泪で綴る企業戦死
まるでこれは戦争犠牲者だと思った。「私の中で今、生きているあなた」のタイトルで、8日から10日まで名古屋国際センターで、働きすぎによる過労や上司によるパワハラが原因で命を落とさざるをえなかった50人の遺書・遺族の手記展示が開催されている。この中で、トヨタ自動車の事例として、社員であった内野健一さんはじめ3事例が紹介されていた。
高度経済成長の一方で健康が破壊され、10年連続で自殺者3万人を超えるなど生存権さへ侵されてきました。展示で紹介されている50例は、いずれも企業戦士で、優秀な人材を失った企業(社会)にとっても大きな損失だと思うのです。
以前、鹿児島県の知覧をたずねて、特攻隊員の遺書・遺族の手記を展示している「平和会館」を拝見したことがあります。そのことが思い出され、ダブりました。涙が出てくるのです。
これは戦争だと瞬間感じました。この戦争を誰かが止めなければならない、そんな思いで「働く者のメンタルヘルス相談室」のみなさんが企画されたのだと思います。
労働組合の存在意義実感
全トヨタ労働組合の一員として、労働組合の果たさなければならない役割を認識したしだいです。その意味で、10月30日に名古屋地裁で勝利判決を勝ち取ったデンソーKさんの損害賠償裁判は意義のあるものでしたし、Kさんに、全トヨタ労組の存在の大きさも評価していただきました。
これからも、労働組合の社会的責任を自覚して、救済するだけでなく、予防対策にも力を入れて行きたいと思います。