現地時間17日(日)、2019年FIA F1世界選手権第20戦ブラジルGP決勝レースが開催され、セーフティカーが2度にわたって出動する波乱のレースをレッドブルのフェルスタッペンが制し、トロ・ロッソのガスリーが2位表彰台に上った。
混戦の中団グループはもちろん、上位勢も接近戦を繰り広げた予選はレッドブルのフェルスタッペンがキャリア2度目のポールポジションを獲得し、フェラーリのベッテルとメルセデスのハミルトンがコンマ数秒差でそれに続いた。ベッテルの僚友ルクレールは4番手タイムを残したが、エンジンコンポーネント交換によるペナルティで10グリッド降格処分を受けたため、スタートでは14番グリッドに並んでいる。
アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ、通称インテルラゴス・サーキットは全長4.309kmを誇り、決勝レースは71周で争われた。快晴の下、気温20.6℃、路面温度49.2℃、湿度61.5%のドライコンディションでスタート時刻を迎え、トップ10スタートの中で唯一タイヤ選択が自由だったノリス(マクラーレン)は新品のソフトタイヤを履いてフォーメーションラップに臨んだ。ピレリはインテルラゴスにC1からC3のドライタイヤを用意し、レースではC1もしくはC2の硬い方のコンパウンドのいずれかを使用することが義務付けられている。
注目のレーススタートは各車とも無事に発進し、フェルスタッペンが先頭をキープしてターン1を通過するも後方ではハミルトンがベッテルをかわして2番手に上がる。後方ではリカルド(ルノー)をかわしたルクレールが出遅れたノリスをも料理して11番手にポジションアップし、さらにアルファロメオ・レーシングのジョビナッツィへのオーバーテイクも成功させてあっという間にポイント圏内に入った。
ルクレールは3周目から4周目に入るタイミングでハースF1のマグヌッセンを追い抜き、ライコネン(アルファロメオ・レーシング)にかわされたグロージャンにプレッシャーをかけていくと、あまり時間をかけずに8番手のポジションを確保。ルクレールの次なるターゲットとなったライコネンは熟練のドライビングでポジションを守りながら2秒前を行くトロ・ロッソのガスリーを追いかけた。しかしながら、マシンパフォーマンスでまさるルクレールにホームストレートで並ばれるとターン1への飛び込みで先行を許す。
さらに後方では予選でトラブルに見舞われてタイムを残せず、最後尾スタートだったサインツが快進撃を見せており、15番手につけてリカルドやさらに前方にいた数台と激しいバトルを繰り広げた。ただ、リカルドが目前にいたマグヌッセンにオーバーテイクを仕掛けたところ、タイヤをロックアップしたハースF1マシンとぶつかってしまい、フロントウイングにダメージを受ける。破損してコースに落ちたデブリをサインツのマクラーレンマシンが拾っている様子もあったが、影響は大きくなかったようでサインツは走り続けている。接触の衝撃でスピンを喫したマグヌッセンもステイアウトしており、リプレー映像を見るとリカルドの右フロントタイヤとマグヌッセンの左リアタイヤが触れたインシデントだったようだ。
緊急ピットンしてタイヤとノーズを交換したリカルドは20番手に交代し、コースオフを喫して怒り心頭だったマグヌッセンは17番手の位置でレースを続けている。この一件はスチュワードに報告され、接触を引き起こしたとしてリカルドに5秒のタイムペナルティが科せられた。
一方、先頭のフェルスタッペンは1分13秒半ばのラップタイムを刻みながらハミルトンに対するリードを2秒前後に保つ。時折、ハミルトンがペースアップすることもあったが、路面温度がこれまでの2日間より大幅に上昇しているとあって、どのドライバーもタイヤをケアしながらプッシュすることに集中した。ベッテルはトップ2から遅れ始め、20周目に入る頃にはフェルスタッペンから7秒、ハミルトンからは5秒以上離されていた。
