1997年に心筋梗塞を患い、2006年までEDだった私。
2007年にある漢方に出会い、37歳差の彼女をゲット。
27日(日)、レッドブル・リンクを舞台に開催されたシーズン第8戦シュタイアーマルクGP決勝レースはレッドブルのフェルスタッペンが安定の走りでポール・トゥ・ウインを飾った。
例年、大接戦が繰り広げられるレッドブル・リンクの予選は下馬評通りにレッドブルとメルセデスを中心に100分の数秒が競われるも、ポールポジションを争うQ3ではチームの母国グランプリに挑むフェルスタッペンが1分03秒841をたたき出し、ライバルたちを引き離す格好で一番時計を刻んでいる。2番手には0.194秒差でボッタス(メルセデス)がつけたが、初日のフリー走行中にピットレーンでスピンを喫したインシデントが危険行為と見なされ、3グリッド降格処分を受けていたため、決勝レースは5番手スタートを強いられた。予選3番手だった僚友ハミルトンがフロントローに繰り上がり、チャンピオンシップライバルでもあるフェルスタッペンとのスタート勝負に挑んでいる。
また、予選Q3でボッタスの走行を妨害する格好となった角田(アルファタウリ)が3グリッド降格ペナルティを科されて11番グリッドに後退。キャリア2度目のQ3進出を果たしたにもかかわらず、トップ10圏外からのスタートとなる角田だが、オーバーテイク機会のあるコースで巻き返しを図った。
ピレリはレッドブル・リンクで行われる2連戦の初週にあたるシュタイアーマルクGPにC2からC4のドライタイヤを用意しており、フェルスタッペンとハミルトン――スタート位置が後退したもののボッタスも――は予選Q2のベストタイムをミディアムタイヤで記録、2列目に並ぶマクラーレンのノリスとレッドブルのペレスはソフトを履いて第1スティントを走るため、蹴り出しの攻防戦に注目が集まった。
全長4.318kmを誇るレッドブル・リンクは10個しかないコーナー数の少なさも相まって、カレンダーの中でも1周のラップタイムが速いコース。決勝レースは71周で争われ、雨予報もあったものの、青空が見える中、気温26.5℃、路面温度53.3℃、湿度33.2%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。角田のペナルティによって10番手スタートに繰り上がったウィリアムズのラッセルは新品のミディアムタイヤを選び、それ以外の後続勢もほとんどがミディアムタイヤを履いていたが、18番グリッドに並ぶアルファロメオ・レーシングのライコネンだけはハードタイヤで第1スティントに臨んでいる。
注目の蹴り出しはフェルスタッペンがうまくハミルトンの前に出てターン1を通過し、ハミルトンの後方ではノリスとペレスがサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げ、一度はペレスが先行するもノリスがすぐさまポジションを取り戻す。激戦区の中団グループではフェラーリのルクレールとアルファタウリのガスリーが大きくポジションを落としており、リプレー映像で確認すると、2人はターン1でわずかに接触したあと、2度目の接触でガスリーの左リアとルクレールの右フロントノーズがぶつかっており、走行自体は続けられたものの、ルクレールはフロントウイングにダメージを受け、ガスリーは左リアタイヤにパンクチャーを抱えた様子。ペースが落ちたガスリーは後続車に挟み撃ちされる格好となり、ターン3で左側にいたジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)と右側にいたラティフィ(ウィリアムズ)とも交錯していた。
この影響でスピンを喫したジョビナッツィはピットに戻ることなくステイアウトしたものの、ルクレール、ラティフィ、ガスリーは緊急ピットインを強いられ、ルクレールはノーズとタイヤを交換して隊列に戻り、ラティフィもタイヤをミディアムからソフトに変えてピットアウトしたが、左リアに激しいダメージを抱えていたガスリーはレースを続けられず、マシンをガレージに入れて無念のリタイアを喫している。
5周目に入って先頭集団のオーダーに大きな変化はなく、フェルスタッペンを先頭にハミルトン、ノリス、ペレス、ボッタスが5番手をキープし、ガスリーやルクレールが離脱した中団グループは6番手にストロール(アストンマーティン)がつけ、アロンソ(アルピーヌ)、ラッセル、リカルド(マクラーレン)、角田が入賞圏内に入っていた。
しかしながら、リカルドが突然のペースダウンで次々にポジションを明け渡し、13番手まで後退してしまう。相棒のノリスもペースが芳しくなく、10周目に入った直後にペレスにかわされ、ボッタスにもオーバーテイクを許して5番手に下がっている。リカルドは無線で「パワーがない。もっとパワーが必要」と訴えており、何かトラブルに見舞われている様子をうかがわせた。
フェルスタッペンはハミルトンに4秒近いリードを築き、ハミルトンとペレスの間には12秒以上のギャップ、ボッタスがペレスの3.4秒後方に控える形でレースは進み、5番手に後退したノリスは前のボッタスから5.5秒の位置でレースを続けるが、ラップタイムはトップ4に比べて1秒以上遅かった。それでも、6番手以降のペースは上回っており、前とのギャップは開くものの、後続車の追い上げはない状況だ。
ノリスのレースを幾分楽にしていたのは6番手以下の隊列の先頭に立っていたストロールの存在がある。思うようにペースが上がらないようで、2秒弱の差でアロンソが控え、真後ろにはラッセル、角田、サインツ、ベッテル、ライコネンが1秒以下のギャップで連なっており、さらにリカルド、オコン(アルピーヌ)、ジョビナッツィも1秒前後の間隔しかなく、20周目に入る頃にはオープニングラップでハードタイヤに交換したルクレールが合流する。
11台が接近戦を繰り広げたその後方ではハースF1の2台がチームメイト対決を披露。ミックがマゼピンのインを突いてオーバーテイクを試みるも、危うく接触しかける冷や汗の展開に。ハースF1はマゼピンにピットストップを指示し、前が開けたミックは追いついてきた先頭集団に道を譲りながらもマイペースにマシンをプッシュしていった。
