花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

隠れイチョウ

2021年11月09日 | 学校
名久井農業高校のグラウンドの南西方面には防風林があります。
なぜなら馬淵川沿いから、ここの高台に移転した際、
周辺は造成したばかりで植物がないうえ、周辺は畑が多かったため
春になると西風により砂塵が舞う環境だったから。
つまり砂嵐を抑制するための防風林なのです。
春から毎日のように目にするこの防風林、
誰しも針葉樹の杉林だと思っていますが、
この季節になるとそれが間違っていたことがわかります。
なんと黄色に紅葉する樹木がかなり混ざっているのです。
これはイチョウ。秋の名農キャンパスを歩くと意外に多いので驚きます。
まさに隠れミッキーならぬ隠れイチョウです。
イチョウの木には雄と雌があり、雌には銀杏が実ります。
かつて県内の農業高校の文化祭といえば
「農産物品評会」が一番人気のイベントでした。
名農でも力を入れていて、全校生徒が自分の家で栽培した農産物を
原則として一人3点、自宅で調整して持ち寄り
展示販売するもので、その数400〜500点。
第2体育館いっぱいに並べられ、
お客様はいろいろ吟味しながら買い求めていました。
売上金は生徒本人が後日受領しますが、彼らのお小遣いになりました。
したがって高く売れる農産物をこぞって出品します。
一番の高値はなんといっても小豆。その次がクルミや銀杏でした。
文化祭が近づくと山で実を拾い、ミカンのネットに詰めて持ち寄ったものです。
しかし現在、多くの農業高校でこのイベントは姿を消しました。
ほとんどが農家の子供で、その多くが後継者だった時代の話です。
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葉が黒い

2021年11月09日 | 環境システム科
環境システム科の本拠地である施設園芸実験室には
野菜の苗を育てる植物培養室があります。
そこには大学にあるのと同じLEDの波長を制御できる装置が
2台入っていて、さらにエアコンが完備されているので
365日適した気温も確保することができる優れものです。
したがって環境システム科の課題研究や
学校設定科目「起業チャレンジ」でみんな利用するので常に満室。
こんなに利用されている施設はそうあるものではありません。
しかし環境システム科だけが使っているので
存在を知らない農業の先生も多いのではないでしょうか。
この日覗いた培養室ではイチゴの育苗が行われていました。
環境システム科ではイチゴの水耕栽培を行なっていますが
苗も自給しようとしているのだと思われます。
さてそれにしても葉が真っ黒だとは思いませんか。
理由は光合成。植物は光合成のため主に青と赤の波長の光を吸収します。
ここでは若干、青が混ざった赤色光を照射しているので
そのすべてを葉が吸収。したがって反射されないので真っ黒に見えるのです。
逆に緑の光を照射すると鮮やかな緑の葉になります。
なぜなら緑はあまり光合成に使われないので
吸収せず反射するか透過してしまうからです。
私たちの目に植物が緑に見えるのはこれが理由です。
数年前まで中学生なら誰でも何年生でも参加できる
農学講座「アグリサイエンス」という企画イベントを約8年間
チームフローラフォトニクスが運営していました。
その際、フローラが担当する植物講座では必ずこの実験を行い
中学生を驚かせたものです。豊かな自然とともに
機会があったらぜひ覗いて欲しい名農自慢の一室です。
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