上位勢で最初に動いたのはメルセデスだ。ハミルトンをピットに呼び入れ、別のソフトタイヤを装着してコースへと送り出した。アンダーカットに打って出たハミルトンだが、やや渋滞した場所に戻ってしまい、次のラップでピットインしたフェルスタッペンの前に出るのは難しいかと思われたが、フェルスタッペンと同じタイミングでピットに入っていたウィリアムズのクビサがピットレーンを通過していたフェルスタッペンの目前に入ってしまい、危うくピットウオールにぶつかりかけたフェルスタッペンはクビサに頭を抑えられる格好となり、ピットレーンの速度制限が外れた頃にはハミルトンがすでに先行していた。
それでも、一気にペースを上げたフェルスタッペンはあっという間にクビサを抜き去り、戦略の異なるルクレールを追い抜いた際にふらついたハミルトンをオーバーテイクしてポジションを取り戻す。ハミルトンもトウを使って再びリードを奪おうとしたが、最終的にフェルスタッペンが前を取っている。
フェルスタッペンとハミルトンが激闘を展開する中、ラップリーダーだったベッテルが最初のピットストップを完了し、ミディアムタイヤを履いて隊列に戻る。ボッタスはハード、アルボンはミディアムを第2スティントに選び、トップ2のフェルスタッペンとハミルトンがソフトタイヤを履いていた。
レースが折り返し地点を過ぎたタイミングでフェルスタッペンとハミルトンは3秒差、ハミルトンから3番手のベッテルまでは9秒以上のギャップがあり、さらに約9秒後方にボッタス、アルボンはボッタスから5秒遅れ、そこから12秒ほど後ろにルクレールが控える状況だった。
ハードタイヤを履くボッタスはマシンが安定しないようでライバルよりも0.5秒ほどペースが遅く、風の情報を教えてほしいと尋ねたピットウオールからは「もう1台も似たような状況だ」との答えが。ライバルのレッドブルもフェルスタッペンから同様のメッセージを受け取っており、コース上のドライバーたちは風に手こずっている様子だった。
フェルスタッペンが42周目に入った後、ボッタスがピットに向かってタイヤを交換。後方とのギャップを踏まえてもう1セットを投入することにしたようで、ハードから新品のミディアムタイヤに履き替えて最終スティントをスタートさせている。ボッタスはルクレールに5秒遅れの6番手でコースに戻り、セクターのファステストタイムを刻んで1分10秒台のファステストラップをマーク、ルクレールとの差がこれで一気に2秒以下まで縮まった。
ボッタスから2周遅れてハミルトンも2度目のタイヤ交換を完了し、新しいミディアムタイヤを選んでピットアウトした。これに対してレッドブルも素早く動き、フェルスタッペンもミディアムの新しいタイヤセットを履いてコースに向かう。接近戦に変わりはないものの、今回はフェルスタッペンが少しの余裕を持ってハミルトンの前をキープしており、周回遅れのマシンに対応しながらレースを進めていった。
ハードタイヤのルクレールに攻撃を仕掛けるボッタスはコーナーでインを突いたり、ストレートでサイド・バイ・サイドに持ち込んだりしたものの、ルクレールがうまく防御してポジションを死守。ルクレールのペースに付き合うことなく加速したいボッタスだが、なかなかチャンスを作れずにいた。
また、1ストップ戦略を狙っていたベッテルは後方から1.5秒ほど速いペースで迫ってくるフェルスタッペンとハミルトンを抑えきれないと見て、50周目に入る手前でピットに飛び込んだ。次の周回ではアルボンが2回目のピットストップでベッテルと同じソフトタイヤに履き替えている。
ルクレールを追いかけるボッタスのリアに若干の白煙が確認されたのは52周目のこと。接近戦が長引き、エンジンがオーバーヒートしてしまったようで、最終的にパワーを失ってマシンを止めることになった。メルセデスマシンはターン4の内側に停車したため、この区間に黄旗が振られていたが、2周後にセーフティカーが出動する。
