22春闘 分裂を許さない
トヨタ労組、職種・職位別要求へ
2022年春闘では、トヨタ労組は平均賃上げ要求を廃止し、職種(事技職や技能職など)や職位(職能等級)ごとに賃上げ要求額を会社に提出するとしてします。彼らは「組合員に取って、要求水準がわかりやすくなる」と言っていますが、人事制度がトヨタとは違う他の企業の労組にとってはトヨタとの比較が出来ず賃金格差が「見えなくなる化」されることになります。
経営者の思うつぼか
トヨタの労使は数年前から、「賃上げ相場形成役を降りる」として、非正規社員を含む全組合員の平均賃上げ額を発表するだけにしてきました。こうすることによってトヨタと下請け各企業との賃金格差を覆い隠し、下請け諸企業の労働者に低賃金を強いてきたのです。今年はこれを一層徹底しようとしています。
全トヨタ労連、賃上げ要求の「目安」示さず
そしてこのトヨタ労組の動きを受けて、全トヨタ労連は目安となる「統一的な賃金要求は掲げない」としています。トヨタ労連傘下の各労組は、統一した指標のないままに、各労組がバラバラに、各企業の実情に応じて要求せざるを得なくなっています。トヨタのEV化への全面的なシフトに対応するために下請け各企業は生き残りに必死になっています。しかもトヨタからの納入単価によって収益もコントロールされています。このような状況で会社の言い分に従ってしまえば賃上げは極めて厳しいものになります。
大幅な賃上げを勝ち取ろう!
けれども私たちの賃上げ要求は、会社の収益状況ではなく、私たちの生活の維持・改善を出発点にすべきでしょう。トヨタ労使による春闘破壊に抗して、各組合から賃金引き上げを目指していきましょう。