花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

渾身の逸品

2021年11月24日 | 研究
名農の廊下に展示されているかわいいパンジー。容器もお洒落です。
展示してくれたのは草花班でしょうか。優しい気持ちになります。
さて先日、このパンジーを見た瞬間、あることを思い出しました。
それは「テーブルパンジー」。今から15年ほど前の研究です。
パンジーはこのようにかわいいので、
机上や食卓などに飾りたいと思う人が多いといいます。
しかしトライした人はみんな失敗。なぜならパンジーは
日照不足だと花首(花の下の茎)が徒長して
みっともない姿になってしまうからです。
そこで取り組んだのが暗い部屋でも光をいっぱい感じさせる工夫。
とはいっても難しくなく、ブラシナゾールという
特殊な薬剤を散布して育てるだけです。
この薬剤は理化学研究所からいただいたもの。
光感受性が高まるので農業利用について研究してほしいとの
ことで数年間取り組みました。トマトの密植栽培を可能にしたり、
野菜の耐塩性やなんとイネの耐寒性を高めるなど
面白い結果を確認して、理研に報告しています。
中でも最高傑作だと今も思うのが「テーブルパンジー」。
机上で育ててもまったく徒長しないパンジーです。
これには皆さん驚かれました。また代表メンバーが
埼玉県和光で開催された理研の公開デーで、
このパンジーを紹介するという栄誉にも預かりました。
残念ながら農薬登録されていないため市販できず
成果は実験室の域を脱しませんが、世に出したい渾身の逸品でした。
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南欧風

2021年11月24日 | 学校
ここは第1農場。ご存知、果樹園です。
農場に入ると真っ先に目に飛び込んでくるのが
このオレンジ色の壁をした倉庫です。
見た感じではわかりにくいのですが2階建てです。
というか屋根裏にも広い収納スペースがある、ちょっとのっぽな建物なのです。
まるで南ヨーロッパ、地中海沿岸の建物のように見えるから不思議です。
実はこの建物、10年ほど前はよくある薄いクリーム色でした。
ところがある出来事によって塗り替えられたのです。
それが馬淵川の洪水。岩手県で降った大雨が
下流の青森県三戸町や南部町などで氾濫したのです。
この第1農場は低い位置にあるので、どんどん水かさが増え
なんとこの建物ももう少しで完全に水没する寸前までいきました。
水は翌日にはひきましたが、泥だらけ。
数日すると悪臭が漂ってきます。石灰をまいて消毒しましたが、
壁も色が剥げてきました。そんなことから
このようにオレンジ色に再塗装されたのです。
それにしてもこの壁の色は誰が決めたのでしょう。
青森県?それとも名農?ちょっと気になります。

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