ルクレールに追い抜かれて16番手を走っていたジョビナッツィがピットに飛び込んだのは24周目。ミディアムからハードタイヤに履き替え、ハースF1勢の間の位置でコースに戻っている。その頃、コース上ではルクレールがオコンを料理して14番手に上がり、続いてリカルドをターゲットに攻撃のチャンスを狙っていた。
ジョビナッツィに次いで中団グループで動きを見せたのはウィリアムズだ。ラッセルをピットに呼び入れ、こちらもミディアムからハードに交換したが、サイドポッド周辺でクルーが作業しており、18.3秒という長いピットストップになった。どうやらサイドポッドに入り込んでいたデブリを除去していたようで、なんとか作業を完了してコースに送り出したとはいえ、入賞圏内には程遠い17番手にまで後退している。
ピットレーンの後方ではレッドブルもペレスのタイヤ交換を完了したが、こちらも4.8秒とスローストップを喫してしまい、直後にピットインしたボッタスがハードタイヤを履いてコースに戻る頃にはペレスの前に出ており、オーバーカットを許してしまう。左リアタイヤの交換に手間取ったようで、ピットアウトを見守った担当クルーは天を仰いで悔しさをにじませていた。その他、中団グループの面々もピットストップを終えて隊列に復帰し、ハミルトンがピットに入った次の30周目にはラップリーダーのフェルスタッペンもハードタイヤに切り替えている。
ソフトタイヤでスタートしたドライバーの中で最後にピットインしたノリスは32周目にハードタイヤに交換し、まだ第1スティントを継続するドライバーの間でコース復帰した。フェルスタッペン、ハミルトン、ボッタス、ペレスのオーダーに変わったトップ4に次ぐ5番手にはサインツがつけ、ノリスを挟んでライコネン、リカルドと続くが、ノリスの前後3人がスタートと同じタイヤを履き続けている面々だ。サインツとノリスの間には10秒ほどのギャップがあり、マクラーレンとしてはノリスが本来のペースで走れる位置につけられたと言えるだろう。
スタートで唯一、ハードタイヤを選んだライコネンは7番手の位置から38周目にピットに入り、ミディアムに履き替えてコース復帰、チームメイトのジョビナッツィの後方14番手で第2スティントをスタートさせた。その後、フェラーリのピットに動きがあり、ステイアウトするサインツが入ってくるかと思われたが、ルクレールが2回目のピットストップに臨んで新しいミディアムタイヤを装着している。同じタイミングでピットに向かったラッセルはリアからマシンをガレージに入れて戦線離脱。デブリを拾った影響か、レースを続けられない状態に陥ってしまったようだ。
サインツとリカルドはともに42周目に最初で最後のピットストップを終えており、2人ともハードタイヤに交換したものの、戻った位置はサインツが7番手に対してリカルドは15番手だ。ピットストップ前はサインツが5番手、リカルドが8番手だったが、ストロール以下が団子状態とあってリカルドはその行列の最後尾につけることになってしまった。サインツはストロールの前でコース復帰したかったはずだが、わずかにおよばず、第2スティントの序盤は本来のペースを発揮できなかったものの、3周でオーバーテイクを成功させて6番手に上がっている。
ラップリーダーを維持するフェルスタッペンは6秒以上のリードを築いてペースをコントロールしており、ハミルトンはフェルスタッペンよりもコンマ数秒遅いペースながら1分08秒台を刻んで懸命にマシンをプッシュしたものの、逆転につなげられるパフォーマンスを見いだせず、「どうすればいい。ギャップは縮まらないし、開いていく」と嘆くシーンもあった。僚友に23秒以上の後れを取ったボッタスは1.5秒後方にペレスを抱える状態が続き、ラップタイムは上位2人より0.5秒ほど遅かった。
ペレスから34秒以上離れた位置をノリスが走り、そこから12秒ほど後ろにサインツが控えたレース終盤、7番手のストロールを追い抜けずにいたアロンソや角田の後方にルクレールが迫ってくる。ルクレールはアルファロメオ・レーシングの2台をオーバーテイクした後、ベッテルも料理して10番手に上がっており、急きょとはいえ2ストップ戦略になったことを最大に生かして追い抜きを連発していた。一度は角田に攻撃を仕掛けるも、うまく防御されて仕切り直し。2度目のチャレンジで成功させたルクレールは前のアロンソをロックオンすると、今度は早々と追い抜いて8番手にポジションを上げている。
一方、ボッタスとの差を縮めながらもDRSゾーンには食い込めずにいたペレスの状況を踏まえ、レッドブルがペレスをピットに呼び入れ、新しいミディアムタイヤを履かせてコースに送り出す。後続とのギャップが大きく開いていたことからフリーストップが可能とあって、ファステストラップの1点をもぎ取りに行く姿勢を見せた。フレッシュタイヤを履いたペレスはボッタスの15秒ほど後ろでコースに戻ったが、ラップタイムは1秒近く速く、その差は徐々に縮まっていき、終了直前の逆転劇を予感させる走りを披露する。
1分07秒894のファステストラップを刻んだペレスは残り5周を迎えてボッタスとの差を7秒強に短縮し、1秒以上速いペースで追い上げていったものの、紙の上ではボッタスを上回るには数周足りない状況だった。
フェルスタッペンとの勝負を断念したメルセデスは70周目に入るタイミングでハミルトンをピットに呼び入れ、ユーズドのソフトタイヤを履かせてコースに送り出す。接戦の今年は1点でも多く手に入れることが重要であるため、ファステストラップを更新しようと動いたようだ。
フェルスタッペンがトップチェッカーを受けた後、1分07秒058のファステストラップを刻んだハミルトンが2位でゴールし、ペレスの猛追を振り切ったボッタスが3位で表彰台に上っている。ペレスは0.527秒足りずに4位にとどまり、5位にノリス、サインツ、ルクレール、ストロール、アロンソ、角田が10位に入ってポイントを獲得した。
終盤にベッテルを追い抜いてポジションを上げたライコネンが11位、以下、ベッテル、リカルド、オコン、ジョビナッツィ、ミック、ラティフィ、マゼピンが完走を果たしている。
ホンダPU勢のフェルスタッペンが4連勝、ペレスが4番手、角田が10位ポイント獲得、ガスリーは残念ながらリタイヤとなりましたが、次戦レッドブルリンクでの第9戦オーストリアGPには、フェルスタッペンの5連勝、ホンダPU勢の表彰台独占を見てみたいですね!