メルセデスの無線では「フェルスタッペンと逆の行動を」との指示が飛び、フェルスタッペンがピットインしたことからハミルトンはステイアウトを選択。フェルスタッペンはソフトタイヤに履き替えて2番手のポジションで隊列に復帰している。さらにルクレールもこのタイミングでソフトタイヤに履き替えており、ガスリーを含む上位6台の中ではハミルトンだけがミディアムを履き続けていた。
周回遅れだったドライバーたちが周回を取り戻して隊列が整えられた後、59周目の終わりにセーフティカーが解除されることになり、リスタートを前にハミルトンが大きく減速したため、ほぼ20台すべてが団子状態となる大渋滞が起きる。なんとか整列してレースが再開されると、ハミルトンに対してフェルスタッペンが、ベッテルに対してアルボンがターン1のアウト側からオーバーテイクを仕掛け、レッドブル勢がそろってポジションを上げた。4番手と5番手に並んだフェラーリ勢もベッテルとルクレールがチームメイト対決を繰り広げるなど、再開直後のラップでは各所で激しいポジション争いが展開されている。
ベッテルはポジションを取り戻そうとターン1でアルボンにプレッシャーをかけていったが、タイヤをロックアップしてしまい、アルボンが3番手を守った。その後、ルクレールに差をつめられたベッテルは一度、ポジションを譲った後、トウを得てサイド・バイ・サイドに持ち込み、ポジションを取り戻しかけるも、その際、左側にいたルクレールの右フロントタイヤとベッテルの左リアタイヤがわずかに触れてしまい、ルクレールのタイヤがバーストした後、ベッテルのタイヤもパンクチャーに見舞われて、まさかのダブルリタイアを喫する事態に直面した。
フェラーリ勢のデブリを拾ったレーシング・ポイントのストロールもリタイアに追い込まれ、セーフティカー出動が発表されると、すぐさまハミルトンがピットに向かう。すでにレースは残り4周と短く、他にピットインするドライバーはいなかったが、ハミルトンはタイヤが苦しかったのかソフトタイヤに履き替え、4番手でコースに復帰。これでアルボンが2番手、ガスリーが3番手に上がり、レッドブルとトロ・ロッソのHonda勢3台が表彰台圏内に入った。
セーフティカーが解除されたのはラスト2周。なんとか3番手を守りたかったガスリーだが、リスタートでハミルトンにかわされて4番手に後退する。ハミルトンが2番手に返り咲こうとアルボンにも攻撃を仕掛けていったところ、ハミルトンがアルボンにマシンをぶつけてしまい、衝撃でアルボンがスピンを喫してしまった。アルボンはハミルトンに対してスペースを与えていたように見えたが、ハミルトンに焦りがあったのか、接触でフロントウイングにダメージを受けたハミルトンもすぐには体勢を戻せず、そのスキにガスリーが2台を追い抜いている。アルボンは数秒後に追いついた多くのマシンが通過するのを待たなければならず、15番手まで後退を強いられている。
ファイナルラップで逃げ切りを試みたガスリーは、ダメージを抱えたハミルトンを懸命に抑え込み、最終コーナーではほぼ並びかけられたものの、鼻差で先にチェッカーフラッグを受けて2位フィニッシュを成し遂げた。マシン半分の差でゴールしたハミルトンはアルボンとの一件がレース後に審議され、接触の責任を問われて5秒のタイムペナルティを受けている。
結果、フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを飾ったブラジルGPはガスリーが2位、3位には20番手スタートのサインツが繰り上がり、ガスリーとともにキャリア初の表彰台をマークした。ライコネンとジョビナッツィのアルファロメオ・レーシング勢が4位と5位でダブル入賞、序盤に最後尾まで後退していたリカルドが6位につけ、ハミルトンが7位、他にノリス、ペレス、クビアトがポイントを手に入れている。
12位でゴールしていたヒュルケンベルグがリスタート前に他車をオーバーテイクしたとしてレース後に5秒のタイムペナルティを受けたため、アルボンは14位完走となった。
やりましたね!
