アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

クレマチス、タイサンボク - 白花

2021-06-14 17:41:44 | みんなの花図鑑
愛知県緑化センターで出会った大輪白花をふたつ。


クレマチス

クレマチス(Clematis)は キンポウゲ科 センニンソウ属の属名です。



なので、センニンソウ属と呼ばず、クレマチス属ということもあります。



テッセン(鉄仙)およびカザグルマ(風車)はクレマチス(センニンソウ属)に属する種の名前だが、園芸用のクレマチスを指して「鉄仙」や「カザグルマ」の名が使われることもある。」



上の3つの学名は
 テッセン Clematis florida
 カザグルマ Clematis patens
 センニンソウ Clematis terniflora
となっています。
また、一概にそうとは言えなくもないと思いますが、簡単に
「中国の野山に自生していたのが「てっせん」で花弁は6枚です。
 日本の野山に自生していたのが「かざぐるま」で花弁は8枚です。
 クレマチスはそれを海外で園芸的に交配してキレイな花が咲くように改良したものです。」
という整理の仕方もあるようです。




タイサンボク

高いところに咲いているので、コンデジのズームで撮っています。



タイサンボクは北アメリカ原産のモクレンで、
学名は Magnolia grandiflora(意味的には 大輪マグノリア かな?)



「タイサンボクを見るたびに、こんな葉を持つ木はどんな環境に生えているのだろうと考えてしまいます。日本の樹木にはタイサンボクほど硬い葉をもった木はあまりないように思います。ウバメガシの葉は硬いのですがタイサンボクのように大きくありません。タラヨウは大きくて分厚い葉をもちますがタイサンボクほどクチクラ層が発達しておらず、また葉の裏にも毛がありません。」(身近な樹木のガイドブック・大阪百樹「タイサンボク」)



別のところに、頭の上くらいのところに咲いている木がありました。



一眼レフを片手で持ち上げて、勘を頼りにシャッターを押します。



タイサンボクの花は開花一日目は 上の雌しべが活動し、
2,3日目は 下の雄しべ(今は皆落ちてしまった)が活動して終わります。
花の生涯は短いです。





ザクロ - 今度こそペルシャから

2021-06-14 09:08:52 | みんなの花図鑑
直前の投稿で 、ハルシャギクの「ハルシャ」は「ペルシャ」のことらしいが、原産地は北アメリカということで、なぜ「ペルシャ」となったのかよく分からず有耶無耶(うやむや)になってしまいました。


ザクロ(愛知県緑化センター樹木園にて)

ザクロの原産地はペルシャがそのひとつであることは確実なようです。

「原産地であるイランからシルクロードを通って中国やヨーロッパに伝わり、日本へは平安時代に渡来したといわれています。」(果物ナビ > 果物図鑑 > ザクロ)



以下話題は、ザクロの花ではなく ザクロの実の話になりますが、お許しください。
ザクロといっても、産地によりその大きさや味に違いが出てきます。
私は ダマスカス(シリア)のスークで 手のひらいっぱいの大きなザクロの実を見つけ、買って食べたことがあります。これがたぶんイラン産ザクロだったのだろうと思います。
というのもダマスカス郊外の農園でも ザクロの木をよく見たのですが、スークで売られていたのほど大きくなかったので。



イラン産のザクロは日本のザクロに比べて「実が大きい」です。

「それは気候が大きく関係しています。
 海が近く雨が多い地域では、土壌の水分量が多いため、ザクロが熟れて皮が堅くなる前に果実が成長してしまい、栄養分が十分蓄えられないまま皮が耐えられずに実が割れてしまいます。
 これが日本で実が割れたザクロをよく見かける理由です。」(nini > Topics > Column > 日本人が知らない、イラン産ザクロの素晴らしさ)




斑入りザクロ(安城デンパーク・花木園にて)

日本に来ているイランの人たちは 日本のザクロを見て「見た目も、中身も、全く別の果物と言って良いほど異なっていた」(同上)と驚くそうですが、私も想像できます。



「砂漠と高原が多いイランは、乾燥した長い夏の気候(5月~10月)があり、昼間は灼熱の暑さですが夜は涼しくなります。
 1日の寒暖差が激しく、これらの条件をすべて満たしているので、美味しいザクロの生育条件にピッタリなのです。」(同上)




「イランの気候は非常に乾燥していて土地に水分が非常に少ないため、ザクロの木は生き延びるために地面に深い根を張り、時間をかけて最大限の栄養を吸収しようとします。」
「さらに、標高の高さと厳しい冬の寒さに害虫もつくことができず、一切農薬を使う必要がありません。」
「その結果、皮が薄く、果実は十分に大きくなり、果汁も十分、種も小さく、栄養たっぷりで丸ごと食べることができるイランにしかない奇跡のザクロになるのです。」(同上)




「丸ごと食べる」って!
ザクロはタネばかりだから、食べるというよりしゃぶりついて種は吐き出すしかないでしょ?!
いいえ、ペルシャのザクロは種も丸ごと食べられるのだそうです (^_-)-☆

「イラン産のザクロはその理想的な生育条件から、ザクロの粒(種衣)の果汁が豊富で種が小さく柔らかいので、種まで美味しく食べられます。

イランの子どもは、ザクロを食べて種を吐き出そうとすると両親からひどく叱られます。
イラン産のザクロは、その種に最も美容や健康に良い栄養成分が含まれているからなのです。

イラン産のザクロが運良く手に入った場合は、必ず種まで食べるようにしてください。」(同上)

そういえば、シリアの人たちも ザクロの実と サボテンの実も 種ごと食べていたなぁ (´v_v`)