26日(土)、オーストリアのシュピールベルクにあるレッドブル・リンクを舞台にシーズン第8戦シュタイアーマルクGP予選が実施され、レッドブルのフェルスタッペンがポールポジションを獲得した。
レッドブルのお膝元のコースでは初日に行われた2回のフリー走行を通してフェルスタッペンがトップに立つも、予選直前の土曜フリー走行は初日から微調整を加え、ラップをうまくまとめてきたメルセデスのルイス・ハミルトンが0.2秒のリードを築いて最速タイムを記録。全長4.318kmのショートコースで繰り広げられる接近戦に期待が高まっていた。
レッドブルのマックス・フェルスタッペン【シュタイアーマルクGP/シュピールベルク、2021年6月26日(Getty Images / Red Bull Content Pool)】
決勝レースのスタート位置を決める予選は気温25℃、路面温度55℃、湿度29.5%のドライコンディションでQ1が始まり、ソフトタイヤを履いたウィリアムズのラティフィが先頭でコースに向かうと、ハースF1の2台が続き、アウトラップに臨むが、他の陣営はタイミングを見ているようですぐには動かない。
ピレリが今週末の一戦に用意したのはC2からC4のコンパウンド。同じレッドブル・リンクで行われる次のオーストリアGPはC3からC5とひと段階柔らかい組み合わせが採用されている。
開始から4分が過ぎる頃にはコース上がにぎやかになり、アルファタウリやレッドブル、フェラーリ、アストンマーティンらもソフトタイヤを装着して始動した。メルセデスが動き出したのはさらに3分以上が経過した後で、ボッタスとハミルトンの順でガレージを出発していく。この時点でもアルピーヌは動かず、Q1が残り10分を切ってようやくオコンとアロンソが出陣した。
この頃にはすでに17名がタイムを計測しており、トップには1分04秒489を刻んだフェルスタッペンがつけ、2番手に0.048秒差でボッタス、マクラーレンのノリスが0.095秒差の3番手に控えた。ハースF1のマゼピンは開始直後にコースに入っていたが、3周を走るもタイムアタックを完了しておらず、アルピーヌ勢の始動より少し早いタイミングで2セット目のソフトタイヤを履き、アウトラップを完了してアタックに臨んだ。
20台のタイムが出そろった時点でトップ3のオーダーは変わらず、4番手に0.193秒遅れのハミルトンが続き、アルファタウリのガスリーが5番手に食い込んでいた。ノックアウトゾーンの16番手以下に名を連ねたのはアルファロメオ・レーシングのジョビナッツィ、ウィリアムズのラッセル、ライコネン(アルファロメオ・レーシング)、シューマッハとマゼピンのハースF1コンビだ。
フェラーリのルクレールが自己ベストタイムを更新して5番手に上がり、ガスリーは6番手に下がるもギャップは0.1秒もなく、ガスリーのすぐ後ろには角田裕毅が0.035秒差で控えたほか、16番手のジョビナッツィを含めてもタイム差は0.6秒しかない接戦模様。0.1秒を見いだせればポジションが複数上がる状況とあって、どのドライバーも集中力を高めてQ1終盤のランに挑んでいる。
トップ3に加えて若干ながらベストタイムを更新したハミルトンを含めた上位4台がガレージで戦況を見守る中、5番手以下の16台がひしめくコース上はとりわけラップ開始前のセクター3終盤のトラフィックが激しく、スペースの確保とポジション取りが難しい状況だったが、なんとか全員がラストアタックのチャンスを得た。
1分04秒608でラップをまとめた角田が4番手に飛び込み、レッドブルのペレスが5番手に浮上してハミルトンを上回る。多くが自己ベストを刻んでおり、トップのフェルスタッペンから11番手のアロンソまでが0.5秒以内のギャップに収まった。一方で、わずかな差でQ2進出を逃したのが16番手に終わったラティフィほか、オコン、ライコネン、ミック、マゼピンだ。特にラティフィは15番手でQ1を突破したリカルド(マクラーレン)と0.033秒の違いしかなく、14番手のジョビナッツィと比べても0.083秒差と非常にタイムが接近している。
Q1以上に混戦が予想されたQ2はミディアムタイヤを選んだボッタスが真っ先にコースに入り、ジョビナッツィとハミルトンも同様に黄色のラインが入ったミディアムで出陣。ラッセルに加えてペレスもソフトを選択しているが、もう1台のレッドブルを駆るフェルスタッペンはメルセデス勢と同じミディアムタイヤを履いてガレージを後にした。
それ以外はソフトタイヤでQ2最初のアタックに臨んでおり、ミディアムで1分04秒433を刻んだフェルスタッペンを、ソフトタイヤのガスリーが0.004秒上回ってトップに立つ。3番手と4番手もソフト勢が続き、ノリスとペレスに次ぐ5番手にハミルトン、6番手はチームメイトに0.2秒遅れだった角田がつけ、ストロール(アストンマーティン)とアロンソを挟んで9番手の位置にボッタスがいたものの、2回目のクイックラップで1分04秒443を記録して3番手にポジションアップしている。
タイヤ戦略が分かれているとはいえ、トップ4が100分の数秒差で連なる大混戦の予選Q2は1,000分の1秒でも速くラップをまとめておかなければポジションに大きく影響する。それでも、メルセデスとハミルトンはミディアムでのQ2突破を狙って2セット目を投入し、トップに0.083秒差の自己ベストタイムを記録した。タイムシート最上位にいたガスリーは終盤のアタックには参加せず、ハミルトン以外はソフトタイヤでQ2の2回目のランに臨んでいる。
Q1序盤はうまくリズムに乗れていない様子だったペレスが1分04秒197をたたき出してトップに躍り出ると、ノリスが0.1秒差の自己ベストで2番手に浮上し、ガスリーは3番手に後退したが、フェルスタッペン、ボッタス、ハミルトン、アロンソ、角田、ルクレール(フェラーリ)、ストロールとともにQ3に進むことが決定した。
11番手以下で予選順位を確定させたのはウィリアムズのラッセル、サインツ(フェラーリ)、リカルド、ベッテル、ジョビナッツィだ。ラッセルは8番手だった角田と比較して0.04秒のギャップしかなく、その上のアロンソとは0.089秒、ハミルトンとの比較でも0.159秒遅れという非常に小さな差でQ3への切符を逃している。
ポールポジションを争うQ3はソフトタイヤに切り替えたハミルトンが最初にコースイン。アルファタウリの2人が合流し、アロンソ、ルクレール、ノリス、レッドブルコンビと他のドライバーも順次、アウトラップをスタートさせる。角田とアロンソはユーズドのソフトタイヤ、それ以外は新品のソフトで出陣している。タイミングをずらしたストロールも新しいソフトでアタックラップに挑んだ。
路面コンディションの改善もあってか、フェルスタッペンが1分03秒841の好タイムをたたき出してライバルを引き離しにかかる。ハミルトンも気を吐いてセクター3の最速タイムを刻んだが、それでもフェルスタッペンには0.226秒届かない。3番手以下のオーダーはノリス、ボッタス、ペレス、ガスリー、ルクレール、ストロール、角田、アロンソと並んでいた。
Q3序盤のアタックでタイミングをずらしたストロールを除く9名が臨んだラストアタックはボッタスが1分04秒フラットを刻み、ターン9でワイドにふくらんでしまったハミルトンはタイムを更新できずにポール争いから脱落・・・。最後にコントロールラインを通過したフェルスタッペンは1分03秒台を刻んだものの、最初のラップタイムを削ることはできず。それでも、ライバルに0.2秒近いリードを築いてポールポジションを手に入れている。2番手には0.194秒差でボッタスが入り、ハミルトンは0.226秒遅れの3番手にとどまった。
4番手にノリス、ペレスは5番手、ガスリーが6番手、ルクレール、角田、アロンソ、ストロールの順で予選順位が確定した。
なお、ボッタスは初日のフリー走行中にピットレーンでスピンを喫するインシデントを起こし、これが危険走行と見なされて3グリッド降格処分を受けたため、スタート位置は5番グリッドに後退する。
フィールド全体に接近した好バトルが期待される決勝レース、ホンダPU勢は4台ともQ1に進出するも角田はボッタスの進路を妨害したとのペナルティで3グリッド降格のため11番手スタートとなります。
全車ポイントを獲得は勿論、表彰台独占を期待したいですね!
