外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

「止まらず歩く」大切さ

2010-05-27 17:44:43 | 音楽
今日の午前中、職場の避難訓練があり、皇居の二重橋前の広場まで歩きました。

まず、エレベーターを使わずに、非常階段で一階まで下りました。
天気に恵まれて、ワイシャツの袖を捲り上げて歩く皇居前は、いたって快適。
一緒に歩く同僚たちも、自然に笑顔となり、日比谷通りに面する丸の内のオフィス街は、まるで絵はがきのような美しさです。(写真)

ただ、午後はスコールのような通り雨がありました。
なにか東京の気候が少しずつ熱帯のように変化している気がしますが、明後日の早慶戦当日の天気は何とか崩れずにいてくれるといいのですが。

ちなみに学生席入場券の販売状況は良好のようです。
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さて、「止まらずに歩く大切さ」というタイトルの松任谷由実さんのインタビュー記事を昨日の日経夕刊で見つけました。

私の高校時代、松任谷さんは旧姓・荒井由美でレコードデビュー。
失礼ながら、歌うこと自体は決して上手な部類ではないと思いましたが、明るい曲調と新鮮なコード進行のメロディに、女性の感性ならではの歌詞がかぶさり、とても素敵でした。

当時の日本のフォークソング系の女性シンガーは、とかく湿っぽい歌を好む人が主流でした。
1960年代は、反戦を訴えるなど、いわゆるメッセージ・ソングを歌ってこそ、フォークソングの正統派であって、愛だの恋だのいう軟弱な歌は歌謡曲に任せておけというのが、世の中の雰囲気だったと思います。

ところが、1970年代に入ると「シュガーベイブ」の大貫妙子さん、そして荒井由美さんが登場し、洗練されたポップスサウンドに乗せて、素敵なラブソングを歌いました。
彼女たちによって、日本のミュージック・シーンがガラリと変わりました。

その松任谷由実さんが、長年のキャリアを振り返って、次のように紙上でお話しされていました。

「私の中で、『天才』の考え方が変わってきた。以前は霊感みたいなインスピレーションがあって、それが突然降りてくるものと思っていた。10~20代がそうだったように」

「30代の終わり、その霊感がなくなってしまうのが怖くなった」

「年齢を重ねると、『もういいじゃない』っていう悪魔のささやきが聞こえてくる。でもそこで立ち止まってしまうと、苦しむのは自分」

「振り返ってみると、10~20代も、もがきながら曲を書いていた。でも過去は美しく見えるし、苦しんだ記憶は薄れてしまう」

「やっぱり、苦しくても一歩一歩歩いて、目指すところにたどり着く。今はそれが天才なんだと思っている。」

どんな世界でも、フロントランナーとして道を切り開いてきた人には、その立場の人でないと分からない苦労があるんだなあと思いながら読みました。
亡くなった加藤和彦さんも、同じような苦しさを味わっていたのかも知れないと考えたり。

そして、音楽の世界ばかりでなく、競技スポーツのトップアスリートたちにも、同じような苦しみがあるのではないかと、ふと思いました。

トップアスリートたちが、人一倍節制して過酷なトレーニングに励む背景には、頂点を目指そうという前向きな意欲とともに、いつ自分の才能が衰えてしまうか分からない不安感もあるのだろうと考えたりしました。

野球でいえば、プロ野球の世界は天才の集まり。
いずれプロの世界に飛び込むであろう早稲田の四年生投手三人衆も、天賦の才能を持つ若者たちです。

彼らも、きっと心の中で様々な悩みを抱えながら、毎日の練習に取り組んでいるはずです。

「苦しくても、一歩一歩歩いて、目指すところにたどり着く。それが天才だ。」

松任谷由実さんの言葉を、早稲田の三人衆が読んだら、きっと感じ入るものがあるだろうと思います。
Comments (3)
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