独立行政法人 労働政策・研修研究機構(JILP)のディスカッションペーパーで「日本の労働組合は役に立っているのか?―組合効果の計測―」という興味深い研究業績を公表しています。
その前書きによれば
「本稿の研究目的は、日本の労働組合に、賃金や雇用保障などの非金銭的な労働条件に対して組合効果があるのかを、2000 ~ 2003年の労働者マイクロデータを用いて計量的に明らかにすることです。
OLS分析の結果、賃金については 17%の組合プレミアムがあることが示されました。また、DiNardo, Fortin and Lemieux の要因分解を行った結果、組合セクターの賃金決定メカニズムは、賃金分布を圧縮させる役割を果たしていることが示唆されました。さらに、雇用保障や福利厚生などの非金銭的労働条件に対しても、組合はプラスの効果をもつことが明らかにされました。
以上から、2000 ~ 2003年というデフレ下において、日本の労働組合は、労働条件の全般的な改善に寄与していたと結論付けることができると考えられます。」
と述べています。
執筆担当者は
川口 大司 一橋大学大学院経済学研究科 助教授
原 ひろみ 労働政策研究・研修機構 研究員
です。
本文は以下アドレスを訪問してください。
http://www.jil.go.jp/institute/discussion/2007/07-02.htm