花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

愉快犯フローラ

2019年05月01日 | 研究
昨年まで10年間活動してきたTEAM FLORA PHOTONICS。
いろいろなところに彼らの足跡を発見することができます。
ここは校舎前の庭。実はここにクリスマスローズが咲いています。
このクリスマスローズはチームが結成した当時に採種して長年育てきたもの。
文化祭で地域の皆さんにお分けするとともに
メンバーが卒業する際は好きな鉢をひとつ持ち帰ってもらっていた思い出の花です。
ところがチームが園芸科学科から環境システム科に移籍してからは男子が増え
花を持ち帰って育てるという草花班的な風習はなくなってしまいました。
そこで2018年をもって解散を決めていたフローラは
2017年の秋に残っていたクリスマスローズの株を全部
校舎前の花壇にこっそり植えることにしました。
それがこのクリスマスローズガーデンです。
親がなくとも子は育つとはいいますが、
フローラが解散してしまってもご覧のとおり、
白花のニゲルや赤花のオリエンタリスが元気な花を咲かせています。
卒業作品を学校に寄贈して掲示してもらうという
正統派の思い出の残し方はよくありますが
人はなぜか在学の思い出に名前を机や壁に刻むという
やっちゃいけないことをしたくなるものです。
そんな時はぐっとこらえて、フローラのようにキャンパスのどこかに花を植え
密かに思い出を残すというゲリラ的愉快犯をお勧めします。
きっと翌年、誰かが突然現れた秘密の花園を発見して驚くはずです。
でも発見され、これがフローラの仕業とバレても大丈夫。
そのころには「平成の愉快犯フローラ」はとっくに令和に逃げ込んでいます。
後には「してやったり」とばかりにきれいな花が咲いているだけです。
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こんな夢を見た

2019年05月01日 | その他
今年は桜と同時に梅の花が咲きました。
これは2週間ぐらい前の地元の梅林。
生産目的で栽培されている果樹園です。
桜よりも色が濃い桃色なのですぐにわかります。
ほんの少ししか写っていませんが、
この果樹園には数十本の梅があり、それは見事なものです。
さてこのような花咲く果樹園をみると思い出す映画があります。
黒澤明監督の「夢(dreams)」です。
黒澤映画には珍しく、8話の短編で出来上がったオムニバス形式で
監督の見た夢をもとに作られているといいます。
各短編の前に出る「こんな夢を見た」というテロップが印象的でした。
その中に「桃畑」という短編に見事な桃の林が出てきます。
梅よりも濃いピンク、まさに桃色の花がとてもきれいだったのを思い出します。
実はこの映画にはもうひとつ思い出すことがあります。
最後の8作品目の「水車のある村」という短編。
ある村の葬儀の様子が描かれていますが
笠智衆さん演じる村民がなんと青森県南の伝統的衣類である
「南部裂織」(なんぶさきおり)を身につけているのです。
青森県では寒冷地のため綿花が育ちません。
したがって古くなった木綿の着物も貴重な資源。
そこで古い着物を1cmぐらいに裂いて横糸にし、
また新たな布を織り上げることを思いつきました。これが裂織です。
かつて生徒と南部裂織の資料を集めたり、
実際に製作伝承されている方のお宅を何度も訪ねてお話を伺ったことがあります。
実はなんとその方が黒澤監督に頼まれ「夢」で使われた裂織を織った方でした。
監督の注文は「真っ赤な裂織」。しかし実際はそんな派手な裂織はありません。
そこで一旦断ったそうですが、「夢で見た衣装」という衣装であればと納得され、
作って差し上げたのだそうです。
その方はもうお亡くなりになられましたが
今でも黒澤監督の名前や裂織を見ると思い出します。
年号は新しく令和になりましたが、果樹園では
そんなのおかまいなしできれいな花が咲いています。
ゴールデンウィークも後半戦。ぜひ黒澤映画でもご覧ください。







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