アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

樹に咲く花 (67) ネムノキ

2021-06-19 20:11:08 | みんなの花図鑑

6月16日、柳川瀬公園(豊田市)で撮ったネムノキです。
沢山のネムノキがありますが、たいていは手の届かないところで咲いていますので、最後の2枚を除き、コンデジのズームで撮ったものです。



ネムノキをネムノキらしくしているのは 先のほうがピンクの雄しべの集団です。



ネムノキの花は雄性先熟です。雄しべが先行して成熟し花粉を出します。



基部が白く先が赤くなっており先端に丸い小さな葯が付いている雄しべは、約30本あるそうです。




先がピンクの雄しべの群れの中から 先まで白い糸が伸びています。これが雌しべです。



花粉を出した雄しべが萎れてくると、今度は雌しべの活動期です。



ネムノキは頭状花序といって たくさんの小花が集まって頭花を作っていますが、すべての雌しべが 蜜を出して虫を呼んでいるわけではないようです。




背後はマレットゴルフ場の築山?です。
この花も 別の築山?から一眼レフで撮りました。
たくさんの小花が集まって頭花を作っていますが、よくみると、家事の中心付近に、途中まで筒になっていて、高いところから雄しべを放射状に伸ばしている小花があります。



これが 頂生花 と呼ばれる小花で、この花の基部からだけ 蜜がでているといいます。
白い筒を作っているのはおしべです。

増補版・ノウゼンカズラ - 5本目の雄しべ

2021-06-19 18:10:55 | みんなの花図鑑
きょうはちょっと枚数多いです、すみません。
2つのノウゼンカズラ属を一挙掲載。
18:10〔5本目の雄しべの画像を追加ました 〕


アメリカノウゼンカズラ

こんな画像をトップに持ってきたのは、偶然、虫が写りこんでいたから。
撮っているときは 花のほうに意識を集中してたので、気が付かなかった。
場所は、とあるサイクルショップのエクステリアで、日よけ棚に アメリカノウゼンカズラを這わせてます。



ここからは 毎年撮っている 保育園のフェンスのアメリカノウゼンさん。わたしの基準木です(^^♪
アメリカノウゼンカズラは ノウゼンカズラ科のノウゼンカズラ属。
トランペット型の花で、萼まで赤いです。
[英名] trumpet creeper , trumpet vine (三河植物観察「アメリカノウゼンカズラ」)



花弁の頭が閉じています。これから花開く直前??



ラッパの先は5つの割れています。5弁花なんですね。
花弁の中には めしべがパックリ口を開けて・・・
おしべのほうは 2対あり、長めの1対と短めの一対・・・あれ? 合計4本、ですか??
花弁と数が合わないですね。





ノウゼンカズラ

ここからは ノウゼンカズラ。
中国から(平安時代に?)渡来しました。
平安時代の中国は 唐の時代でしょうか?
だから 区別のためには トウノウゼンカズラ、あるいは シナノウゼンカズラとか呼んだほうが良いのかも。




wiki 「ノウゼンカズラ」の記事には

「花の形がトランペットに似ていることから英語では「トランペット・ヴァイン」(trumpet vine)・・・云々」

の説明がありますが、これは「アメリカノウゼンカズラ」のことで、おそらく誤解と思われます。
trumpet vine で画像検索してみてください。アメリカノウゼンカズラの画像しか出てきませんよ(´v_v`)



アメリカノウゼンさんのほうは 一か所から ファンファーレするように横向きの花でしたが、こちらは 誤解を恐れず楽器に例えれば 琵琶 の雰囲気です(^^)/




垂れさがったツルから、つぎつぎと上向きの花を咲かせます。
上向きに咲いた花の宿命で、雨が降ると筒のなかに雨水が溜まります(^-^;💦


先ほど アメリカノウゼンのほうで見たのですが、産地こそ違え、やはりノウゼンカズラ科、同じような花蕊が付いています。
「雄しべは4本で、中央の雌しべの柱頭は2つに分かれ、まるで開いた唇のようです。」(植物雑学事典「ノウゼンカズラ」花)



「雄しべは4本」・・・
4本といっても、長い雄しべが1対、短い雄しべが1対で、合計4本。
どこにも問題ないと思います?!

英語でいうと It does not matter ですか?



〔よこ道です〕
アラビア語で 「虫けら~」という表現があります。もちろん正確な発音はそうではないのですが 私には「虫ケラ~」と聞こえるのです。何か社会通念に反することをして周りの人が「問題だな~」というとき「虫けら~」といいます。それに対して 非難されたほうは「無視、虫けら~」と応酬します。「むし、虫けら~」は「問題ない」の意味なのです。

ついでに、
アラビア語で「日本人」のことを 「野蛮人(やばンにぃ)」といいます(と聞こえます)。
ダマスカスの街を歩いていると、絨毯屋のおやじさんがいきなり飛び出してきて
「おまえは 野蛮ニーか?」
と聞くのです。
「そうだけど?」とドキドキしながら答えると
「ヤバニー ナンバーワン」
とエールを送ってくれるのです (^^♪



〔先を急ぎましょう〕
下にはたくさんノウゼンカズラの花が落ちています。
ひとつ拾ってみます。驚くべきことに、萼とめしべまで一緒に落ちています。
「花が落ちる」と言っても、ふつうは 用済みとなった 雄しべと花弁だけなのですが・・・



自転車のサドルに乗っけて観察しています。
雌しべと萼の部分は 触っただけで 分離されました。
花弁のほうは 雄しべを観察するために 一枚剥いでみました。



そうすると、見えてきました!
なにが?
5本目の雄しべが!




短い雄しべのさらに下のほうに、先に葯が付いてなく、ただ針のような花糸がいっぽん横たわっています。



5本目の雄しべはどんどん退化(進化)しています。やがて無くなってしまうでしょう。
萼も5裂、花弁も5裂、そして おしべが5本。
ノウゼンカズラは きれいな 5数性の花 でした。