ホンダPU勢の1-2フィニッシュ、アルボンもハミルトンとのインシデントがなければ、1-2-3も
可能ではなかったではないでしょうか、またクビアトも10位につけています。
最終戦のアブダビも、ホンダPU勢にとって良い結果を期待しましょう。
混戦の中団グループはもちろん、上位勢も接近戦を繰り広げた予選はレッドブルのフェルスタッペンがキャリア2度目のポールポジションを獲得し、フェラーリのベッテルとメルセデスのハミルトンがコンマ数秒差でそれに続いた。ベッテルの僚友ルクレールは4番手タイムを残したが、エンジンコンポーネント交換によるペナルティで10グリッド降格処分を受けたため、スタートでは14番グリッドに並んでいる。
アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ、通称インテルラゴス・サーキットは全長4.309kmを誇り、決勝レースは71周で争われた。快晴の下、気温20.6℃、路面温度49.2℃、湿度61.5%のドライコンディションでスタート時刻を迎え、トップ10スタートの中で唯一タイヤ選択が自由だったノリス(マクラーレン)は新品のソフトタイヤを履いてフォーメーションラップに臨んだ。ピレリはインテルラゴスにC1からC3のドライタイヤを用意し、レースではC1もしくはC2の硬い方のコンパウンドのいずれかを使用することが義務付けられている。
注目のレーススタートは各車とも無事に発進し、フェルスタッペンが先頭をキープしてターン1を通過するも後方ではハミルトンがベッテルをかわして2番手に上がる。後方ではリカルド(ルノー)をかわしたルクレールが出遅れたノリスをも料理して11番手にポジションアップし、さらにアルファロメオ・レーシングのジョビナッツィへのオーバーテイクも成功させてあっという間にポイント圏内に入った。
ルクレールは3周目から4周目に入るタイミングでハースF1のマグヌッセンを追い抜き、ライコネン(アルファロメオ・レーシング)にかわされたグロージャンにプレッシャーをかけていくと、あまり時間をかけずに8番手のポジションを確保。ルクレールの次なるターゲットとなったライコネンは熟練のドライビングでポジションを守りながら2秒前を行くトロ・ロッソのガスリーを追いかけた。しかしながら、マシンパフォーマンスでまさるルクレールにホームストレートで並ばれるとターン1への飛び込みで先行を許す。
さらに後方では予選でトラブルに見舞われてタイムを残せず、最後尾スタートだったサインツが快進撃を見せており、15番手につけてリカルドやさらに前方にいた数台と激しいバトルを繰り広げた。ただ、リカルドが目前にいたマグヌッセンにオーバーテイクを仕掛けたところ、タイヤをロックアップしたハースF1マシンとぶつかってしまい、フロントウイングにダメージを受ける。破損してコースに落ちたデブリをサインツのマクラーレンマシンが拾っている様子もあったが、影響は大きくなかったようでサインツは走り続けている。接触の衝撃でスピンを喫したマグヌッセンもステイアウトしており、リプレー映像を見るとリカルドの右フロントタイヤとマグヌッセンの左リアタイヤが触れたインシデントだったようだ。
緊急ピットンしてタイヤとノーズを交換したリカルドは20番手に交代し、コースオフを喫して怒り心頭だったマグヌッセンは17番手の位置でレースを続けている。この一件はスチュワードに報告され、接触を引き起こしたとしてリカルドに5秒のタイムペナルティが科せられた。
一方、先頭のフェルスタッペンは1分13秒半ばのラップタイムを刻みながらハミルトンに対するリードを2秒前後に保つ。時折、ハミルトンがペースアップすることもあったが、路面温度がこれまでの2日間より大幅に上昇しているとあって、どのドライバーもタイヤをケアしながらプッシュすることに集中した。ベッテルはトップ2から遅れ始め、20周目に入る頃にはフェルスタッペンから7秒、ハミルトンからは5秒以上離されていた。
