12月15日 京都NHKNEWSWEB
アメリカンフットボールの全日本大学選手権の決勝、「甲子園ボウル」が行われ、立命館大が45対35で法政大に勝って、9年ぶり9回目の優勝を果たしました。
大学日本一を決めることしの「甲子園ボウル」はそれぞれ関西と関東の学生リーグで優勝した立命館大と法政大の対戦となりました。
立命館大は試合開始直後、攻撃の最初のプレーでキャプテンでランニングバックの山嵜大央選手が60ヤードを駆け抜け、先制のタッチダウンを奪いました。
第2クオーターには2年生のランニングバック蓑部雄望選手が密集するディフェンスの上を軽快な身のこなしでかわしてタッチダウンを決めるなど得意のランプレーで主導権を握り、31対21とリードして試合を折り返しました。
第4クオーターには法政大に一時、3点差まで迫られましたが、終盤にワイドレシーバーの仙石大選手が28ヤードのランプレーでタッチダウンを奪って突き放し、立命館大が45対35で勝って9年ぶり9回目の優勝を果たしました。
法政大はクオーターバックの谷口雄仁選手の正確なパスを中心に攻めましたが、立命館大の攻撃を止められず、関東勢として7年ぶりとなる優勝は果たせませんでした。
【立命館大 山嵜選手 “神様が味方”】
立命館大のキャプテン、山嵜大央選手は「とにかく、うれしいということばしか出てこない。スタッフも含め、全員でつかんだ優勝だと思う」と笑顔で話しました。
みずからのプレーについては「オフェンスラインが全員で頑張ってくれたので、自分は空けてもらった道を走るだけだった。先制のタッチダウンは、相手のタックルミスもありたまたまな部分もあるが、フットボールの神様が味方してくれたのだと思っている」と振り返っていました。
【道を切り開いたオフェンスラインの奮闘】
得意のランプレーで最後まで主導権を渡さなかった立命館大。
「ラン」の道を切り開いたのは、鍛え抜いてきたオフェンスラインの奮闘でした。
「1ヤードでも前へ走る」。
キャプテンでランニングバックの山嵜大央選手は試合前、甲子園ボウルへの決意をこう話していました。
山嵜選手は相手のタックルを受けても簡単には倒れない力強い走りが持ち味。
今シーズンの関西学生リーグでは53回のランで平均10ヤード以上を稼ぎ、最優秀選手を獲得するなど攻撃をけん引してきました。
そして、この甲子園ボウルでは両チームトップの合計214ヤードを獲得。
山嵜選手を中心としたランプレーで点の取り合いを制しました。
なぜそこまで走れたのか。
山嵜選手は「オフェンスラインが頑張ってくれたので、空けてもらった道を走るだけだった」と振り返ります。
ことしのオフェンスラインは、身長1メートル93センチ、体重130キロの副キャプテン、森本恵翔選手を中心にもともとパワーのある選手がそろっていました。
それでも甲子園ボウルで勝つには足りないと、この1年、「メンバーから文句が出るほどだった」と森本選手が言うほどにハードなトレーニングを重ね、徹底して鍛え抜いてきました。
特に走り込みのメニューに力を入れ、試合終盤まで高いパフォーマンスを維持するスタミナを身につけたといいます。
「僕たちが道を空けると意識してプライドを持ってやってきた。自分たちのやってきたことを証明できた」と語る森本選手の自信に満ちた表情が立命館の強さを物語っていました。
みずからの努力を信じ、最後まで攻め抜いて9年ぶりの頂点に立った立命館大。
山嵜選手は後輩たちに厳しくも愛のあるメッセージを残しました。
「すごくしんどい1年だったが、後輩たちにはことしよりも厳しい1年を過ごしてもらい、ぜひ連覇をしてほしい」。