花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

バブル時代

2019年05月21日 | 研究
ご覧ください。イチゴの苗が泡だらけです。
これはバブルボーイズの仕業。
彼らによって泡にされた農薬を散布されたようです。
それにしてもずいぶん泡立っています。
泡にする成分は先ほどのムクロジ。
それにほんのちょっぴりだけ展着剤を入れて泡の粘り気を補強しています。
界面活性効果のあるレシチンなど天然素材をいろいろ試したようですが、
この組み合わせが展着剤の使用量が少なくすみ
現在のところベターであると彼らは考えているようです。
今月中に最後の飛散試験を行い実験はひとまず終了。
6月に行われる学会主催の発表会を手始めに
いろいろな環境系の大会にチャレンジしてみる予定です。
この技術を効率的に使うには長い泡用のブームスプレーヤーが必要。
とはいっても大型の動力泡散布機はすでに世の中にあります。
ただすべて洗浄を目的とする工業用。
農業に目が向いていないだけです。
この技術を農業利用することでこのハードルも越えられるので
彼らの時代は思ったより早く来るかもしれません。
まったく何もないところから新しいアイデアを生み出すのは至難の技ですが
このように視点を変えることで意外と面白いタネを見つけることができます。
バブルボーイズはハンターズの良いお手本です。
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ムクロジ

2019年05月21日 | 研究
これはムクロジという植物の実の皮です。
漢字では無患子と書き、
文字通り「子供が病気にならない」という意味があるようです。
主な分布はアジアなどの熱帯から亜熱帯地方。
日本でも日本では関東以西と暖かい地域に自生しているようです。
そんなことで北国の私たちにはあまり縁がない植物と思っていましたが
実はこの種子、羽子板の羽に使われていました。
羽の錘となっているあの黒い硬いところ。
意外と身近なところにクロムジはいたようです。
このクロムジの特徴は水に入れると泡が立つこと。
天然のサポニンを多く含んでいるらしく
熱帯地方の人は洗剤の代わりに使っているそうです。
調べてみるとサイカチなどクロムジ以外にも
同じような性質を持つ植物は世界にたくさんあることがわかりました。
ぜひ集めて夏休みの自由研究で泡立ち選手権をしてみてはいかがでしょうか。
さてこのクロムジの持ち主はフローラの弟分であるバブルボーイズ。
農薬の飛散による水質汚染や地域住民の健康被害を抑制する
泡散布技術の研究に昨年から取り組んでいます。
泡にするにはある種の展着剤を用いるとできるのですが
昨年からの課題でいくらでも化学薬品である展着剤の使用量を減らそうと
いろいろな発泡効果のある天然素材探しをしていました。
このムクロジもそのひとつ。先日実験が行われたのでご紹介します。
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