キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

アンサンブル演奏会

2012年02月12日 | Weblog
会社の後輩に招待されて、アンサンブルの演奏会に行ってきた。

京王井の頭線沿い、永福町という駅から続く商店街の一角に、とってもこじんまりとした白塗りの室内楽演奏ホールがあった。
中は学校の教室の半分くらいの大きさだろうか。
室内楽の演奏会は初めてなのでこれが普通なのかもわからないが、イメージしていたのよりもずっと小さく感じた。

会社の後輩も所属する楽団は、オーケストラが本来の形式なのだそうだが、たまにはアンサンブルもやりたいという楽団員の意見から、今回の演奏会が決まったという。
ちなみに、アンサンブルとは二人以上で演奏するもののうち、オーケストラ以外のものの総称だそうだ。

クラッシック音楽って、現代の僕らが聴くことと、昔(クラッシック音楽が、クラッシックでもなんでもなく、まさに音楽の最先端だった時代)の人が聴くことでは意味が随分違っていたんじゃないかと、ふと思った。

現代では、テレビ、街角、お店の中など、あらゆるところで音楽があふれていて、音楽を聴かない日はないくらいだ。
それに比べて、テレビもレコードもラジオもなかった時代、人々はどうやって音楽を聴いていたんだろう。
お祭り、祝い事、演劇、農作業、わらべ歌、それくらいしか歌や音楽を聴く機会は想像できない。
そんな中で、西洋の宗教音楽に端を発し、宮廷音楽として発展していったクラッシック音楽は、当時では最先端音楽、一般の人では聴くことのできない超高級な音楽だったんじゃないかと想像する。
音楽といえば人の歌、楽器がついたとしても簡単な笛や打楽器くらいしか聴いたことのない人々が、ピアノやバイオリンの音色を聴いたらどれほど驚くか。
さらに、それらが複雑に重なり合ったアンサンブルを聴いたら、ましてやオーケストラを聴いたら・・・おそらく神の音楽とまで思うんじゃないだろうか。

ラジオやレコードがなかった時代、それら最先端の音楽が民衆に届けられる術はなく、限られた特権階級だけの贅沢だったんだろう。

そんな音楽を現代はこんなに手軽に聴くことができて、昔の人はどれだけ羨むことか。
でも、ロックもポップも様々な音楽が溢れる今の世の中、クラッシックは最先端の音楽ではない。
ぼくらにしても、そこに感じる驚きや感動は、昔の人とは違う種類のものじゃないか。

そんなことを考えながら、でも心地よい調べに少し眠くもなりながら、素晴らしい時間を過ごさせてもらった。