花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ユニフォームで辿るフローラの歩み 2017

2019年03月26日 | 研究
フローラのユニフォームを紹介しながら活動を振り返っています。
2017年の環境システム科3回生のユニフォームは、2015年と同じくまた「ツナギ」。
色こそ紺色に変わりましたが、雰囲気も同じです。これには深い理由がありました。
実は新生フローラ3代目の代表的な研究も「バイオエンジン」。
なんと1回生の研究をさらに発展させることに成功したのです。
ポイントは微生物の利用。彼らは窒素の吸収を早めるための硝化菌と
リン酸の吸収を早める菌根菌という2つの微生物をバイオエンジンに搭載しました。
その名もバイオエンジンTYPEⅢ。ツインエンジンと呼ばれたサンパチェンスを2つ搭載し
浄化力をパワーアップさせたのが1回生が開発したTYPEⅡ。
3回生のTYPEⅢは、TYPEⅡに燃料であるチッソやリン酸を効率よく供給する装置、
つまりターボやスーパーチャージャーのような過給器を搭載させ
F1のようなハイスペックなエンジンに改良したのです。
浄化装置のあるきれいな公園では安価なTYPEⅡで、汚染された池には
歴代最高性能を誇るTYPEⅢでと、
環境に応じてTYPEを選びながら地域で大活躍してくれました。
2017年はそんなことから先輩に習って「ツナギ」を選択したのです。
おもしろい話はまだあります。
なんとTYPEⅢの開発主任はTYPEⅡの開発主任の弟だったのです。
親子で開発に命をかけたという話は時々ありますが
バイオエンジン開発に兄弟で取り組んだというのもドラマを感じます。
3代目は会社を潰すといわれますが、彼らはさらにチームの名をあげてくれました。
さてこのメンバーは水中植物工場や地元の法光寺から依頼され
池に500年ぶりのハスの花を咲かせるプロジェクトにも挑みました。
バイオエンジンを含めすべての研究が水に関わるもの。
そこでこの年は「TEAM AQUA PHOTONICS」という
ニックネームをわざと使ったことを覚えています。
チームは2018年度をもって解散するため、
現在ハスのプロジェクトは本家である草花班に任せましたが
近い将来、ハスが復活することを祈っています。
コメント

間違えちゃいました !

2019年03月26日 | 研究
チームが10年間本拠地にしてきた馴化温室脇に
大きな大きなプラスチック鉢が何個も並んでいます。
樽のように大きいので一人ではとても動かせません。
この鉢にはチームが長年、試験材料として育ててきた植物が植えられています。
面白いことにルバーブやカシス、ラズベリーなどジャムに加工できるものばかり。
一番奥にはブルーベリーの鉢植えも並んでいるので
ジャム作りをするなら食材がタダで手に入る最高の一角です。
そこにチームは昨年の秋、新しい仲間を植えました。
それが手前のリンゴンベリー。
まだ小さいのですが、しっかり冬を越しています。
ところが先日、なんだが違和感を感じました。
リンゴンベリーの鉢だけ、水が溜まっているのです。
根腐れを起こすので水をあけましたが、どうも水はけがよくありません。
そんな時、不安がよぎりました。まさかと思って鉢底を見て納得。
なんと彼らがリンゴンベリーを植えた鉢底には穴が空いていないのです。
チームは一昨年、地元の和尚さんの依頼を受け
500年前にあったといわれるハスの花復活プロジェクトに立ち上がりました。
もちろんハスの試験栽培も行いましたが、
ハス用の鉢には水が漏れないように穴が空いていません。
間違ってリンゴンベリーをハス鉢に植えてしまったようです。
雪どけの水、雨水。すべて鉢の中に溜まっていました。
急いで鉢を取り替えなければ根腐れします。
最後までどっかでミスするフローラです。
さて今日は名久井農業高校の終業式。そして離任式。
これにて2018年度の授業は終了となります。
異動される先生、新しくいらっしゃる先生、
短い時間ではありますが慌ただしく引き継ぎ作業が行われます。
また担任の先生が異動することから挨拶をしようと
フローラのメンバーなど卒業生も一部集まるようです。
明日から春休みとはいえ名農は農業高校。
もう農作業は始まっているため、
部門によっては出校して春実習が行われます。





コメント

USJの楽しみ方!!

2019年03月25日 | 研究
青森県の修学旅行は中学校で東京ディズニーランド、
高校では関西のユニバーサルスタジオジャパン(USJ)が定番。
毎年、みんな楽しみにしています。
いろいろなアトラクションがありますが
USJではなんといってもハリーポッターが人気。
アトラクションはもちろん、楽しいグッズもお土産として買い求めるようです。
中でも話題のお土産のひとつが「魔法のつえ」。
ハリーポッターなど登場人物がそれぞれ異なるつえを持っていることから
いろいろな種類が販売されています。
ところがご存知の通り、お土産としてはかなり高価です。
飾っておくには高すぎるうえに、つえなど使い道もないので
冷静に考えるとマニアでない限り買い求める必要はありません。
ところがご覧の通り、チームフローラフォトニクスの倉庫には4本もあります。
不思議なことに、歴代のメンバーが毎年お金を出し合って、
チームへのお土産と称して買ってくるのです。
右からハリーポッター、ダンブルドア校長、ハーマイオニー、
そして左端が第3話に登場するシリウスブラックのつえ。
選択理由はよくわかりませんが、その学年ごとに思い入れがあるようです。
ではこのたくさんのつえ、チームはいったい何に使うのでしょうか。
実はポスター発表の際の指示棒にしているのです。
1年間に数回発表をしますがその際、気分に応じて
みんな好きなつえを選んでは大会に臨みます。
中には自分専用のつえを買ってきたという人も何名かいます。
別に特別な力が宿って素晴らしい発表ができたという話は聞きませんが
不安な彼らを守ってくれるお守りのようです。
USJの魔法のつえをこんなにも上手に活用しているのは
おそらくフローラぐらいではないでしょうか。
なんでも遊びにしてしまうフローラ。
そしてその精神を引き継ぐバブルボーイズ。
本日の学会ではダンブルドア校長とハーマイオニーのつえで臨みます。
コメント

