護摩木をくべる僧侶ら(和歌山県高野町で)
燃えさかる炎に木札を投じ、所願成就を祈る「高野の火まつり 柴燈大護摩供さいとうおおごまく 」が2日、和歌山県高野町の高野山真言宗・総本山金剛峯寺の前で営まれ、僧侶らが世界平和や人々の幸せを祈願した。
高野山の山開きや全国の霊場開きを兼ね、実行委員会が毎年実施しており、今年で30回目を迎えた。高野山に春の訪れを告げる行事として親しまれている。
山伏姿の僧侶らがホラ貝を吹きながら入場し、同寺の長谷部真道・座主が清めの儀式を営んだ。その後、僧侶らが剣や弓を使って結界を張り、高さ1.6メートルの護摩壇に点火。真言や般若心経を唱えながら、願い事が書かれた木札「添え護摩木」を次々と投げ入れた。
大門に設置された温度計は正午頃、12.4度となり、この時期としては比較的暖かかった。あいにくの小雨だったが、参拝者約1200人がパチパチと音を立てる火を見守った。
夫婦で初めて訪れた鹿児島市の主婦(61)は「厳かな雰囲気で感動した。世の中が平和で、よいことがたくさんあるように祈った」と話した。春はすぐそこまで来ている。