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「良い子にしてないとサンタさん来ないよ」の言葉が子供に与える怖さ

2019年12月22日 23時10分00秒 | 教育について考える


そろそろクリスマスですね。

日本では、
大人だと、
クリスマスディナーとか、
クリスマスイルミネーションで楽しむ!というクリスマスですが、

子供にとってのクリスマスといえば、

やはり

サンタさんからもらえるプレゼント


だと思います。


私自身はサンタさんに関しては嫌な思い出はないのですが、娘がサンタさん関連で辛い経験をしたので、今回、お話しさせて頂こうと思います。



娘が通っていた幼稚園は

良く言えば
すごく熱心に教育をしてくださる
幼稚園


でした。

例えば、

挨拶を笑顔でしましょう

自分でできることは、ちゃんと自分でやりましょう

食べ物は残さず好き嫌いなく食べましょう


親にちゃんと感謝しましょう


などなど。


なので、幼稚園の先生のおかげで
自分の子が、しっかりとした子になったわ!と喜ぶ保護者の方も多かったです。



…そして、娘は、その幼稚園が合いませんでした。


娘は、動作がのろく、食べるのが苦手な子でした。
これは、私の育て方、という問題よりも、生まれながらの性質でした。
なにせ、母乳やミルクさえ飲むのを新生児のころから嫌がる子だったので。
それで、いつ死ぬか、いつも不安になりながらも、とにかく、何か口にできるものをとりあえず胃の中まで入って吸収してくれれば!な状態で過ごしてました。

幼稚園でも、食べるのが遅く、多く食べられない。不安なことがあると、一口も食べられない、そういうことが続きました。
偏食というレベルではないのです、拒食です。

家に帰っても、明らかにお腹が減っているのに、「食べはじめて、遅かったり、一口でも残したら責められる」と言い出して、私が「残してもいいよ」と言っても、震えだし、一口も食べません。

あまりにひどいときは、病院に行って栄養点滴をしてもらったりもしました。


本人も

「農家の人や作ってくれた人、そして食べ物自身に感謝しなきゃいけないし、偏食やお残しが悪いことはわかってる。

自分だって、時間内に残さず食べたい!

でも、どうしても、口に入っていかない!


口に入れようとする、食べ物のことを考えるだけで、吐き気がする。


それで食べられない自己嫌悪。」

そういう状態で、ずっと自分を責めていました。

私や私の母(娘にとっての祖母)が
どれだけ、「残してでもいいから、食べたいぶんだけ、自分のペースで食べろ」と言おうが、「残しても、あなたのことを愛していることには変わらない。」と言っても、

「だって、幼稚園の先生が…」


という状態の娘でした。



そんな状態の12月、
娘に
「サンタさんからのプレゼントは何が良いかな?」

と聞いたら、
娘は「なんでもいい…」
と小さな声でぽつりと言うだけです。

「じゃあ、これにする?前ほしいと言ってたもんね。」
と言ったら、
「うん、そうする」
とだけ娘は言いました。



それが年少さんのとき。


そして、年中さんの冬。

同じようにサンタさんの話をしたら、

「サンタさん、いないんだよね?サンタさんの正体は…」

と言い出して、ぎょっとしました。

そのときは、
「私からは今は何も言わない。
いる、といったらナポちゃんは疑う。
いない、と言っても疑うから。
だから、

信じたいか、信じたくないか?
で決めて。(意訳)」

と言ったら、
今は信じることにしました。



小学生になった娘から聞いたら、
幼稚園の先生は

いい子にしてないと、
サンタさん来ないよ!」

と、

給食を残す娘に
毎日のように言ってたそうです。

先生としては

完食させてあげたい!

という善意の気持ちだったのでしょう。

でも、娘には

それがきつかった。



だから、年少さんのとき、
娘は私にサンタさんのプレゼントについて聞かれたとき


私は、いい子、じゃないから、
どうせ、サンタさんは来ないよ」

という気持ちだったから

「なんでもいい」
という返答だったのです。

でも実際には、
お母さんと決めたプレゼントが
クリスマスの朝に枕元にあった。




これは、おかしい。




娘はそう思ったそうです。




それで年中さんのときは、


「サンタさんはいない」


という結論に達したのです。


これを話すと、

「娘さん、頭良いじゃん!すごい!」

とよく言われるんですが、

私はこれは悲劇の話だと
思ってるんです。


だって、娘は

年少さんのとき


「サンタさん来たじゃん!
やった!私は良い子だったんだ!


という結論にならなかったのです。



娘の中では、

ずっと、ずっと、ずっと…

自分は悪い子

と思い続けたってことなんです。
しかも一年以上!

親にこのことを言うには、
3年以上かかったんですよ。

本来、一番、夢が見られる幼稚園時代。
自分も仮面ライダーやプリキュアになれる!と思っても良い幼稚園時代。
将来なりたい職業だって、何を夢にしても良いんです!
もちろん、サンタさんのことだって!



それを、娘はできなかった


ひたすら
給食を完食できない自分を
責め続け
自分を

「悪い子」

と思い続けた幼稚園時代
でした。


引っ越しをし、誰も幼稚園時代の自分を知らない人達しかいない小学校で過ごすうちに、やっと、幼稚園の呪いから抜け出ました。


聞いたら、

「そんなんだと、お母さん、悲しむよ

「そんなことしてると、お母さんにいつか怒られるよ」

とまで幼稚園の先生は言ってたそうです。

そりゃ、娘は、母親の私にも、なかなか本音は言えなかったんでしょう。


年中さんに拒食症になり、死にかけたとき、母親の私は絶対に自分を裏切らない、と気がついた娘。

そのあとに出した、サンタさんの正体。


「幼稚園の先生が言っていたような、ママはこの世にいなかった。
だったら、幼稚園の言うようなサンタさんだって、いないじゃないか!」

と。

娘にとっては、サンタさんがいるという夢より、先生が自分を思い通りにしようとして使うサンタさんのほうが、嫌だったんでしょう。


私は


「いい子にしてないと
サンタさん
来ないよ」


という言葉が死ぬほど恐いです。


「いい子って何?サンタさんは、子供の夢の結晶であり、大人の部下ではない!」

という怒り。


子供は子供である限り、
サンタさんは来てくれる。


先生の言う通りにならないとき、
言う通りにさせたかったら、
そのことのみを怒るべきであり、

サンタさんを脅しに使わないでほしい、

と私は思います。

サンタさんは
子供のものであり
大人のものではありません。

まあ、あくまで、うちの家庭は…、という意味なので、他のご家庭について批判しているわけではないです。💦


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