現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

石炭場の少年たち

2016-11-12 09:13:15 | キンドル本
 夏休みのある日、主人公は、暇を持て余して、特に目的もなく自転車ででかけます。
 偶然、空き地で野球をやっている少年たちと知り合い、主人公も野球の仲間に入れてもらいます。
 その空き地は、もとは石炭置場のようでした。
 今でも、黒い石炭の粉が地面に落ちています。
 そのため、白いボールもすぐに黒くなります。
 ゴムボールを使って素手でやる野球は、主人公が入っていた厳しい練習を強いる少年野球チームと違って、自由でとても楽しいものでした。
 実は、主人公は過酷な登板を命じた監督に従わなかったばかりに、チームをやめさせられていました。
 主人公は、毎日石炭場を訪れて、野球の仲間に入れてもらいました。
 しかし、その楽しい時間は、突然破局が訪れます。
 最後に、主人公が石炭場で出会った人は?

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石炭場の少年たち
クリエーター情報なし
平野 厚

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宮内悠介「象を飛ばした王子」盤上の夜所収

2016-11-12 09:07:45 | 参考文献
 古代インド将棋であるチャトランガの話です。
 チャトランガは、西に伝わってチェスに、東に伝わって日本の将棋になったと言われるこの種のゲームの源です。
 戦争好きの王に戦争をやめさせるため、高僧が王に献上したのがチャトランガの始まりであるという説に着想を得て、ブッダの息子であるラーフラがチャトランガを考え出したことを匂わせてお話は終わるのですが、これは宮内がいろいろな文献をもとに考えた完全なフィクションです。
 作中に述べられているように、チャトランガの起源には諸説があり、また古代インド将棋にはチャトランガ以外にもいろいろなものがあったと言われています。
 この作品は、チャトランガというゲームよりも、古代インドの王子の苦悩が描かれているのですが、そのメンタリティは現代の日本人と変わらず物足りませんでした。
 宮内作品の特長であるゲームに対するマニアックな追求をもっと前面に出した方が、他の作家との差別化が図られるのではないでしょうか。

盤上の夜 (創元日本SF叢書)
クリエーター情報なし
東京創元社
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