フランスのポール・リカール・サーキットを舞台に20日(日)、シーズン第7戦フランスGP決勝レースが開催され、オープニングラップでリードを明け渡しながらもチームプレーでトップに返り咲いたレッドブルのフェルスタッペンが優勝し、レッドブル・ホンダに3連勝をもたらした。
スターティンググリッドを争った予選は予想されていた通りにレッドブルとメルセデスの接戦となるも、Q3の重要な場面で唯一となる1分29秒台をたたき出したフェルスタッペンがポールポジションを獲得。2番手にチャンピオンシップライバルでディフェンディングチャンピオンのハミルトン(メルセデス)がつけ、3番手にボッタス(メルセデス)、4番手にペレス(レッドブル)と、コンストラクターズ選手権を争う2チームが2列目からスタートした。
舞台となるポール・リカール・サーキットは全長5.842km、決勝レースは53周で争われ、気温36.1℃、路面温度25.5℃、湿度59.7%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。トップ10スタートのドライバーがすべて予選Q2のベストタイムをミディアムタイヤで記録したことから、上位勢にソフトスタートの陣営はなく、タイヤ選択が自由な11番手以下のドライバーも柔らかいコンパウンドを選んだ者はおらず、ハードが6台、ミディアムが4台に分かれた。予選Q1が始まってすぐにクラッシュを喫したアルファタウリの角田はギアボックスとフロアを交換したためピットスタートを強いられたが、新品のミディアムタイヤを履いてオープニングラップに臨んでいる。
ポールシッターのフェルスタッペンが好発進を決めてターン1に飛び込むも、風が強かった影響か、ターン2のエイペックスを突けず、コース外に逃げることになってしまい、早々にハミルトンがリードを奪った。1周目を終えてハミルトンが先頭、フェルスタッペン、ボッタス、ペレスが続き、それ以降のドライバーも多少のオーダー変更はあったものの、大きなトラブルはなく2周目に入っている。
逃げたいハミルトンとポジションを取り戻したいフェルスタッペンがファステストラップを刻み合いながらレースは進み、2人のチームメイトもそれに遅れずについていったが、トップ3に比べるとペレスのペースはやや遅く、4周目に入る頃にはボッタスに3秒以上引き離されていた。5番手のサインツに対しては2.5秒以上のギャップがあったとはいえ、メルセデスに置いていかれることなくチームの大量得点に貢献するにはペースアップが必須の状況だった。
サインツから後方は団子状態で、コンマ数秒から1秒強の間隔で隊列が組まれ、一瞬でも気を許せばオーバーテイクの好機を与える状況だ。6番手を走っていたガスリー(アルファタウリ)にとっては抑え込まれた格好とあって、できるだけ早くに前に出たかったと思われるが、ミディアムとハードをつなぐ1ストップ戦略が最善と予想されていたため、序盤はとりわけタイヤをケアする必要もあった。その状況は誰にとっても同様で、接近戦の展開にもかかわらず、アグレッシブに追い抜きを仕掛けていくドライバーはいない。
10周目に入ったハミルトンとフェルスタッペンのギャップは1.7秒、ボッタスがさらに1.3秒後方に控え、ペレスはボッタスから4.5秒近く離されていたが、タイヤに苦戦するサインツのペースが一向に上がらず、ペレスはサインツに対して9秒以上のリードを稼いでいた。8番手にいたアロンソ(アルピーヌ)もまたタイヤが厳しいようで、11周目にリカルドがオーバーテイクを成功させると、すぐ後ろにいたノリスもアロンソを追い抜き、マクラーレン勢がライバルの先行に成功している。
アロンソの苦境はこれにとどまらず、今度はアストンマーティンのベッテルに接近を許し、マクラーレン勢に3周遅れてベッテルもアルピーヌマシンを料理。次にアロンソをロックオンしたのはチームメイトのオコンだ。
アルピーヌがチームメイト対決に突入した頃、ピットレーンではフェラーリに動きが見られる。7番手を走っていたルクレールを呼び入れ、ミディアムからハードにタイヤを交換してコースへと送り出した。次のラップにはアルファタウリが角田をピットインさせてハードタイヤに交換、その翌周にはマクラーレンがリカルドのピットストップを完了している。コース復帰したリカルドはルクレールの2.6秒後方に戻り、ハースF1のマゼピンを挟んで角田が19番手にいた。
上位勢ではボッタスが18周目に入るタイミングでピットイン、サインツとガスリーもリカルドの動きを踏まえてタイヤ交換に向かったが、ピットレーンを出る前にリカルドが先行しており、アンダーカットを狙ったマクラーレンの戦略に軍配が上がった格好だ。ボッタスの対抗としてレッドブルはフェルスタッペンにピットインを指示、2.3秒という高速のタイヤ交換を披露し、ボッタスの前でコースに戻すことに成功している。
