これまでの6月から4月に開催時期を移したバクー市街地サーキットにて29日(日)、2018年FIA F1世界選手権第4戦アゼルバイジャンGP決勝が行われ、序盤からチェッカー目前まで波乱が相次いだレースをメルセデスのハミルトンが制して今季初優勝を遂げた。
今年のバクーにはソフト、スーパーソフト、ウルトラソフトのドライタイヤ3種類が持ち込まれ、タイヤサプライヤーであるピレリは決勝用としてソフトとスーパーソフトを1セットずつ確保するよう指定している。
土曜日に実施された予選ではフェラーリのベッテルが3戦連続でのポールポジション獲得を達成。前戦からの不調を脱しつつある様子のハミルトンがフロントローを確保し、3番手に相棒のボッタスが並んだ。
予選9番手だったルノーのヒュルケンベルグは予定外のギアボックス交換を強いられており、5グリッド降格処分を受けて14番グリッドに後退。予選10番手から14番手だったドライバーのスタート位置がひとつずつ繰り上がった。また、予選Q1でトラブルに見舞われてノータイムだったグロージャン(ハースF1}と、107%ルールを満たせずに19番手に終わったトロ・ロッソのハートレーはスチュワードの判断でレース出走が認められている。グロージャンはギアボックスを新品に載せ替えてグリッドに並んだが、最後尾スタートのため、他者への影響はない。
バクーの旧市街地を含む1周6.003kmのストリートコースを舞台に、決勝レースは51周で争われた。曇り空の下、気温17℃、路面温度27℃、湿度46%のドライコンディションでレーススタート時刻を迎える。
シグナル消灯と同時に各車が一斉にグリッドを離れたが、前方の集団、中団、後方と複数箇所でインシデントが発生し、オープニングラップからセーフティカーが出動する事態に。
ターン1ではウィリアムズのシロトキンを含む数台が接近し、接触したと見られるいずれかのマシンからはパーツが飛んでいた。インシデントに遭いながらもレースを続けていたシロトキンはヒュルケンベルグとマクラーレンのアロンソに挟まれる格好で両者とぶつかり、結局、マシンを止めるに至っている。
さらにフォース・インディアのオコンに先行を許したフェラーリのライコネンがポジションを取り戻そうとコーナーでインを突いたところ、フォース・インディアマシンのサイドに突っ込む格好となり、接触されたオコンはウオールにぶつかってリタイアを強いられた。
スタート直後のインシデントを受けてセーフティカーが導入される中、マシンにダメージを負ったライコネンは緊急ピットインでノーズとタイヤを交換し、隊列に戻っている。ソフトコンパウンドを選び、チェッカーまで走り切る戦法に切り替えた。
シロトキンと接触したアロンソもタイヤを傷めてラバーを失いながら何とかピットにたどり着き、ノーズとタイヤを新しくしてコースに戻る。右側のタイヤをどちらも失っていたアロンソはフロアなどにも損傷があったと見られるが、マクラーレンはリタイアさせずにアロンソを送り出している。
セーフティカーは5周目の終わりに解除され、リスタートに先だってハミルトンを牽制するようにマシンを操ってタイヤに熱を入れていたベッテルがリードを維持。ハミルトンは2番手のままレースを再開している。その後方ではレッドブル勢が接近戦を繰り広げ、リカルドがフェルスタッペンにポジションを譲ってしまった。リカルドはさらにルノーのサインツにも追い抜かれている。
その後、ペースの上がらないレッドブルに対してルノーが攻撃を仕掛け、サインツがフェルスタッペンを、ヒュルケンベルグがリカルドをオーバーテイクした。ヒュルケンベルグはフェルスタッペンをも料理してルノーが4番手と5番手に並んだが、11周目に左リアをウオールにぶつけてしまい、パンクチャーを抱えて戦線離脱。好調だっただけに悔しいリタイアとなってしまった。