上位勢で最初に動いたのはメルセデスだ。ハミルトンをピットに呼び入れ、別のソフトタイヤを装着してコースへと送り出した。アンダーカットに打って出たハミルトンだが、やや渋滞した場所に戻ってしまい、次のラップでピットインしたフェルスタッペンの前に出るのは難しいかと思われたが、フェルスタッペンと同じタイミングでピットに入っていたウィリアムズのクビサがピットレーンを通過していたフェルスタッペンの目前に入ってしまい、危うくピットウオールにぶつかりかけたフェルスタッペンはクビサに頭を抑えられる格好となり、ピットレーンの速度制限が外れた頃にはハミルトンがすでに先行していた。
それでも、一気にペースを上げたフェルスタッペンはあっという間にクビサを抜き去り、戦略の異なるルクレールを追い抜いた際にふらついたハミルトンをオーバーテイクしてポジションを取り戻す。ハミルトンもトウを使って再びリードを奪おうとしたが、最終的にフェルスタッペンが前を取っている。
フェルスタッペンとハミルトンが激闘を展開する中、ラップリーダーだったベッテルが最初のピットストップを完了し、ミディアムタイヤを履いて隊列に戻る。ボッタスはハード、アルボンはミディアムを第2スティントに選び、トップ2のフェルスタッペンとハミルトンがソフトタイヤを履いていた。
レースが折り返し地点を過ぎたタイミングでフェルスタッペンとハミルトンは3秒差、ハミルトンから3番手のベッテルまでは9秒以上のギャップがあり、さらに約9秒後方にボッタス、アルボンはボッタスから5秒遅れ、そこから12秒ほど後ろにルクレールが控える状況だった。
ハードタイヤを履くボッタスはマシンが安定しないようでライバルよりも0.5秒ほどペースが遅く、風の情報を教えてほしいと尋ねたピットウオールからは「もう1台も似たような状況だ」との答えが。ライバルのレッドブルもフェルスタッペンから同様のメッセージを受け取っており、コース上のドライバーたちは風に手こずっている様子だった。
フェルスタッペンが42周目に入った後、ボッタスがピットに向かってタイヤを交換。後方とのギャップを踏まえてもう1セットを投入することにしたようで、ハードから新品のミディアムタイヤに履き替えて最終スティントをスタートさせている。ボッタスはルクレールに5秒遅れの6番手でコースに戻り、セクターのファステストタイムを刻んで1分10秒台のファステストラップをマーク、ルクレールとの差がこれで一気に2秒以下まで縮まった。
ボッタスから2周遅れてハミルトンも2度目のタイヤ交換を完了し、新しいミディアムタイヤを選んでピットアウトした。これに対してレッドブルも素早く動き、フェルスタッペンもミディアムの新しいタイヤセットを履いてコースに向かう。接近戦に変わりはないものの、今回はフェルスタッペンが少しの余裕を持ってハミルトンの前をキープしており、周回遅れのマシンに対応しながらレースを進めていった。
ハードタイヤのルクレールに攻撃を仕掛けるボッタスはコーナーでインを突いたり、ストレートでサイド・バイ・サイドに持ち込んだりしたものの、ルクレールがうまく防御してポジションを死守。ルクレールのペースに付き合うことなく加速したいボッタスだが、なかなかチャンスを作れずにいた。
また、1ストップ戦略を狙っていたベッテルは後方から1.5秒ほど速いペースで迫ってくるフェルスタッペンとハミルトンを抑えきれないと見て、50周目に入る手前でピットに飛び込んだ。次の周回ではアルボンが2回目のピットストップでベッテルと同じソフトタイヤに履き替えている。
ルクレールを追いかけるボッタスのリアに若干の白煙が確認されたのは52周目のこと。接近戦が長引き、エンジンがオーバーヒートしてしまったようで、最終的にパワーを失ってマシンを止めることになった。メルセデスマシンはターン4の内側に停車したため、この区間に黄旗が振られていたが、2周後にセーフティカーが出動する。
メルセデスの無線では「フェルスタッペンと逆の行動を」との指示が飛び、フェルスタッペンがピットインしたことからハミルトンはステイアウトを選択。フェルスタッペンはソフトタイヤに履き替えて2番手のポジションで隊列に復帰している。さらにルクレールもこのタイミングでソフトタイヤに履き替えており、ガスリーを含む上位6台の中ではハミルトンだけがミディアムを履き続けていた。
