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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ウツギ、ヒメウツギ - 雄しべのかたち

2020-06-19 14:07:43 | みんなの花図鑑
ウツギ、ヒメウツギ、マルバウツギは ウツギ三姉妹と言われ、雄しべが独特のかたちをしています。
今日は ウツギと 仲間の ウツギ・マジシェン、そして ヒメウツギの 雄しべのかたちを観察してみます。

ウツギ

ウツギは 「卯の花」のことで、 かつてはユキノシタ科、今は アジサイ科に分類されています。
これは 愛知県緑化センターで6月11日撮影した 雨に打たれるウツギです。




ウツギは 5弁花で 平開しないまま 花弁や雄しべが落ちることもよくあります。 落ちた後は、子房の上に長い雌しべだけが残ります。




雨の日、 落ちた雄しべが 葉の上に載っていますので、 これを見ると 雄しべの形状が観察しやすいです (^^)/
見られるように、ウツギの雄しべ(の花糸)は 扁平です。 ヒメウツギも マルバウツギも このように扁平で 翼がついています。




一番上は花弁ですが、その下の雄しべの形状を見ると、 扁平で 翼の最上端(花粉側) はやや尖って突き出しています。

一般的には
「花糸の翼の形がウツギ、ヒメウツギ、マルバウツギでそれぞれ違う。ヒメウツギでは、翼の上端が角(ツノ)のように突き出している。ウツギはほぼ四角であり、マルバウツギではなで肩になっている。」(松江の花図鑑「ウツギ」より)

ということになっていますが、 ウツギの花でも この写真のように 角が突き出して見える花も多々あります。




この株の雄しべも 角が突き出す形をしています。 この株は ウツギには違いないのですが、 花弁の外側に少しピンク色が出ているので ややサラサウツギに近い品種な感じがします。 (もちろんサラサウツギは八重のウツギなので 雄しべが花弁に変わってありませんが)











また別のところの ウツギ です。 この雄しべは Yの字の先っぽだけが見えているようですね


なお、雄しべではありませんが、 このような果実の残骸がいつまでも枝に残っていることがよくあります。 3本の糸のような雌しべが 果実になってもいつまでも残っているのが ウツギの果実の特徴です。



ヒメウツギ

デンパークの ヒメウツギで 「マルモラータ」という品種です。



前述の 松江の花図鑑の記述では 「ヒメウツギでは、翼の上端が角(ツノ)のように突き出している。」とありましたが...



雄しべを見てみると、 この雄しべの花糸の 肩は Y字型ではなく、ほぼ水平ですね。




同じ株ですが、翼の先端が連続して広がってフリルのようになっている花もありました (^^♪



ウツギ・マジシェン

ウツギ・マジシェンは ベニバナバイカウツギとも呼ばれるウツギですが、バイカウツギの仲間ではなく、 アジサイ科のウツギ三姉妹の仲間です。ウツギ属のロンギフォリア(Deutzia longifolia)とディスコロール(Deutzia discolor)の交雑種とされています。



やはり 雄しべの花糸は 扁平で翼がついています。



拡大してみると、 先端は(行くの終端は) 角が突き出したようになっていて、しかも 先端は 花弁蘇染めているようなピンクで縁取りされていました (^_-)-☆







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