広告などに使う商品を撮影する「ブツドリ」をテーマに、多彩な写真の表現を紹介する展示会が、大津市の滋賀県立美術館で開かれています。
「ブツドリ」はもともとは広告用の商品撮影などを指す業界用語で、会場にはそうした広告写真のほか、芸術性を求めた絵画的な写真などあわせて200点余りが展示されています。
このうち、幕末の写真家、島霞谷の「鮎」という作品は、まな板の上の2匹の鮎を撮影した作品で、鮎が泳いでいるようにも見え、構図の面白さを感じさせます。
また、写真家の鈴木崇さんの「BAU」というシリーズ作品は、カラフルなスポンジを複数組み合わせて撮影していて、日常的に見慣れたモノがカメラで撮影することで別のモノに見えてくることをねらっています。
会場には照明や背景をセットした「ブツドリ」体験コーナーも用意され、訪れた人たちが自分のスマートフォンで「ブツドリ」を楽しんでいました。
奈良県から訪れた40代の男性は「実際のモノと写真で撮ったときのモノとの雰囲気の違いを感じました。モノの存在価値を感じることができてよかったです」と話していました。
滋賀県立美術館の芦高郁子 学芸員は「モノを撮るのは一般的な行為ですが、その歴史や表現の深みを感じていただけたら」と話していました。
この写真展は、滋賀県立美術館で今月(3月)23日まで開かれています。