地域の交通手段の確保が大きな課題となる中、奈良県などは、一般のドライバーが有料で利用者を運ぶ県内初の「公共ライドシェア」を8日から宇陀市で試験的に導入しました。
自治体が主体となって運営する「公共ライドシェア」は、一般のドライバーが自家用車を使って有料で利用者を運ぶサービスです。
奈良県などは県内で初めて、宇陀市の山あいにある内牧地区でおよそ3か月間の試験導入を始めました。
初日の8日は地区の集会所で出発式が開かれ、県の担当者などがサービスの概要を説明したあと、地元のドライバーが実際に利用者を車に乗せて出発しました。
今回の試験導入には20人あまりのドライバーが登録し、地区の40か所に乗降場所が設けられていて、市の中心部にある商業施設や病院などを結ぶルートがあらかじめ決められています。
事前に予約が必要で、1回あたり200円から400円で利用できるということです。
奈良県内では過疎化を背景に交通手段の確保が大きな課題となっていて、県は需要などを検証した上で今後、本格的な導入を図りたいとしています。
奈良県リニア・地域交通課の深田大寛課長は「公共ライドシェアによって買い物や病院に行きやすくなることで、生活が豊かになってほしい」と話していました。