元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「サイン」

2010-02-22 06:24:19 | 映画の感想(さ行)
 (原題:Signs )2002年作品。ペンシルバニア州バックス郡を舞台に、元・牧師で今は農場を営んでいる主人公が、畑に巨大なミステリーサークルが出来ていたことをきっかけに、奇天烈な事件に巻き込まれていくというSF風スリラー。感想だが、聞きしにまさる駄作だと思った。

 低俗テレビドラマで消費されるC級SFホラーでしかないストーリーを、いかにも“何かあるゾ”という勿体ぶった語り口でいけしゃあしゃあと垂れ流す、その神経には脱力する。モタモタした演出とキャストのわざとらしい大仰な演技も目を覆うばかり。

 予算をケチったせいかロケ地は一ヶ所限定でクリーチャー・デザインは限りなく安っぽい。それがまた画面全体の貧乏臭さを助長させる。これで“ヒッチコックにオマージュを捧げました”と平然と言ってのけるとは、M.ナイト・シャマラン監督は相当な食わせ者である(要するに「シックス・センス」だけの一発屋だろう)。

 設定がチャチならば、逆にそれを売り物にして“笑い”に昇華出来れば良かったのだろうが、この監督にはそういう度胸はないようだ。メル・ギブソン御大もこんなのに付き合わされてお気の毒と言うしかない。
コメント
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