序盤こそオーバーテイクを披露して沸かせたルノーだったが、レッドブル勢と違い、ウルトラソフトタイヤでスタートしたサインツは徐々にペースダウンを喫し、16周目にフェルスタッペンにオーバーテイクされた直後、ピットに戻ってタイヤを交換することに。第2スティントに選んだのはソフトタイヤだ。
スーパーソフトを履いていたハミルトンも22周目に入ったところで「タイヤがもう残っていない!」と訴えてピットを目指す。直前にはファステストラップを刻んでいたが、ギリギリの状態が続いていたようでタイヤスモークを上げるシーンも目立っていた。ハミルトンはソフトタイヤを選んで3番手の位置で隊列に復帰している。
すぐにはペースの上がらないハミルトンにイラつく様子を見せたフェルスタッペンだが、真後ろに控えていたリカルドからプレッシャーを受け、再びサイド・バイ・サイドの激しいバトルを繰り広げる。ペースはリカルドの方が良かったものの、2人に競争を許可するレッドブルは対決の様子を静かに見守った。
レッドブルがコンマ数秒差の激闘を展開する中、先頭を走っていたベッテルは30周を走り切るタイミングでタイヤ交換に向かい、ソフトタイヤに履き替えてコース復帰。この時点でハミルトンに対するリードは8秒だ。
ボッタスとレッドブル勢はそこからさらにしばらく引っ張り、フェルスタッペンとのコース上での勝負を制したリカルドが38周目にピットストップしてタイヤをウルトラソフトに履き替えた。次のラップにはフェルスタッペンもウルトラソフトタイヤに交換したが、リカルドはアウトラップでペースが上がらず、コースに戻ってきたフェルスタッペンに再び先行を許している。
またしてもチームメイト対決となったレッドブル陣営を悪夢が襲ったのは40周目。ホームストレートでリカルドがオーバーテイクを仕掛けたところ、ポジションを守ろうとしたフェルスタッペンが左右にマシンを振って防御し、ターン1手前でインサイドに入ったリカルドはブレーキングのタイミングで行き場をなくしてフェルスタッペンに衝突。リアに乗り上げる形でぶつかってしまい、2台は高速状態でターン1のエスケープゾーンに突っ込んだ。ウオールとの衝突は免れたものの、レッドブルのレースはここで終了。ドライバー2人にケガはない。
セーフティカーが導入されて隊列を整える中、冷えたタイヤでバランスを崩したハースF1のグロージャンがウオールにぶつかってクラッシュを喫してしまう。これでセーフティカーピリオドが延長され、再スタートを迎えたのは48周目に入るタイミングだった。
先頭のボッタスは早めに加速してポジションを守る作戦を敢行し、ターン1に向けてベッテルが距離を詰めてオーバーテイクを試みるが、ハードブレーキングでタイヤをロックアップしてしまい、オーバーランを喫して逆にポジションを失う。ハミルトンに前に出られた上、チームメイトのライコネンにも抜かれてしまった。
ただ、ドラマはここで終わらない。
順調にペースを上げていたはずのボッタスが突然、右リアタイヤのバーストに見舞われたのだ。コース上に落ちていたデブリを踏み、本人にはどうすることもできぬままマシンを止めることになった。
これでラップリーダーに躍り出たハミルトンはライコネンを従えて残り3周に挑み、ベッテルを追い抜いて3番手に上がったペレスも表彰台を目指して最後のプッシュに集中する。
結果、ハミルトンが今年初勝利を達成し、ライコネンが2位、ペレスが3位で表彰台に上った。4位以下、ベッテル、サインツ、ルクレール(ザウバー)、アロンソ、ストロール(ウィリアムズ)、バンドールン(マクラーレン)、そしてハートレーが10位でポイントを獲得している。
トロ・ロッソ・ホンダのハートレーは10位で1ポイント獲得、ガスリーはマグヌッセンとのインシデントでマシンが壊れてしまいましたが、何とか13位完走という結果となりました。
