1967年のインディ500で優勝を目前にしてリタイヤしたグラナテリのタービンカー。
数々の自動車透視画を描かれている日本を代表するテクニカルイラストレーター、大内誠さんの最新作が完成しました。
昨年は中止になってしまいましたが、毎年9月に有楽町交通会館のギャラリーで開かれる自動車アート7人展の今年の課題である〝オープンホイール〟に出展のための作品です。
私も個人的に非常に思い入れのあるマシンで、このブログでもバンダイの1/12をお宝もののカテゴリーで紹介しましたが、大内さんが5年ほど前にこれを描き始めるとおっしゃった時に、あの完成品をご自宅まで持参して参考に見ていただきました。
それからすっかり忘れかけていましたが、昨年の7月にベースとなるモノクロの線画イラストができました!との事で見せていただいてから半年あまり。
いつもながらですが気の遠くなるような精密イラストは圧巻のひとことです。
〝子持ちししゃも〟のように、片側に積んだプラット&ホイットニーの航空機用ガスタービンエンジンからは、前後にシャフトが延びて4輪を駆動しますが、このファーガソンシステムの詳細がなかなか判らずに苦労されたとのこと。
たまたま昔のRoad&Track誌を見ていて見つかったそうです。
展示会をご覧になった方はご存じですが、イラストの下絵はすべてアナログで起こしています。
着色はデジタルですが、なんとタブレットペンでは無くマウスで色を塗っているんです!
その方がやりやすいからなんだそうですが、思えば大昔Mac買った頃はタブレットペンなど無かったので、キッドピクスでマウスでイラストを描いて何て不自由なものだと感じたものです。
この緻密極まりない構造画にそうやって色を付けているとはちょっと信じられません。
こんな絵を見るとあの完成品を作り直したくなりますが、キットも入手は難しいし老眼で厳しいので無理かな。
出来たらリヤのエアブレーキくらい再現したかった気がします。
ことしの七人展が無事開催されることを願って、是非会場に足を運んで見てください。