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写真好きの建築女子が綴る、日々のあれこれ!

茨城県無形文化財の西ノ内紙で紙漉き体験

2019年06月03日 | 大人女子のカルチャー・アンテナ
先日、和紙を住宅の内装に使った建物見学会に参加してきました。
建築女子の皆さん、とっても熱心です。



築26年経っていますが、壁紙は張り替えていないのにクロスのように黄ばみません。



最近、直した箇所が畳のへり。紙布(しふ)と呼ばれる紙糸を材料として、織り上げた布です。
なんとも斬新な色にうっとり。最初に使ったものは、淡いピンク色になっていましたが、今年はへりを張り替えてみたそうです。


住宅に使われている紙は、地元、茨城の常陸大宮市で作られている西ノ内紙です。
今回の住宅では、白・青・緑・黄・赤(ピンク)の5色が使われています。トイレなどには黄色やピンクの紙が、アクセントとして使われていました。

西ノ内紙は水にぬれても墨が散らず、乾けば元通りに使えるという丈夫さから、かつて大福帳に使われていたそうです。その理由ですが、火事の多かった江戸時代、大福帳を火事で失っては大変。
もし、火事になった場合は、井戸に投げ入れその後乾かせば、墨に散らずに元通りになり、大福帳の明細を失わずにすむわけです。

これらの用途に大きく貢献した西ノ内紙は、水戸藩が専売制をとり、大事な資金源になっていたそうです。
(パンフレットで知りました)


さて、いよいよ紙漉き。
まずは、紙漉きの前に、材料や工程についての説明を。

原料の自家栽培の楮(こうぞ)


乾燥されたものを水に漬けやわらかくし、不純物を手作業で取り除きます。
その後、専用の歯車のついた機械で細かく裁断されます。

さらに、紙をつなぎ合わせる役目の「ねり」といわれるトロロアオイが混ぜられます。
これが、トロロアオイの根っこです。天然のこのねばりは凄そうです。



細かな工程は、是非ホームページで。




小さいサイズの簀桁(すけた)でいよいよ紙漉きにチャレンジ。
今回20名の参加でしたが、そばで動かし方を指導してもらいながら各自、一枚ずつ紙を漉きました。
どんな紙が出来上がるのか、送ってもらうのが楽しみです。

茨城県の無形文化財として、紙の歴史を知るよい機会となりました。
また、住宅の内装としてクロスではなく、すべて天然素材で作られている和紙を使うという選択肢も考えてみたいですね。


西ノ内紙 紙のさと
コメント
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