ユニフォームで辿るフローラの歩み 2016 !

2019年03月25日 | 研究
こちらのユニフォームのプリントは2016年のもの。
主に環境システム科の2回生が着用しました。
変な顔のキャラクターが掃除機をかけているイラストですが
掃除機の本体が鉢花になっているところがポイントです。
前年の2016年にバイオエンジンで大活躍した1回生を
サポートしながら各自研究をしていた2回生。
いざ自分たちが主役となったこの年、
チームとして披露したのが草花による室内の空気浄化。
サンパチェンスの高い二酸化炭素吸収力を活用して
室内空気の匂いやシックハウスの原因となる
ホルムアルデヒドを吸収し浄化してしまおうというアイデアでした。
さまざまな測定装置を使って実験を繰り返したところ
確かに小さな空間で行う実験では大きな効果が得られましたが
教室のような大きな部屋では常に空気が動いているため思ったほど効果が数値として出ません。
そこで室内の容積で換算してみると、明らかな効果を得るには
サンパチェンスの鉢が10鉢も必要であることがわかりました。
エコできれいな生物装置は良いアイデアでしたが、
部屋が鉢だらけになるため現実的にはちょっと無理があったかもしれません。
でも本当に驚くべきところは室内でサンパチェンスを咲かせたこと。
みなさん部屋で咲くサンパチェンスを見てきれいだと感動されますが
花壇用の花は室内では暗すぎ、徒長し花つきも悪くなります。
この常識を覆したのは園芸科学科時代の先輩が2013年に行った
ライトマジックショーを応用した薬剤で光を感じさせる技術。
照明を当てることなく自然な姿で室内に咲くサンパチェンス。
そこにはとんでもない技術が隠されているのですが、
あまりにも自然に咲くので誰もこのすごさに気がついてくれません。
でもフローラフォトニクスという名にぴったりの活動でした。
この他にも山菜のふきを遮光することで、えぐみの原因であるシュウ酸を減らし
生食を可能とした「サラダふき」の開発に成功、さらにLED信号機の開発活動、
研究とは違いますが全国高校観光甲子園で文部大臣賞を受賞するなど
2016年の2回生はこのユニフォームを着て活躍してくれました。
コメント

新生フローラの意気込み

2019年03月24日 | 研究
2015年、園芸科学科から環境システム科に完全移籍したフローラ。
環境システム科の第1回生が選択したユニフォームはなんと「ツナギ」。
これには理由がありました。
研究は一人一テーマで、個々で取り組んでいましたが
チームとしてメインになる研究は水質浄化。
園芸科学科時代の研究を引き継いだものです。
内容は池に流れ込む過剰な窒素やリン酸を燃料として
サンパチェンスという草花のエンジンを動かし、
水質浄化するシステム「バイオエンジン」の開発。
エンジンを動かすことで過剰な栄養分を減らそうという目的ですが、
面白いことに彼らは先輩が採用していた薬剤によって
光合成能力を向上させる方法をやめ、
エンジンであるサンパチェンスを1鉢2株と倍にすることで
今まで以上の効果を得る方法を生み出したのです。
つまりツインエンジンです。
余分なものを排除し、エンジンそのものの能力で勝負するアイデアは
まるでスポーツカーの設計そのもの。
また池の花数を増やすという景観形成効果も大幅に向上させました。
これぞ機能美。「世界で最も美しい水質浄化システム」という
キャッチフレーズはこの年に誕生したものです。
彼らの研究は農業クラブやさまざまな発表会で好成績をおさめ
最後はコンクールで総理大臣賞という金星をあげました。
彼らがユニフォームにツナギを選んだのには
今までの園芸家からバイオエンジニアに進化し
新学科を牽引しようというまさに新生フローラの意気込みからでした。
これは当時のバイオエンジンのポスター。ツナギ姿がとても新鮮です。
さて2015年の冬、彼らはもっととんでもないことをしました。
それが雪国向きLED信号機のアイデア。
ヨーグルトが付着しにくいロータス効果を持つフタからヒントを得た
フローラの2年と3年生の女子。いつもが横のつながりで活動していますが
もし縦の関係で活動したらどうなるかと面白半分で行った研究が
京都大学の目にとまり、なんと協働研究することになったのです。
名農の会議室で行われた記者会見に集まったテレビなどの報道関係者は約30名。
あの風景は今も記憶に残っています。
なお研究は後輩に引き継がれ今も行われています。
コメント