最後にピットに入ったハミルトンはリード死守を目指して猛プッシュしたものの、コース復帰のタイミングでフェルスタッペンにサイド・バイ・サイドに並ばれ、ターン1を先にまわったのはフェルスタッペンだった。この時点でラップリーダーにはペレスがついていたものの、第1スティントを長く取っており、事実上はフェルスタッペンがトップ、ハミルトンとボッタスが2番手と3番手の展開だ。
ペレスがハードタイヤに交換したのは25周目。ボッタスから18秒以上遅れた4番手の位置でコースに復帰している。マクラーレンもノリスのピットストップを完了したが、すでにタイヤ交換を終えているライバルを上回ることはできなかった。5番手から7番手に並んでいたベッテル、ストロール(アストンマーティン)、オコンの3名はスタートと同じタイヤを履き続けており、8番手のルクレールからリカルド、サインツ、ガスリーがノリスの直接的なライバルだったが、ノリスは彼らよりも後方の13番手で第2スティントをスタートさせている。
ルクレールやリカルドらはオコンを料理してアストンマーティン勢を追いかける展開に持ち込み、ノリスも28周目にはガスリーの真後ろまでポジションを戻してテール・トゥ・ノーズのバトルを繰り広げていく。ただ、ルクレールはペースが上がらず、リカルドに簡単にオーバーテイクされた後、チームメイトのサインツを先に行かせたが、さらにノリスとガスリーにも追い抜かれて11番手までポジションを下げた。ノリスはルクレールをかわす前にガスリーとの攻防戦を制しており、最初のアテンプトではガスリーの抵抗によってコース外に押し出される格好となったものの、レーススチュワードはこの一件におとがめなしの裁定を下している。
フェルスタッペンは32周目に入る直前にピットに飛び込み、2セット目のミディアムタイヤを投入。前戦のバクーではトップチェッカーが確実視される中でタイヤトラブルを抱えてリタイアを喫しただけに、レッドブルが確実な戦略を取ったようにも思われた。ハミルトンが無線で「タイヤは悪くない。フロントがちょっとダメだけど」と報告していたメルセデスはステイアウトを選択している。ミディアムに履き替えてペースアップしたフェルスタッペンはすぐにペレスに追いつき、相棒に道を譲ってもらって3番手に上がる。ペレスのチームプレーに「ありがとう」と感謝を述べたフェルスタッペンは、メルセデス勢よりも2秒速いペースでファステストラップを連発しながら前を行くボッタス、そしてハミルトンを追いかけた。
長い第1スティントを走っていたアストンマーティンは35周目にストロールのタイヤを交換、6番手を走っていたストロールは14番手のポジションで隊列に加わっている。ベッテルはそこからさらに2周を追加してようやくピットストップに向かい、ハードからユーズドのミディアムタイヤに交換、角田の前となる11番手でコース復帰した。ベッテルの3秒前を走っていたフェラーリの2台はペースに激しく苦戦しており、ルクレールが2回目のピットストップを決断してタイヤをミディアムに戻した結果、ベッテルがポイント圏内の10番手に浮上している。
メルセデスとは異なる戦略を採用し、さらにチームメイト間でもタイヤ戦略を分けたレッドブルはレース終盤にライバルより1秒以上速いペースで走行、残り10周を迎えてフェルスタッペンがボッタスの1秒以内に追いついた。2人のバトルから5秒後方にいたペレスもメルセデス勢を上回るラップタイムを刻んで猛追しており、メルセデス対レッドブルのバトルが激しさを増す。
フェルスタッペンは43周目にボッタスをオーバーテイクすると、周回遅れのマシンに対応しながらハミルトンにプレッシャーをかけていく。その間にボッタスの背中をとらえたのがペレスだ。数周にわたって追い抜きのチャンスを狙っていたペレスは、ストレートでトウを得た49周目にサイド・バイ・サイドに持ち込み、メルセデスマシンをかわして3番手にポジションを上げた。
これでダブル表彰台が現実味を帯びてきたレッドブル。周回遅れの対応を終えたフェルスタッペンはハミルトンの1秒強の位置に陣取り、あとは攻撃を仕掛けるタイミングが来るのを静かに待っているようだった。DRS圏内に入ったフェルスタッペンはDRSを生かしてハミルトンのスリップに入り、一気に加速して見事なオーバーテイクを披露。当然、タイヤが限界状態のハミルトンが反撃に出ることはなく、フェルスタッペンがリーダーに返り咲いてファイナルラップを迎えた。
最後はややペースをコントロールしたフェルスタッペンがトップチェッカーを受けてレッドブル・ホンダの3連勝を達成。2位にハミルトンが入り、ペレスが3位でゴールしてダブル表彰台を獲得している。ペレスはボッタスをオーバーテイクした際の走行がスチュワードの審議対象になっていたが、おとがめなしの判断が下って表彰台が確定した。
ボッタスは4位にとどまり、ノリスとリカルドがマクラーレンにダブル入賞をもたらし、7位にガスリーが入ってHonda勢が3台そろってポイント獲得、アロンソに次いでベッテルとストロールもアストンマーティンにダブルポイントを持ち帰っている。
ピットスタートだった角田は13位で完走を果たした。
ホンダPU勢、レッドブルがダブル表彰台と、これからの3連戦で表彰台独占が実現できると良いですね!