周回遅れだったドライバーたちが周回を取り戻して隊列が整えられた後、59周目の終わりにセーフティカーが解除されることになり、リスタートを前にハミルトンが大きく減速したため、ほぼ20台すべてが団子状態となる大渋滞が起きる。なんとか整列してレースが再開されると、ハミルトンに対してフェルスタッペンが、ベッテルに対してアルボンがターン1のアウト側からオーバーテイクを仕掛け、レッドブル勢がそろってポジションを上げた。4番手と5番手に並んだフェラーリ勢もベッテルとルクレールがチームメイト対決を繰り広げるなど、再開直後のラップでは各所で激しいポジション争いが展開されている。
ベッテルはポジションを取り戻そうとターン1でアルボンにプレッシャーをかけていったが、タイヤをロックアップしてしまい、アルボンが3番手を守った。その後、ルクレールに差をつめられたベッテルは一度、ポジションを譲った後、トウを得てサイド・バイ・サイドに持ち込み、ポジションを取り戻しかけるも、その際、左側にいたルクレールの右フロントタイヤとベッテルの左リアタイヤがわずかに触れてしまい、ルクレールのタイヤがバーストした後、ベッテルのタイヤもパンクチャーに見舞われて、まさかのダブルリタイアを喫する事態に直面した。
フェラーリ勢のデブリを拾ったレーシング・ポイントのストロールもリタイアに追い込まれ、セーフティカー出動が発表されると、すぐさまハミルトンがピットに向かう。すでにレースは残り4周と短く、他にピットインするドライバーはいなかったが、ハミルトンはタイヤが苦しかったのかソフトタイヤに履き替え、4番手でコースに復帰。これでアルボンが2番手、ガスリーが3番手に上がり、レッドブルとトロ・ロッソのHonda勢3台が表彰台圏内に入った。
セーフティカーが解除されたのはラスト2周。なんとか3番手を守りたかったガスリーだが、リスタートでハミルトンにかわされて4番手に後退する。ハミルトンが2番手に返り咲こうとアルボンにも攻撃を仕掛けていったところ、ハミルトンがアルボンにマシンをぶつけてしまい、衝撃でアルボンがスピンを喫してしまった。アルボンはハミルトンに対してスペースを与えていたように見えたが、ハミルトンに焦りがあったのか、接触でフロントウイングにダメージを受けたハミルトンもすぐには体勢を戻せず、そのスキにガスリーが2台を追い抜いている。アルボンは数秒後に追いついた多くのマシンが通過するのを待たなければならず、15番手まで後退を強いられている。
ファイナルラップで逃げ切りを試みたガスリーは、ダメージを抱えたハミルトンを懸命に抑え込み、最終コーナーではほぼ並びかけられたものの、鼻差で先にチェッカーフラッグを受けて2位フィニッシュを成し遂げた。マシン半分の差でゴールしたハミルトンはアルボンとの一件がレース後に審議され、接触の責任を問われて5秒のタイムペナルティを受けている。
結果、フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを飾ったブラジルGPはガスリーが2位、3位には20番手スタートのサインツが繰り上がり、ガスリーとともにキャリア初の表彰台をマークした。ライコネンとジョビナッツィのアルファロメオ・レーシング勢が4位と5位でダブル入賞、序盤に最後尾まで後退していたリカルドが6位につけ、ハミルトンが7位、他にノリス、ペレス、クビアトがポイントを手に入れている。
12位でゴールしていたヒュルケンベルグがリスタート前に他車をオーバーテイクしたとしてレース後に5秒のタイムペナルティを受けたため、アルボンは14位完走となった。
やりましたね!
ホンダPU勢の1-2フィニッシュ、アルボンもハミルトンとのインシデントがなければ、1-2-3も
可能ではなかったではないでしょうか、またクビアトも10位につけています。
最終戦のアブダビも、ホンダPU勢にとって良い結果を期待しましょう。