「忘己利他」(もうこりた)は
最澄の 『山家学生式(さんげがくしょうしき)』 の国宝論に出ている言葉だそうです。
「もう、懲りた!こりごりだ!」ではありませんよと 瀬戸内寂聴さんがおっしゃるので、
何のことかしらん?と調べてみました。
しんどいことは自分が受け持ち おいしいところは他人に譲り
自分のことより、他人の利益を最優先するなんて
国宝とは、比叡山の慈悲深いお坊様のことでしょうか。
国宝とは何物ぞ
宝とは道心なり
道心ある人を名づけて国宝となす
一隅を照らす
これ則ち 国宝なり
悪事を己に向へ
好事を他に与え
己を忘れて、他を利するは、慈悲の極なり
さて、余裕のある間は、皆様のご期待に応えようと 懸命に頑張る私も
なにしろ、知り合いが多く、ボランティアの所属先も多数あるので、
あちらからも、こちらからも、同時に あれして!これして!と
頼まれごと(多くはパソコンでの文書作成関連)が重なると
疲労して、自由時間を失い、本来の仕事時間まで不足してきます。
過重労働でイライラしてくると 突然、
私の余裕のキャパを超えてしまうことが しばしばあります。
大変お気の毒なのは、キャパ越えの直後に 運悪く頼みにきた人です。
どれほど私の機嫌が悪いかは、ご想像におまかせするとして・・・
我慢して嫌々やるのは 百害あって一利なしです。
「もう、懲りた! もうやめる! やってられるかあ!」と不満が爆発しないわけがない。
無理しちゃあ、いかんのだ。ねえ。
余裕のある範囲では、我慢しないので、機嫌よく作業できます。
喜んでくれるかしら 役に立つかしら やらせてもらってよかったと 楽しめます。
「忘己利他」(もうこりた)の難しさは、私の余裕の限界を把握することですね。
助けてあげた方が いいんだろうな~と思っても
それはすぐできそうですか? しんどくありませんか? メリットはありますか?
本日只今の私の気持ちを確認して やりたくないと感じたら、できることでも、しないこと。
できる範囲で、周囲に協力すること。
それが、「懲りない人々」になる近道ですよ、きっと。
明日は今日より、余裕のキャパも広がることでしょうし、
キャパが広がれば、徐々にイライラの頻度も少なくなるでしょう。
生きてる間に辿りつけるとは考えていませんが
ご一緒に、国宝目指して、遠い道のりを歩みましょう