現代型うつ”にどう立ち向かうか (クローズアップ現代20111122より) メモ
今、これまでの概念では捉えきれない「うつ病」が増加している。
不眠に悩む、職場で激しく落ち込むといった「うつ」の症状を示す一方で、
大きく異なるのは自分を責めず、悪いのは、すべて上司や会社のせいにする。
小さい頃からTVを見てマスコミの影響か責任追及は得意だし
権利を主張するが、はたすべき義務は自分の自由でよいと考える。
注意をうけると、翌日から会社に出勤できなくなり、病院でうつの診断書をもらって休職するが
旅行やカラオケなど本人が楽しいことには積極的に参加する。
いわゆる”現代型うつ”だ。
20~30代の若者を中心に増え続けているとされ、
従来の治療法が効きにくいことから医療現場は混乱している。
さらに企業では休職者が増え、経営を圧迫。
中には「怠け」と判断し、解雇したところ裁判で訴えられるケースも出ている。
現代型うつに翻弄される医療現場と企業の実態に加え、最新の治療法も取材、対応策を考える。
(原因)
小子化で兄弟が少なく、両親や周囲から大切に育てられた子供が
帰宅部で 塾通いし、なんとか、いじめにも遭わず、先生からも叱られず
嫌なものからは逃れ 競争の少ない学校生活で、小人数の限定された友人と居心地よく育った結果、
挫折体験が少ない分、トラブルを工夫して乗り越えるトレーニングが不足している。
周囲から叱責され、我が非を認めると、どう乗り越えればいいかわからず、壊れそうになるので、
悪いのは自分以外だと言わざるをえない。未熟な大人。
(対応)
現代型うつ病には、従来のうつ病では決して行わない「励まし」場合によって「叱責」も効果があり、
互いに意見交換するグループミーティングが成果を上げている。
安全な場で、小さな挫折も練習して、そこからやり直せる自己効力感を育て
自分の非も認め、コミュニケーション能力を高め、
社会生活に適応できるような大人への再教育をめざす。
出演者 神庭 重信さん(日本うつ病学会理事長・九州大学大学