花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

再結成の予感

2019年05月06日 | 研究
水槽に植物の苗が並んでいます。
これは左側がカノコソウという薬草。
そして右側は山菜のセリ(芹)です。
かつてフローラはジュンサイなど食用水棲植物を
人工光を照射しながら水槽で栽培する水中植物工場に取り組んでいた時があります。
空気中と違って赤の光は水に吸収されて届きにくいことから
照度を高める必要があること。
浅瀬や深いところで自生する水草は届く波長が違うため
それぞれの環境に適して進化しています。
したがって同じ波長の光を照射しても反応が違うことなど
興味深い結果を導いた彼らはTEAM AQUA PHOTONICS と名乗っていました。
ところが彼らの失敗したテーマもあります。
漢方薬の原料となる薬草や染料の元になる植物の水耕栽培です。
これらの植物の多くは根を利用しますが、
そのほとんどが中国からの輸入品で高額で流通しています。
しかしこれでは安定した供給ができません。
根の生育がとんでもなく良いのが水耕栽培。
日頃から水耕栽培を学んでいる彼らは体験的に知っています。
そこで水耕栽培に取り組んだのですが
薬にも染料にもなるムラサキは色素が水溶性のため流出して大失敗。
龍角散の原料であるキキョウは多湿に弱く全滅。
なかなかうまくいかないのです。
そこでそんなフローラの失敗例を参考にして
ハンターズが再びチャレンジするのがカノコソウ。
「命の母A」などの原料になる薬草で
土壌栽培では根から土を洗浄する作業が大変といわれています。
もし水耕で育ったら洗浄の手間などありません。
ただし湿った山地に自生するとはいえ水耕栽培に耐えられるのかは不明。
水耕栽培形式を工夫しながら再チャレンジします。
またセリは根が美味しい水辺の山菜。
そこで水耕で根を食べるための栽培法を開発することにも挑戦します。
TEAM AQUA PHOTONICS 。2年ぶりに復活するかもしれません。
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樹形の観察

2019年05月06日 | 園芸科学科
この時期のリンゴ園は、まだ葉が出ていないので
樹形がよくわかって面白いものです。
かつては垂直に伸びる枝を剪定によって周囲に開いて
垂直方向の成長から水平方向の成長へと仕立てる
「開心形」という方法が主流でした。
しかし今は作業効率を上げるいろいろな仕立てが誕生しています。
これは「斜立仕立て」という方法。
枝を斜めに伸ばされた木が交互にトンネルのように配置されています。
現在この仕立ては収穫作業の効率は高いけれど作業空間が狭く
大人数での作業は必ずしも効率的ではないといわれています。
最近は「矮化仕立て」という木そのものを
低く小さく育てる技術の方が普及しています。
しかし「斜立仕立て」は学校を訪れる子供たちにとても人気です。
なぜならこのトンネル、秋にはブラブラと赤い実がなる
リンゴのトンネルになるからです。
背の低い子供たちの視点に立つと、見上げるとリンゴだらけ。
テンションが上がっちゃいます。
春先のリンゴ園は技術の発展がわかる博物館。
ぜひ散策してほしいものです。
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