遅いラップタイムのリカルドに付き合う格好のハミルトンは徐々にノリスとの差が開くのに加えて後続勢のプレッシャーにも対応しなければならず、難しいレースが続く。
マクラーレンが動いたのは23周目。まずはリカルドをピットに呼び入れる。この動きを見てメルセデスのピットクルーも準備を始めたが、ハミルトンもボッタスも入ってこず、できるだけスピーディなピットストップに仕上げたいマクラーレンだったが、タイヤ交換にて間取り、リカルドはオコンの後方14番手の位置でコース復帰することになった。ただ、すぐにオコンを料理して14番手に上がったリカルドはフレッシュタイヤのアドバンテージを生かして猛プッシュし、ファステストラップを刻んで4秒ほど前にいたラッセルとのギャップを縮めていく。
ハミルトンとメルセデスが動いたのはレースが後半に入った直後の27周目だ。レッドブルも同時にフェルスタッペンのピットストップを実行しており、アストンマーティンもベッテルをピットに呼び入れている。
その間にもリカルドはラッセルをオーバーテイクしてポジションアップに成功していたが、ピットアウトしてきたハミルトンに先行を許してしまい、ピット作業の遅れが響いてしまった。ハードからミディアムに履き替えたフェルスタッペンはラッセルの後方、ベッテルはさらにオコン、ライコネン、ジョビナッツィを挟んで16番手の位置で第2スティントをスタートさせている。
2周後の29周目に入るタイミングでピットインしたノリスを、今度はスムーズなピット作業で送り出したマクラーレン。戻った位置は、まだスタートと同じタイヤを履き続けるペレス、アロンソ、ルクレールの後ろ4番手だ。5番手にいたガスリーも第1スティントを継続しており、アルファタウリマシンを抜きあぐねているサインツが実質的な2番手だが、すでにノリスとのギャップは7秒以上あった。
そのサインツをロックオンしたハミルトンがフレッシュタイヤを生かしてオーバーテイクし、続けてガスリーも料理した結果、ノリスから8秒ほどの5番手に上がって事実上の2番手につける。ハミルトン同様にタイヤ交換のタイミングを遅らせたリカルドやフェルスタッペンはタイヤ戦略の異なるガスリーとサインツに引っかかる形で思うようなペースを出せず。ガスリーが34周目にピットインすると、サインツのラップタイムが少し上がったものの、2秒以上速いペースで前進するハミルトンとは15秒以上の差が開いていた。
さらにハミルトンは長い第1スティントを走るルクレールをコース上で追い抜き、ノリスに4秒差の4番手に上がる。ルクレールはハミルトンに抜かれた直後にピットインし、ミディアムタイヤに交換、1秒前後の間隔で接近戦を繰り広げていた集団の中に飛び込む形で隊列復帰している。
ラップリーダーだったペレスとその後ろにいたアロンソが次のラップでピットに入り、後方集団にいたジョビナッツィも最初で最後のタイヤ交換を済ませて全車が第2スティントを開始した結果、見た目のオーダーが実際の順位とそろい、トップはノリス、ハミルトンが2.1秒差で追いかけ、19秒以上離れた3番手にサインツ、リカルド、ペレス、フェルスタッペン、アロンソ、ストロールが1秒前後のギャップで連なり、9番手のラッセルは前の集団から4秒以上離れた位置で10番手のオコンを含む5台を引き連れた。
フェルスタッペンは新しいタイヤに履き替えたばかりのアロンソにつかまって後退を喫し、アロンソの前を行くペレスは1分39秒台のペースで前方のリカルドに攻撃を仕掛けるも、リカルドの防御にあってなかなかサイド・バイ・サイドに持ち込めなかったが、残り8周を切って数周にわたる攻防戦に決着をつけ、4番手に上がっている。
トップ2ドライバーも接近戦を繰り広げ、ノリスとハミルトンは3番手以降より2秒ほど速いラップタイムを刻みながら、時折、ハミルトンがコンマ数秒差のDRSゾーンに入ることもあったが、近づきすぎるとマシンのパフォーマンスが落ちるようで、確実なチャンスを狙うしかない状況だ。
残り周回数が少なくなる中、グランドスタンドに詰めかけた観客が雨具を着始めた47周目、濡れた路面に足を取られたのか、ノリスがわずかにコースを飛び出してしまう。ただ、なんとか持ちこたえたノリスはハミルトンに追い抜きを許すことなくラップリーダーの座をキープした。
それでも、路面コンディションは悪化する一方で、中団グループを中心に多くのドライバーがピットに飛び込んでタイヤを雨天用に交換していく。
