アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ツバキの北限は日本 (japonica)

2022-01-17 07:00:00 | みんなの花図鑑
ヤブツバキ

日本でツバキといえばこのヤブツバキのことで、
日本最古の観賞用花木あるいは代表的な茶花であり、
ヤブツバキの学名も  Camellia japonica
であるところから、ツバキといえば日本が中心みたいな分布の仕方をしている気がしてきます。




が、実際は
ベトナムツバキ、タイワンツバキで見たように
ツバキ科の分布はアジア東南部温帯~熱帯に約200種、
とくに中国南部~ベトナム北部に自生種が多く、
日本はツバキの分布の北限に当たります。
日本と言っても、主たる分布域は西日本です。
〔参考〕ヤブツバキの分布図(植物社会学ルルベデータベースに基づく植物分布図)




ではなぜ学名に、分布の中心でない日本がついているのかというと、
名付け親であるリンネさんの思考回路にあったようです (^^ゞ
〔参考〕「"椿(つばき)"という名前の由来」




寒ツバキ

赤い花だけ見てると、上のヤブツバキとどう違うのか、はっきりしないのですが、
ツバキの園芸種で、サザンカとツバキの種間交雑園芸品種と考えられています。
花弁と雄しべが合着しているのはツバキ由来です。
花弁が一枚ずつハラハラと散るのはサザンカの性質によるものです。
名前はツバキだけれど、どちらかというとサザンカの一種として扱われることが多い寒ツバキです。




サザンカの学名は Camellia sasanqua(カメリア・ササンカ)
寒ツバキの学名も Camellia sasanqua Kantsubaki (みんなの花図鑑による)
となっています。
ただし、寒ツバキの学名はいろいろあります。

Camellia × hiemalis (庭木図鑑 植木ペディア)
Camellia hiemalis Nakai (【かぎけんWEB】)





あと、昨年の安城デンパークでのツバキ展の園芸品種を少しだけ再掲しておきます。


園芸品種 '港の曙'




ツバキの園芸種「関東月見車」とルチエンシス(ヒメサザンカ)の交配種で、桃色地に底白ぼかしが入る、一重咲き、猪口咲き、極小輪、多花性のツバキです。



Camellia japonica 'Masterpiece'(マスターピース)

白色 千重咲き 大輪


アメリカで作られた品種





ツバキ 園芸品種 名前不詳







Camellia cv.(ツバキ 園芸品種)なんですが、「軟風ではない」とメモ書きしてあったツバキです。
今年も2月になれば ツバキ展見れると思うので、名前が分かっていると嬉しいです。




交配ツバキ 'フラワー・ガール'




デンパーク・コレクションのひとつで、
以下のような解説版が置かれてました。






ツバキ '薩摩紅'



Camellia japonica 'Satsuma-kurenai'




ツバキ 'Katie'

花弁がサーモンピンクで、八重化していますが、黄色い雄しべがしっかり残ってます。

Camellia japonica 'Katie'




ツバキ '金華美女'

千重咲き 大輪
豪華な花弁で、もはやおしべが見当たりません。



2012年に中国雲南省から日本に導入された椿ということです。