19日(土)、ポール・リカール・サーキットにてシーズン第7戦フランスGP予選が実施され、レッドブルのフェルスタッペンがポールポジションを手に入れた。
初日に行われた2回のフリー走行ではメルセデスのボッタスとフェルスタッペンが速さを示し、予選前の土曜フリー走行もフェルスタッペンとボッタスがタイムシート上位に立ったが、タイムが接近していた初日と違い、フェルスタッペンが2番手以下に0.7秒以上のリードを築いている。
気温28.4℃、路面温度44.2℃、湿度52.4%のドライコンディションで始まった予選Q1はアルファロメオ・レーシングのジョビナッツィが先頭でコースに入り、チームメイトのライコネンやライバル勢が続いていく。メルセデスのガレージではセッション開始前からハミルトン車の周りでメカニックたちが慌ただしく作業していたが、他陣営のアタックラップが始まるタイミングになるとコースに姿を見せている。
ただ、最初のアタックに臨んでいたアルファタウリの角田がターン2でバランスを崩してリアからウオールにぶつかり、黄旗が振られてすぐに赤旗に切り替わってセッションは中断。マシンにダメージはあったものの、なんとか走行を再開しようとした角田だったが、「ギアがない」と訴えて身動きが取れず。しばらく粘るも、最終的にはその場でコックピットを離れて予選終了を余儀なくされた。
14分19秒を残して止まっていた時計が再び動き出したのは約9分後。まだ誰もタイムを残せていない状況とあって、ピットレーン出口の信号が青に変わる前から行列を作っていた各車が一気にコースになだれ込む。赤旗前の時点でガレージにとどまっていたアルピーヌの2台も合流し、角田を除く19名がアウトラップをスタートさせている。
フェラーリ勢が最初にタイムシートに名前を刻んだ後、アルファタウリのガスリーが1分31秒台をマークして暫定トップに立つも、すぐさまボッタスがそれを上回る。ハミルトンは0.023秒届かずに2番手となり、直後にコントロールラインを通過したフェルスタッペンが1分31秒フラットをたたき出してトップの座を奪った。フェルスタッペンに次ぐ2番手には僚友ペレスが飛び込み、レッドブルが1-2態勢を築く。フェルスタッペンとペレスのギャップは0.559秒あり、3番手につけていたボッタスはトップから0.668秒遅れだ。
アストンマーティンのストロールはトラックリミットをオーバーしたことでタイムが抹消されており、18台のタイムが出そろった時点でノックアウトゾーンの16番手以下に名を連ねていたのはルクレール(フェラーリ)、ライコネン(アルファロメオ・レーシング)、マゼピン(ハースF1)、ノータイムのストロールとすでにマシンを降りている角田だった。
ルクレールが1セット目のソフトタイヤで走った5周目に自己ベストを更新、11番手にポジションを上げてノックアウトゾーンを脱したほか、ハミルトンも同様に最初のランを継続して2番手タイムにペースアップしている。
トップ5に並ぶフェルスタッペン、ハミルトン、ペレス、ボッタス、ノリス(マクラーレン)がガレージで次のセッションの準備を進める中、2セット目のソフトタイヤを投入した他のドライバーたちがQ2進出を目指して集中力を高めていた。しかしながら、今度はハースF1のシューマッハがガードレールにマシンをぶつけて赤旗が振られてしまう。この時点で残り時間は22秒と少なく、レースコントロールはQ1を再開せずに終了することを宣言した。
ミックは14番手タイムを残しており、Q2に進めるチャンスだったが、初めてのQ1突破は非常に後味の悪い形になってしまった。
赤旗終了の影響でタイムを更新できなかったドライバーも多く、中でもストロールは2分12秒584しか記録できていない。16番手でQ1敗退となったラティフィ(ウィリアムズ)ほか、ライコネン、マゼピン、ストロール、角田がノックアウトされている。ストロールの予選タイムはQ1トップのフェルスタッペンがマークした1分31秒001から41秒以上遅れており、107%ルール適用により決勝レースへの出走可否はスチュワードの判断に委ねられるが、フリー走行のペースを考えれば問題なく認められるはずだ。
インターバルを経て迎えたQ2はガスリーを先頭にノリスとフェラーリの2台が続き、少し遅れてメルセデス勢や他のドライバーたちも合流した。ほとんどのドライバーがミディアムタイヤを選んでおり、ウィリアムズのラッセルだけがユーズドのソフトタイヤで出陣している。アルピーヌの2台はトラフィックを警戒してか、ライバルたちがアタックラップに入ったタイミングでミディアムタイヤを装着してガレージを出発した。
フェラーリのサインツが1分31秒146の好タイムを記録した後、フェルスタッペンが0.075秒速くラップをまとめてトップに立つが、ペレスが0.1秒上回って最速タイムを塗り替える。アルピーヌのアロンソが8番手、オコンは11番手に入ってミックを除く14台がタイムシートに名前を刻んだ。
トップには1分30秒959をマークしたハミルトンがつけており、0.012秒差でペレスが2番手、フェルスタッペン、サインツ、ボッタスが5番手、ガスリー、ノリス、アロンソ、リカルド(マクラーレン)、ルクレール(フェラーリ)のトップ10となり、11番手以下のノックアウトゾーンにはオコン、ベッテル(アストンマーティン)、ジョビナッツィ、ラッセル、ミックが並んでいた。
Q2終盤の走行はジョビナッツィとリカルドがソフトタイヤに切り替えたものの、多くはミディアムタイヤを継続。トップ3のハミルトンやレッドブル勢もコースに入り、ハミルトンとフェルスタッペンはミディアムの新しいセットを選んだが、ペレスは新品のソフトタイヤで出陣している。ただ、マクラーレンは無線でノリスにピットインを指示しており、理由は「あとで伝える」としてノリスはアタックせずに引き上げた。
Q2のトップタイムは1分30秒735、ドライバーはボッタスに変わり、同じく自己ベストを記録したハミルトンが0.053秒差で2番手だ。ペレスとフェルスタッペンの2人はタイムを更新せずにラップを終えており、サインツ、ガスリー、ノリス、アロンソ、ルクレール、リカルドがQ3に進んでいる。Q2で予選を終えることになったのは11番手のオコン以下、ベッテル、ジョビナッツィ、ラッセル、ミックの5人だ。
12分間で争われたQ3もガスリーが先頭で出陣し、フェラーリ勢とマクラーレンの2台、アロンソが続けてコースに向かう。少し間を置いてレッドブルの2台、すぐ後ろからメルセデスの2人が合流して10台が出そろった。大半がソフトタイヤを履いているが、アロンソとリカルドはミディアムタイヤでのアタックに挑戦。
最初のアタックラップを終えて1分30秒325を刻んだフェルスタッペンがトップに立ち、0.386秒差の2番手にハミルトン、ペレスが3番手、ボッタス、サインツ、ノリス、アロンソ、ルクレール、リカルドが9番手、コースリミットを越えてしまったガスリーはタイムが抹消されてノータイムの10番手だ。
10台すべてが新品のソフトタイヤを装着して挑んだラストアタックはセクター1のファステストこそハミルトンに譲ったものの、セクター2とセクター3で最速タイムを刻んだフェルスタッペンが1分29秒990をたたき出してポールポジションを獲得。唯一、1分30秒の壁を突破している。2番手には0.258秒差でハミルトンが飛び込み、ボッタスが3番手、ペレスが4番手に収まり、レッドブルとメルセデスに次ぐトップ5入りを果たしたのはサインツだ。6番手以下はガスリー、ルクレール、ノリス、アロンソ、リカルドが10番手に続いた。
ホンダPU勢、フェルスタッペンがポールポジション、ペレスが4番手、ガスリーが6番手、角田がピットスタートですが、表彰台独占して欲しいですね!
