第13回定期大会を開催
ATUは9月25日、ATU結成10年の節目に当たる第13回定期大会(臨時大会2回含む)を開催しました。大会では、委員長のあいさつの後、16年度活動総括案、決算、17年度活動方針、予算案が執行委員会から提案され討論が行われました。複数の新しい組合員を迎えてての大会になりましたが、討論ではATUを大きくしていくためにどのような活動をしていくのかをめぐって様々な意見が出されました。労働相談は有効な手段であるが、まだまだ広く知られていないのが課題で、情宣活動の工夫とインターネットを駆使して活用することなど議論しました。そして最後に再任された若月委員長の方から、この大会で出された意見にふまえ、執行委員会を中心にして組織一丸になって次の10年の飛躍を勝ち取っていこう、との結語があり、大会を締めくくりました。
10周年記念パーティーも開催
大会終了後、会場を移して『ATU結成10周年記念パーティー』を行いました。パーティーにはこれまで関わっていただいた多くの来賓の方に出席いただきました。パーティでは、まず若月委員長から、10年にわたっての各方面からのご支援への感謝とともに今後の闘いへの決意が述べられました。
その後、豪華な(?)料理を食べながらの歓談の中で、来賓の方々からの挨拶を受けました。これらの挨拶を通じて、10年にわたるATUの闘いの意義と、ATUへの期待の大きさを感じ取ることが出来ました。最後に、当日参加したATU組合員全員が前に立ち、若月委員長から紹介を受け、一言ずつ決意を述べ10周年記念パーティーを終了しました。また10周年記念誌『トヨタと闘って―10年の歩み』を発行し、参加者に配布しました。
委員長のご挨拶文紹介
全トヨタ労働組合結成10周年を迎えて
全トヨタ労働組合 執行委員長 若月 忠夫
今日まで関わり支えてくれました、すべての皆さんに心から感謝とお礼を申し上げます。
全トヨタ労働組合は、2006年(H18)1月22日に産声を上げてから今年(2016年)で10年を迎えました。
「トヨタ・関連企業で働くすべての労働者の皆さん・・・・」ではじまる「結成宣言」はトヨタ関連で働く23万人余の皆さんに呼び掛けたものです。
トヨタ系企業内には、企業の支配介入がおよぶ企業内組合が存在しております。なぜ新たに労働組合を立ち上げなければならなかったのか、大きな労働争議があったわけではありません。
企業内組合は「働く者の生活と権利」を守ることや、困っている労働者を救済するどころか、会社と一体となって労働者を過酷な「長時間過密労働」に駆り立てている現実があり、職場の仲間は会社のために疲労困憊でも働き続けなければならず、自らの生きる力を失い「カローシ」や「じさつ」の道を選ばなければならない仲間が多数存在するのです。
また、雇用形態の破壊で正社員が当たり前の雇用から、低賃金でいつ首切られるかわからない不安定雇用の非正規労働者が職場にあふれる現象に激変してきました。
労働組合たるものが組合員を犠牲にしてまでも、企業の利益第一主義を手助けする方針を見て私たちは黙って見過ごすわけにはいきませんでした。そんな思いを持つ仲間が企業の枠を超えて議論し、あるべき姿をさぐりたどり着いたのが、ユニオンショップ制で強制加入の労働組合でなく、自ら自由に選択できる労働組合であり、「働く者の生活と権利を守る」ことに真剣に取り組む「本当の労働組合」を創ることだったのです。
そして10年、全トヨタ労働組合は職場にこそ要求があり闘いがある、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」を理念に歩んできました。何ができたのか、2006年トヨタ社員(内野)の過労死労災認定裁判を支援し全面勝利をしました。また2007年には、デンソー社員が「病気になり会社を休職したのは会社に責任がある」と損害賠償裁判を全面支援して勝利して、入・退門時間の管理、残業時間の制限、復職支援の充実などを会社に実行させました。
職場復帰はできませんでしたが和解勝利したのが、2009年に、ジェイテクト社員が「病気になったのは会社に責任があり、休職満了で首を切るべきでない」として地位保全裁判を全面支援して支えてきたこと、そして2010年には、アイシン機工社員の「地位確認」「労災認定」の2つの裁判も全面支援で闘い支えてきました。いずれも企業内労働組合は組合員なのに「個別問題は取り組まない」などと、にべもなく突き放し精神的苦痛を与えたのです。こうした労働者を組織的に支えてきたのが全トヨタ労働組合です。これからも理念を肝に銘じ、労働者と社会に頼れる労働組合として働いてまいります。ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。