次戦はいよいよヨーロッパラウンド幕開けのスペインGP、楽しみです。
今年のバクーにはソフト、スーパーソフト、ウルトラソフトのドライタイヤ3種類が持ち込まれ、タイヤサプライヤーであるピレリは決勝用としてソフトとスーパーソフトを1セットずつ確保するよう指定している。
土曜日に実施された予選ではフェラーリのベッテルが3戦連続でのポールポジション獲得を達成。前戦からの不調を脱しつつある様子のハミルトンがフロントローを確保し、3番手に相棒のボッタスが並んだ。
予選9番手だったルノーのヒュルケンベルグは予定外のギアボックス交換を強いられており、5グリッド降格処分を受けて14番グリッドに後退。予選10番手から14番手だったドライバーのスタート位置がひとつずつ繰り上がった。また、予選Q1でトラブルに見舞われてノータイムだったグロージャン(ハースF1}と、107%ルールを満たせずに19番手に終わったトロ・ロッソのハートレーはスチュワードの判断でレース出走が認められている。グロージャンはギアボックスを新品に載せ替えてグリッドに並んだが、最後尾スタートのため、他者への影響はない。
バクーの旧市街地を含む1周6.003kmのストリートコースを舞台に、決勝レースは51周で争われた。曇り空の下、気温17℃、路面温度27℃、湿度46%のドライコンディションでレーススタート時刻を迎える。
シグナル消灯と同時に各車が一斉にグリッドを離れたが、前方の集団、中団、後方と複数箇所でインシデントが発生し、オープニングラップからセーフティカーが出動する事態に。
ターン1ではウィリアムズのシロトキンを含む数台が接近し、接触したと見られるいずれかのマシンからはパーツが飛んでいた。インシデントに遭いながらもレースを続けていたシロトキンはヒュルケンベルグとマクラーレンのアロンソに挟まれる格好で両者とぶつかり、結局、マシンを止めるに至っている。
さらにフォース・インディアのオコンに先行を許したフェラーリのライコネンがポジションを取り戻そうとコーナーでインを突いたところ、フォース・インディアマシンのサイドに突っ込む格好となり、接触されたオコンはウオールにぶつかってリタイアを強いられた。
スタート直後のインシデントを受けてセーフティカーが導入される中、マシンにダメージを負ったライコネンは緊急ピットインでノーズとタイヤを交換し、隊列に戻っている。ソフトコンパウンドを選び、チェッカーまで走り切る戦法に切り替えた。
シロトキンと接触したアロンソもタイヤを傷めてラバーを失いながら何とかピットにたどり着き、ノーズとタイヤを新しくしてコースに戻る。右側のタイヤをどちらも失っていたアロンソはフロアなどにも損傷があったと見られるが、マクラーレンはリタイアさせずにアロンソを送り出している。
セーフティカーは5周目の終わりに解除され、リスタートに先だってハミルトンを牽制するようにマシンを操ってタイヤに熱を入れていたベッテルがリードを維持。ハミルトンは2番手のままレースを再開している。その後方ではレッドブル勢が接近戦を繰り広げ、リカルドがフェルスタッペンにポジションを譲ってしまった。リカルドはさらにルノーのサインツにも追い抜かれている。
その後、ペースの上がらないレッドブルに対してルノーが攻撃を仕掛け、サインツがフェルスタッペンを、ヒュルケンベルグがリカルドをオーバーテイクした。ヒュルケンベルグはフェルスタッペンをも料理してルノーが4番手と5番手に並んだが、11周目に左リアをウオールにぶつけてしまい、パンクチャーを抱えて戦線離脱。好調だっただけに悔しいリタイアとなってしまった。