6日(日)、バクー市街地サーキットで開催されたシーズン第6戦アゼルバイジャンGP決勝レースは途中まで安定した展開を見せていたものの、レース後半に数々のドラマが待ち受けており、最終的に表彰台の頂点に立ったのはレッドブルのペレスだった。
複数回の赤旗が振られた予選ではQ3序盤のアタックで1分41秒218のトップタイムをマークしていたフェラーリのルクレールが前戦モナコGPに続くポールポジションを獲得。初めてQ3に進んだアルファタウリの角田裕毅がラストアタックに臨もうとしたタイミングでクラッシュを喫してしまい、真後ろを走っていたサインツ(フェラーリ)が接触を回避しようとするも、エスケープゾーンに突っ込んでこちらもウオールにぶつかり、マシンにダメージを負うインシデントが発生したことで、予選トップ10に入ったドライバー全員が最後のアタックを完了できずに予選を終えることになった。
ルクレール同様に最初のアタックで好タイムを刻んでいたメルセデスのハミルトンがフロントローに食い込み、フリー走行では苦戦を強いられていたものの、予選までに改善している。3番手に収まったレッドブルのフェルスタッペンはタイム更新の機会を得られなかったものの、オーバーテイクが可能なコースとあってレースでの巻き返しに集中した。なお、予選中に計量ブリッジに呼ばれた際、ピットレーンのターマックの塗料がタイヤに付着したとのことで、FIAはフェルスタッペンに別のユーズドタイヤへの交換を許可している。
また、予選Q1で赤旗が掲示された際に、ピットレーン入口手前を走行していたものの、とっさの判断が追いつかずにピットインのタイミングを逃してしまい、コースにとどまったことでマクラーレンのノリスが3グリッド降格処分を受けた。ノリスは予選を6番手で終えていたため、7番手から9番手に並んだペレス、角田、アロンソ(アルピーヌ)のスタート位置がひとつ繰り上がっている。
ピレリはバクーにC3からC5の最も柔らかいコンパウンドの組み合わせを用意し、トップ10スタートのドライバーは全員がソフトタイヤでQ2を突破したため、第2スティント以降のタイヤ戦略に注目が集まった。タイヤ選択が自由な11番手以下の中で、ミディアムを選んだのは14番から16番のグリッドに着いたライコネン(アルファロメオ・レーシング)とウィリアムズのラッセルとラティフィだ。19番手スタートのストロール(アストンマーティン)はハードタイヤを選択している。
若干の青空が見えつつも雲が広がる中、全長6.003kmのバクー市街地サーキットにて51周で争われた決勝レースは気温24.3℃、路面温度39.7℃、湿度51.6%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。
シグナルのブラックアウトを確認してグリッドを離れたルクレールは先頭をキープしてターン1を通過、ハミルトンはややフェルスタッペンをカバーするようにして2番手を守っている。スタートで1つポジションを上げたペレスがオープニングラップの第1セクターでさらに1台をかわして4番手に浮上したほか、アロンソが角田を追い抜いて7番手で1周目を終えた。
チャンピオンシップ首位を守るべく、ハミルトンに引き離されないよう早めにルクレールを抜きたかったフェルスタッペンも直線でフェラーリマシンに並び、ファステストラップを刻んでハミルトンに次ぐポジションに浮上した。この時点で2人のギャップは1.2秒ほどあり、フェルスタッペンが2番手に上がったことを確認したハミルトンがファステストを塗り替えるペースを見せて引き離しにかかるが、レッドブルはペレスもルクレールのオーバーテイクを成功させ、ハミルトンとメルセデスにプレッシャーをかけていく。
8周を走り切る前にさらに2人のドライバーが最初のタイヤ交換を終えた。角田に抜かれてスタートと同じ8番手に戻っていたアロンソと、オープニングラップで3つのポジションを失っていたノリスが同じタイミングでピットに入り、2人ともハードタイヤを履いて隊列に復帰している。さらにハミルトンが10周目に入った頃にはルクレールと角田がピットイン。こちらもバクーの週末では最も硬いC3のコンパウンドを選び、ルクレールは10番手、角田は12番手の位置でコースに戻った。
フェラーリは次のラップでサインツのタイヤ交換も完了したが、ハードに履き替えたばかりのサインツはターン8をうまくターンインできず、エスケープゾーンに逃げて一時的に黄旗が振られる場面があった。事なきを得たサインツは大きくポジションを落としたものの、コースに復帰してレースを続けている。
レッドブルよりも先に動いたメルセデスはハミルトンのタイヤをハードに交換するも、その作業に少し時間がかかってしまい、直後の13周目にレッドブルがフェルスタッペンのマシンにハードタイヤを装着してコースに送り出した頃にはハミルトンの前に出ていた。レッドブルは続けてペレスのピットストップも終えたが、1.9秒の作業時間だったフェルスタッペンとは対照的に長いストップとなってしまう。それでも、なんとかハミルトンの前でコースに戻ったペレスは、後方からのプレッシャーに対処しながら前のフェルスタッペンを追いかけた。
15周目に入ってラップリーダーの座に就いていたのはアストンマーティンのベッテルだ。ソフトタイヤでスタートしたベッテルは第1スティントを長く取っており、ベッテル以外でまだスタートと同じタイヤを履いていたのはハードを選んだチームメイトのストロールだけ。
とはいえ、ベッテルとフェルスタッペンのギャップは3秒弱しかなく、戦略が異なることもあってフェルスタッペンはマイペースにレースを組み立てる。ペレスは僚友の3.2秒後方で懸命にハミルトンを抑え込み、その後ろにストロール、ガスリーが6番手、ルクレール、角田、ノリス、バルテリ・ボッタス(メルセデス)が入賞圏内につけていた。
ベッテルがピットインした19周目にはフェルスタッペンがラップリーダーに戻り、ライバルたちと同じくハードタイヤに履き替えたベッテルは角田の2.2秒前、7番手で隊列復帰を果たしている。