ノリスとハミルトンは3番手以降とのギャップが49秒以上あったため、粘ってドライタイヤの走行を続けていたが、メルセデスはハミルトンにピットインを指示、一度目はステイアウトを選んだハミルトンだが、50周目にインターミディエイトタイヤに履き替えた。マクラーレンもノリスにインターミディエイトへの交換を打診したものの、ノリス本人がそれを拒否。雨が止むと踏んだのか「このまま行かせてくれ」と主張したノリスだが、同様にドライタイヤでレースを続けるドライバーではベッテルがウオールにマシンをぶつけたり、ガスリーがストロールと接触したり、波乱の展開に見舞われている。
しかも実際には雨が強まってしまい、ドライタイヤで水しぶきの上がるコースを走ることになったノリスはコーナーを曲がりきれずにハーフスピンを喫し、ウオールとの接触こそ免れたものの、そのスキにハミルトンに追い抜かれてしまった。マシンをコースにとどめておくだけでも難しいコンディションとあって、スローペースでのピットインとなったノリスがインターミディエイトタイヤに履き替えてコース復帰したポジションは、なんと8番手。ピットインの直前にマシンのコントロールを乱してピットエントリーの白線を横切ってしまい、ペナルティの対象にもなっている。
雨が降るまでのレースがなかったかのような展開となったロシアGPはハミルトンがトップチェッカーを受け、53秒差で最後尾スタートのフェルスタッペンが2位、フロントローに並んだサインツが3位表彰台に上った。4位にリカルドが入り、ボッタスとアロンソに次いでノリスは7位でゴール、ライコネン、ペレス、ラッセルがトップ10フィニッシュを果たしてポイントを手に入れている。
11位以下、完走はストロール、ベッテル、ガスリー、オコン、ルクレール、ジョビナッツィ、角田、マゼピン(ハースF1)となり、ラティフィはチェッカーを受けずにマシンを止めて19位完走扱い、ハースF1のシューマッハはトラブルによりリタイアを喫した。
ホンダPU勢、最後尾スタートのフェルスタッペンが2位表彰台を獲得、ハミルトンにポイントで抜かれたもののその差2点と最大限の結果を引き出しましたが、ペレスはタイヤ戦略を誤り9位入賞、ガスリーは13番手、角田は17番手と良い結果を出せませんでした。
次戦トルコのイスタンブール・パーク・サーキットで頑張って欲しいですね!
初日は好天に恵まれたものの、グランプリ2日目は悪天候に見舞われ、土曜フリー走行が中止された後に実施された予選もウエットコンディションでスタートしたが、徐々に路面が乾いていく難しいコンディションとなり、Q3終盤にはドライタイヤが登場。早めにスリックタイヤに切り替える判断を下した陣営が2回以上のアタックラップのチャンスを得るなど、いつもとは異なる状況の中、マクラーレンのノリスが1分41秒993でラップをまとめ、キャリア初となるポールポジションを獲得した。2番手には元チームメイトで現在はフェラーリを駆るサインツが入り、最初にソフトタイヤを投入したウィリアムズのラッセルが3番手に食い込んでいる。
ソチ・オートドロームでは複数のドライバーがグリッド降格ペナルティを受けており、前戦のペナルティで3グリッド降格が決定していたレッドブルのマックス・フェルスタッペンはパワーユニット交換を決断し、予選はタイムを計測せずに20番手で終えた。フェラーリのルクレールも予選前に新しいエンジンコンポーネント投入を決めていたため、Q2に進んだ後はリスクを回避してアタックラップに臨んでいない。ウィリアムズのラティフィに加えて、予選7番手だったメルセデスのボッタスも新しいパワーユニットでレースに挑むことになった。さらに、ギアボックスを交換したのがアルファロメオ・レーシングのジョビナッツィだ。
カレンダーではスパ・フランコルシャンとシルバーストーンに続いて3番目に長い全長5.848kmを誇るソチ・オートドロームにて53周で争われた決勝レースは気温19.1℃、路面温度22℃、湿度60.9%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。予選がウエットコンディションだったため、レーススタートに装着するタイヤは全車が自由に選択でき、上位5グリッドに並んだドライバーたちはミディアムを選択、6番手スタートのアロンソ(アルピーヌ)と8番グリッドからスタートしたレッドブルのペレスがハードタイヤで決戦に挑んでいる。11番手以降もミディアムもしくはハードのコンパウンドを選び、ソフトを履いたドライバーはいない。ペナルティを受けたドライバー中で第1スティントにミディアムタイヤを選んだのはラティフィだけで、それ以外はハードタイヤをチョイスした。