序盤こそオーバーテイクを披露して沸かせたルノーだったが、レッドブル勢と違い、ウルトラソフトタイヤでスタートしたサインツは徐々にペースダウンを喫し、16周目にフェルスタッペンにオーバーテイクされた直後、ピットに戻ってタイヤを交換することに。第2スティントに選んだのはソフトタイヤだ。
スーパーソフトを履いていたハミルトンも22周目に入ったところで「タイヤがもう残っていない!」と訴えてピットを目指す。直前にはファステストラップを刻んでいたが、ギリギリの状態が続いていたようでタイヤスモークを上げるシーンも目立っていた。ハミルトンはソフトタイヤを選んで3番手の位置で隊列に復帰している。
すぐにはペースの上がらないハミルトンにイラつく様子を見せたフェルスタッペンだが、真後ろに控えていたリカルドからプレッシャーを受け、再びサイド・バイ・サイドの激しいバトルを繰り広げる。ペースはリカルドの方が良かったものの、2人に競争を許可するレッドブルは対決の様子を静かに見守った。
レッドブルがコンマ数秒差の激闘を展開する中、先頭を走っていたベッテルは30周を走り切るタイミングでタイヤ交換に向かい、ソフトタイヤに履き替えてコース復帰。この時点でハミルトンに対するリードは8秒だ。
ボッタスとレッドブル勢はそこからさらにしばらく引っ張り、フェルスタッペンとのコース上での勝負を制したリカルドが38周目にピットストップしてタイヤをウルトラソフトに履き替えた。次のラップにはフェルスタッペンもウルトラソフトタイヤに交換したが、リカルドはアウトラップでペースが上がらず、コースに戻ってきたフェルスタッペンに再び先行を許している。
またしてもチームメイト対決となったレッドブル陣営を悪夢が襲ったのは40周目。ホームストレートでリカルドがオーバーテイクを仕掛けたところ、ポジションを守ろうとしたフェルスタッペンが左右にマシンを振って防御し、ターン1手前でインサイドに入ったリカルドはブレーキングのタイミングで行き場をなくしてフェルスタッペンに衝突。リアに乗り上げる形でぶつかってしまい、2台は高速状態でターン1のエスケープゾーンに突っ込んだ。ウオールとの衝突は免れたものの、レッドブルのレースはここで終了。ドライバー2人にケガはない。
セーフティカーが導入されて隊列を整える中、冷えたタイヤでバランスを崩したハースF1のグロージャンがウオールにぶつかってクラッシュを喫してしまう。これでセーフティカーピリオドが延長され、再スタートを迎えたのは48周目に入るタイミングだった。
先頭のボッタスは早めに加速してポジションを守る作戦を敢行し、ターン1に向けてベッテルが距離を詰めてオーバーテイクを試みるが、ハードブレーキングでタイヤをロックアップしてしまい、オーバーランを喫して逆にポジションを失う。ハミルトンに前に出られた上、チームメイトのライコネンにも抜かれてしまった。
ただ、ドラマはここで終わらない。
順調にペースを上げていたはずのボッタスが突然、右リアタイヤのバーストに見舞われたのだ。コース上に落ちていたデブリを踏み、本人にはどうすることもできぬままマシンを止めることになった。
これでラップリーダーに躍り出たハミルトンはライコネンを従えて残り3周に挑み、ベッテルを追い抜いて3番手に上がったペレスも表彰台を目指して最後のプッシュに集中する。
結果、ハミルトンが今年初勝利を達成し、ライコネンが2位、ペレスが3位で表彰台に上った。4位以下、ベッテル、サインツ、ルクレール(ザウバー)、アロンソ、ストロール(ウィリアムズ)、バンドールン(マクラーレン)、そしてハートレーが10位でポイントを獲得している。
トロ・ロッソ・ホンダのハートレーは10位で1ポイント獲得、ガスリーはマグヌッセンとのインシデントでマシンが壊れてしまいましたが、何とか13位完走という結果となりました。
次戦はいよいよヨーロッパラウンド幕開けのスペインGP、楽しみです。