レースが折り返し地点を過ぎた時点で先頭のフェルスタッペンは後続に3秒以上のリードを築き、ペレスとハミルトンの間には2秒のギャップ、ストロールはまだ第1スティントを走っており、事実上の4番手にガスリーがつけ、ルクレール、ベッテル、角田、ノリスが2秒強の間隔で並んでいた。ノリスの1秒ほど後方からはボッタスが攻め立てていたが、思うようにオーバーテイクを仕掛けられず、ストリートコースでペース不足に苦しむボッタスはがまんのレースを強いられている。
しばらく順位の変動がない状況が続いていたが、事態が大きく動いたのは31周目。まだ第1スティントを走っていたストロールがロングストレートでバランスを崩してクラッシュしてしまう。左リアタイヤが限界に達していたようで、直線を走行中に突如、マシンのコントロールを失っていた。激しい衝突だったものの、幸い、ストロールにケガはなく、自力でマシンを降りている。
ストロールのクラッシュに伴ってセーフティカーが出動したが、事故現場の位置関係からピットレーンが閉鎖されていたため、タイヤ交換はできない状況だった。ストロールを欠いた隊列はセーフティカーの後ろに並んでレース再開の時を待つも、飛び散ったデブリが多く、マシン撤去にも時間を要した。34周目にはピットレーンが開放され、タイヤ交換を検討する陣営もいたものの、すでに各車のギャップがなくなっていたことから、ピットインすれば大幅なポジションダウンは避けられない。
ただ、周回遅れのマシンに対してラップ回復の許可が降りた直後――この時点で周回遅れだったのはハースF1のマゼピンのみ――後方集団のマシンがピットレーンに飛び込み、アロンソ、ジョビナッツィ、ラッセル、シューマッハ(ハースF1)、マゼピンが2度目のタイヤ交換を終わらせた。
35周目をもってセーフティカーの解除が発表されると、タイヤの熱入れからポジション取りまでライバルとの駆け引きが相次ぎ、ターン1への飛び込みなどで超接近戦が繰り広げられた。リスタートで好パフォーマンスを見せたベッテルはルクレールを追い抜いて5番手に上がると、次のラップにはガスリーも料理して4番手にポジションアップ。
40周を走って先頭はフェルスタッペンで変わらず、すでに4秒以上のリードを許しながらもハミルトンを確実に抑え込むペレスが2番手をキープ、ハミルトンは1秒後方に控え、ベッテル、ガスリー、ルクレール、角田、ノリス、サインツ、ダニエル・リカルド(マクラーレン)がポイント圏内につけていた。苦しいながらもトップ10のポジションを守っていたはずのボッタスはリスタートで数台に追い抜かれてしまい、14番手まで後退している。
残り10周を切って上位勢の中にもハードタイヤで30周以上を走るドライバーが増え、ストロールの一件もあったことからタイヤの持ちが懸念されたものの、自己ベストタイムを刻むドライバーもちらほら見られた。
しかしながら、やはりタイヤの寿命が原因でまたしてもクラッシュを喫したドライバーが出てしまう。しかも、ラップリーダーのフェルスタッペンがその人だ。順調に先頭を走っていたフェルスタッペンだが、残り5周となったところで突然マシンのコントロールを失ってウオールに激突。左リアタイヤに損傷が確認されており、無念のリタイアとなった。衝撃は激しかったものの、フェルスタッペンにケガはなく、コックピットを離れたフェルスタッペンは左リアタイヤを確認した後、思わずタイヤにケリを入れて悔しさをあらわにしていた。
再びセーフティカーが出動し、先頭にはペレスが躍り出て2番手にハミルトン、3番手にベッテルが上がる。49周目を迎えるタイミングで赤旗が振られ、全車がピットレーンに整列。レッドブルのピットウオールではチーム代表のクリスチャン・ホーナーがフェルスタッペンのトラブルについて話しており、「ストロールとまったく同じ。タイヤトラブルだ」と指摘していた。レッドブルによれば、事故前にバイブレーションなどが発生していた事実もなく、タイヤトラブルの兆候はまったくなかったという。
赤旗中断してから20分以上が経過した頃、レースコントロールからレース再開の予定が告げられる。日本時間23時10分にピットレーンがオープンとなり、セーフティカー先導のもと、生き残る全車がソフトタイヤを履いてフォーメーションラップを走った。3番手につけるベッテルは上位勢で唯一、新品のソフトタイヤを持っており、チャンスを最大に生かすべくフレッシュなコンパウンドを装着。スタンディングスタートが指定されたため、その時点のオーダーでグリッドに並んでのリスタートとなった。
ペレスが確実に蹴り出す中、ハミルトンがまさかのターン1でオーバーランを喫し、ベッテルが2番手に上がるとともにガスリーが3番手に浮上する。ハミルトンは16番手までポジションを落とし、入賞圏外に脱落した。
表彰台の最後のひと枠をめぐってはガスリーにプレッシャーをかけるルクレールとノリスが争いに加わるも、ルクレールの攻撃を跳ね返したガスリーに軍配が上がり、ファイナルラップはルクレールとノリスが4番手の座を争った。
長いレースを終えてトップチェッカーを受けたペレスに次いでベッテルが2位でゴールし、3位にはガスリーが入って表彰台をマーク。4位以下、入賞はルクレール、ノリス、アロンソ、角田、サインツ、リカルド、ライコネンだった。
ジョビナッツィが11位でフィニッシュしており、ボッタスが12位、ラティフィ、シューマッハ、マゼピン、ハミルトンは16位完走にとどまってノーポイントだったため、ドライバーズ選手権はフェルスタッペンのリードのまま次のラウンドに向かうことになった。チェッカーフラッグを受けられなかったものの、ラッセルとフェルスタッペンがそれぞれ17位と18位で完走扱いとなっている。
フェルスタッペンが、残り5周のところでクラッシュを喫し、優勝は逃してしまったものの、ペレスが優勝、ガスリーが3位表彰台、角田が7位となっており、ホンダPU勢の表彰台も夢ではなくなってきましたね。
次戦、ポール・リカール・サーキットのフランスGPに期待しましょう!