注目の蹴り出しはノリスが好発進を決めるも、ターン2ではブレーキングポイントを遅らせたと見られるサインツがややロックアップしながらもノリスの前に出て先頭に浮上し、複数台が団子状態でコーナーに進入した結果、アロンソがコースを飛び出してしまったが、無事にコース復帰を果たしている。オープニングラップを終えてサインツがトップをキープし、ノリスとラッセルに次いでストロール(アストンマーティン)が4番手にポジションを上げ、スタート位置を維持したリカルド(マクラーレン)の後ろにハミルトン(メルセデス)、アロンソ、ペレス(レッドブル)、オコン(アルピーヌ)、アルファロメオ・レーシングのライコネンが10番手に上がっていた。
後方スタートの面々はルクレールが12番手まで大きく回復し、ひとつ順位を上げたボッタスの真後ろにはフェルスタッペンがピタリとつけている。アルファタウリの角田裕毅はスタート直後の混雑でポジションを失い、12番手から19番手に後退してしまった。
快調に飛ばすサインツに1.5秒ほどのギャップでノリスが続き、3番手をキープするラッセルは2人より1秒ほどペースが遅く、後方のドライバーたちがコンマ数秒差の隊列を組んだ状態で追い抜きのチャンスを狙っていくも、ラッセルも懸命にマシンをプッシュしており、簡単には道を譲らない。
至るところでバトルが繰り広げられる中、7周目にはフェルスタッペンがボッタスに対するオーバーテイクを成功させて14番手に上がり、続けて目の前にいたガスリー(アルファタウリ)に狙いを定める。かつての相棒も追い抜いたフェルスタッペンは次のラップにはルクレールをも料理して12番手に浮上、12周目に4番手を走っていたストロールが最初のピットストップに向かって15番手の位置でコース復帰した結果、フェルスタッペンは11番手とポイント圏内まであとひとつのところに迫った。
数周にわたってオーダーが動かず、しばらく安定していくかと思われたレースは13周目にノリスがサインツに仕掛けてリードを奪うと、そのラップ終わりに3番手にいたラッセルがタイヤ交換に向かったほか、リードを明け渡したサインツもピットストップのタイミングを迎えてタイムシートが目まぐるしく変わっていく。
マクラーレンはノリスとリカルドをステイアウトさせて1-2態勢を築き、2番手に上がる格好となったリカルドのコンマ数秒後方にいたハミルトンもコースにとどまったが、簡単にはリカルドを追い抜けない状況を考えると、アンダーカットを狙う戦略の方が良いようにも思われた。特に、この時点で4番手以降に並んでいたのはスタートにハードタイヤを選んだドライバーたちが大半で、ペレスとアロンソを挟んで6番手にはフェルスタッペンが迫ってきており、ハミルトンとフェルスタッペンのギャップは18周目に入った時点で6秒弱しかなかった。
先頭のノリスが1分40秒後半のペースで周回を重ねる一方、それより1秒ほど遅いラップタイムのリカルドに付き合う格好のハミルトンは徐々にノリスとの差が開くのに加えて後続勢のプレッシャーにも対応しなければならず、難しいレースが続く。
マクラーレンが動いたのは23周目。まずはリカルドをピットに呼び入れる。この動きを見てメルセデスのピットクルーも準備を始めたが、ハミルトンもボッタスも入ってこず、できるだけスピーディなピットストップに仕上げたいマクラーレンだったが、タイヤ交換にて間取り、リカルドはオコンの後方14番手の位置でコース復帰することになった。ただ、すぐにオコンを料理して14番手に上がったリカルドはフレッシュタイヤのアドバンテージを生かして猛プッシュし、ファステストラップを刻んで4秒ほど前にいたラッセルとのギャップを縮めていく。
ハミルトンとメルセデスが動いたのはレースが後半に入った直後の27周目だ。レッドブルも同時にフェルスタッペンのピットストップを実行しており、アストンマーティンもベッテルをピットに呼び入れている。
その間にもリカルドはラッセルをオーバーテイクしてポジションアップに成功していたが、ピットアウトしてきたハミルトンに先行を許してしまい、ピット作業の遅れが響いてしまった。ハードからミディアムに履き替えたフェルスタッペンはラッセルの後方、ベッテルはさらにオコン、ライコネン、ジョビナッツィを挟んで16番手の位置で第2スティントをスタートさせている。
2周後の29周目に入るタイミングでピットインしたノリスを、今度はスムーズなピット作業で送り出したマクラーレン。戻った位置は、まだスタートと同じタイヤを履き続けるペレス、アロンソ、ルクレールの後ろ4番手だ。5番手にいたガスリーも第1スティントを継続しており、アルファタウリマシンを抜きあぐねているサインツが実質的な2番手だが、すでにノリスとのギャップは7秒以上あった。
