花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

嬉し恥ずかし

2022年12月18日 | 研究
校長室で賞状をいただいているのはFLORA HUNTERSの男子チーム。
実は先日、あるビジネスコンテストの主催者が来校され表彰してくださったのです。
しかしどうも笑顔がありません。これには理由があります。
彼らが今年応募したプランは落選。入賞すらできませんでした。
ところがFLORAはこのコンテストに第1回目から応募。
今年で10回目なので10年間チャレンジし続けたことになります。
応募し続けた学校は全国でも10校もないそうで、FLORAは大切なお得意様。
そんな理由からわざわざ表彰にきてくださったのです。
このコンテストは応募数が約5000。決勝に残るのはたった10組です。
確率にしてわずか0.2%。おそらく全国で最もハードルの高い大会だと思います。
TEAM FLORA PHOTONICSは今まで2度、このファイナリストに選ばれています。
1回目は園芸科学科時代。女子3名がサンパチェンスを用いた
エアクリーニングプランツというビジネスを提案しました。
これにはサンパチェンスを育成したサカタのタネさんも全面協力してくださいました。
2回目は環境システム科時代。最後のTEAM FLORA PHOTONICSとなった
男子3名が提案したもの。メガソーラー発電所でカボチャを作ろうというプランで
全国第3位に選ばれています。ところが最近は、まったく振るわず落選の連続です。
かつてFLORAは園芸ビジネス類型に所属していたため、
メンバーは授業でもビジネスについて学んでいました。
しかしTEAM FLORA PHOTONICSが解散後、所属がオープンになったため
メンバーの半分が工業類型のエンジニアの卵になりました。
そんなこともあり、ビジネスには疎くなったのかもしれません。
せっかく主催者が褒めてくださっても彼らにとっては
「しょうもないプランを懲りずに応募し続けた賞」に思えて笑顔にならないのです。
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せっかく来たんだから

2022年12月18日 | 環境システム科
先月、オンラインのコンクールに出場するため
久しぶりにやってきた施設園芸実験室。
設計を一から担当した懐かしい実験室ですが、
最近は顔を出すこともなくご無沙汰していました。
そこでせっかく来たのですから、
苦労して設置してもらったある部屋を覗くことにしました。
それがここ。3畳あるかないかの小部屋です。
環境システム科は水耕栽培を通して、施設園芸に関する農業技術と
それに関わる電気や配管など工業の知識技術を学ぶ学科。
水耕栽培の最先端は閉鎖型植物工場ですが、
さすがに予算が膨らむため青森県は交渉しても作ってくれません。
そこで太陽光利用型植物工場に方針変更。
専用のガラス温室は作ってくれましたが、問題は育苗。
北国青森は春や秋は寒く、夏は30℃を超えます。
したがって通年栽培するためには温度管理できる育苗室が絶対必要なのです。
そこで県に水耕栽培装置、温度管理できるエアコン、
さらに波長と生育を学習できるよう光を制御できる装置を要望しました。
この施設設備を作ってくれなければ
環境システム科の設置意味さえなくなってしまうため、これが最後の砦。
さまざまな書類を準備して、何度も必要性を訴え続けました。
この小部屋は、そんな努力の甲斐あって獲得したものです。
ここで野菜の生産をするには狭すぎますが、よく考えると
空調と水耕栽培装置を備えた小部屋は完全に植物工場です。
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