

どこにでもあるノアザミです。ノアザミはキク科の花です。
キク科の花には特徴があって(サクラやウメは周囲が花弁、中心にシベがありますが) 頭花がたくさんの小花の集合で出来ています。サクラやウメでは、つぼみのとき花弁や蕊の赤ちゃんを覆っている器官を萼といいますが、キク科の花ではたくさんの小花の赤ちゃんをまとめて(総じて)包んでいる器官を総苞 と呼んでいます。
ただキク科といっても3つのタイプ(亜科)があって、ノアザミはアザミ亜科の花なのですが・・・
アザミ亜科の特徴を説明する前に、一番種類が多いキク亜科から説明しますと・・・

キク科の3つの亜科のうち、いちばん多いのはこのキク亜科の花です。
上にいくつかキク亜科の花を示しました。キク亜科の頭花の特徴は中心に筒状花といってシベの目立つ小花の集合があり、周囲に花弁の目立つ舌状花という小花の集合で出来ているということです。
それに対し、アザミ亜科の花は頭花のすべてが筒状花だけで構成されているという特徴があります。


ですから、アザミの花には周囲の花弁のようなひらひらした部分がないので、このような花瓶のような恰好をしています。
第3のタイプ:タンポポ亜科
頭花のすべてが筒状花だけでできている花があるなら、頭花のすべてが舌状花で出来た花もありそうと想像ができます。

タンポポ亜科の花は頭花のすべてが舌状花で出来ています。舌状花は花弁の1枚が肥大化した花です。これが周囲だけでなく中央付近からも花弁が伸びているのです。


たくさんある小花はひとつひとつが独立した花冠をもっています。花冠の先は星形に裂けて開いています。


そして花冠の中から黒っぽいマッチ棒のような器官が伸びています。これが雄しべが合着して出来た雄しべ筒で、中には花粉が入っています。

花冠の中から雄しべ筒が伸びているところを拡大してみています。雄しべ筒の先端に白い部分がありますがこれが花粉です。この花粉を雄しべ筒の中に入っているめしべ棒が上へ伸びるときに外へ押し出すのです。

花粉を押し上げた めしべ棒(雌しべの花柱)はやがて成熟して先端を2つに割り柱頭(受粉器官)を開きます。
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