そのサインツをロックオンしたハミルトンがフレッシュタイヤを生かしてオーバーテイクし、続けてガスリーも料理した結果、ノリスから8秒ほどの5番手に上がって事実上の2番手につける。ハミルトン同様にタイヤ交換のタイミングを遅らせたリカルドやフェルスタッペンはタイヤ戦略の異なるガスリーとサインツに引っかかる形で思うようなペースを出せず。ガスリーが34周目にピットインすると、サインツのラップタイムが少し上がったものの、2秒以上速いペースで前進するハミルトンとは15秒以上の差が開いていた。
さらにハミルトンは長い第1スティントを走るルクレールをコース上で追い抜き、ノリスに4秒差の4番手に上がる。ルクレールはハミルトンに抜かれた直後にピットインし、ミディアムタイヤに交換、1秒前後の間隔で接近戦を繰り広げていた集団の中に飛び込む形で隊列復帰している。
ラップリーダーだったペレスとその後ろにいたアロンソが次のラップでピットに入り、後方集団にいたジョビナッツィも最初で最後のタイヤ交換を済ませて全車が第2スティントを開始した結果、見た目のオーダーが実際の順位とそろい、トップはノリス、ハミルトンが2.1秒差で追いかけ、19秒以上離れた3番手にサインツ、リカルド、ペレス、フェルスタッペン、アロンソ、ストロールが1秒前後のギャップで連なり、9番手のラッセルは前の集団から4秒以上離れた位置で10番手のオコンを含む5台を引き連れた。
フェルスタッペンは新しいタイヤに履き替えたばかりのアロンソにつかまって後退を喫し、アロンソの前を行くペレスは1分39秒台のペースで前方のリカルドに攻撃を仕掛けるも、リカルドの防御にあってなかなかサイド・バイ・サイドに持ち込めなかったが、残り8周を切って数周にわたる攻防戦に決着をつけ、4番手に上がっている。
トップ2ドライバーも接近戦を繰り広げ、ノリスとハミルトンは3番手以降より2秒ほど速いラップタイムを刻みながら、時折、ハミルトンがコンマ数秒差のDRSゾーンに入ることもあったが、近づきすぎるとマシンのパフォーマンスが落ちるようで、確実なチャンスを狙うしかない状況だ。
残り周回数が少なくなる中、グランドスタンドに詰めかけた観客が雨具を着始めた47周目、濡れた路面に足を取られたのか、ノリスがわずかにコースを飛び出してしまう。ただ、なんとか持ちこたえたノリスはハミルトンに追い抜きを許すことなくラップリーダーの座をキープした。
それでも、路面コンディションは悪化する一方で、中団グループを中心に多くのドライバーがピットに飛び込んでタイヤを雨天用に交換していく。
ノリスとハミルトンは3番手以降とのギャップが49秒以上あったため、粘ってドライタイヤの走行を続けていたが、メルセデスはハミルトンにピットインを指示、一度目はステイアウトを選んだハミルトンだが、50周目にインターミディエイトタイヤに履き替えた。マクラーレンもノリスにインターミディエイトへの交換を打診したものの、ノリス本人がそれを拒否。雨が止むと踏んだのか「このまま行かせてくれ」と主張したノリスだが、同様にドライタイヤでレースを続けるドライバーではベッテルがウオールにマシンをぶつけたり、ガスリーがストロールと接触したり、波乱の展開に見舞われている。
しかも実際には雨が強まってしまい、ドライタイヤで水しぶきの上がるコースを走ることになったノリスはコーナーを曲がりきれずにハーフスピンを喫し、ウオールとの接触こそ免れたものの、そのスキにハミルトンに追い抜かれてしまった。マシンをコースにとどめておくだけでも難しいコンディションとあって、スローペースでのピットインとなったノリスがインターミディエイトタイヤに履き替えてコース復帰したポジションは、なんと8番手。ピットインの直前にマシンのコントロールを乱してピットエントリーの白線を横切ってしまい、ペナルティの対象にもなっている。
雨が降るまでのレースがなかったかのような展開となったロシアGPはハミルトンがトップチェッカーを受け、53秒差で最後尾スタートのフェルスタッペンが2位、フロントローに並んだサインツが3位表彰台に上った。4位にリカルドが入り、ボッタスとアロンソに次いでノリスは7位でゴール、ライコネン、ペレス、ラッセルがトップ10フィニッシュを果たしてポイントを手に入れている。
11位以下、完走はストロール、ベッテル、ガスリー、オコン、ルクレール、ジョビナッツィ、角田、マゼピン(ハースF1)となり、ラティフィはチェッカーを受けずにマシンを止めて19位完走扱い、ハースF1のシューマッハはトラブルによりリタイアを喫した。
ホンダPU勢、最後尾スタートのフェルスタッペンが2位表彰台を獲得、ハミルトンにポイントで抜かれたもののその差2点と最大限の結果を引き出しましたが、ペレスはタイヤ戦略を誤り9位入賞、ガスリーは13番手、角田は17番手と良い結果を出せませんでした。
次戦トルコのイスタンブール・パーク・サーキットで頑張って欲しいですね!