(原題:My Big Fat Greek Wedding)。2002年作品。とても楽しい映画だ。ギリシャ系の舞台女優ニア・ヴァルダロスが自身の結婚体験などを元に執筆した戯曲の映画化で、展開は御都合主義そのもの。上手い具合にハンサムな典型的アメリカ白人(ジョン・コーベット)の結婚相手と出会い、またその彼が都合良くギリシャ正教に改宗してくれたりする。しかも、たとえばヒロインに横恋慕していた野郎が登場する・・・・というようなトラブルは何も発生しない。
こういう“ドラマティックな展開が皆無”であるこの映画が面白いのは、ハッピーな結婚をしたヒロインとそれを心の底から祝福する周囲の人々の善意と幸福感がスクリーンを通して観ている側にストレートに伝わってくるからだ。そしてこの作品がアメリカで大ヒットしたことも十分納得できる。WASP等の社会的マジョリティがマイノリティ文化と接触し、固有の習慣・生き方を理解して共存する。ここに観客は“多民族社会の理想形”を見たのだろう。
そしてギリシャ系住民の濃厚な人間関係は、時として鬱陶しさを覚えるものの、孤独とは最も遠い地点にある。親族全員が見守ってくれるという安心感はシビアな生活を送るアメリカの都会人にとって一種得難いものであろう。それを象徴しているのが婚礼のシーンで、両親と同僚だけという寂しい出席者の新郎側に対し、新婦側には山のような参列者が押し寄せる。新郎側はそれを羨ましく見つめるだけだ。ドライでスマートな人間関係を気取るより、賑やかで開けっぴろげな沢山の人々の間でワーワー言いながら暮らす方が(もちろん現実は甘くないが)数段幸せだ・・・・この映画が言いたいのはこれである。
こういったポジティヴなスタンスをバックアップするジョエル・ズウィックの演出も快調だ。それにしても、来客があると寄ってたかって御馳走攻勢や酒攻勢を仕掛けるギリシャ系のパワーには圧倒させられる。マトモに付き合うとこちらも10キロは太りそうである(笑)。
こういう“ドラマティックな展開が皆無”であるこの映画が面白いのは、ハッピーな結婚をしたヒロインとそれを心の底から祝福する周囲の人々の善意と幸福感がスクリーンを通して観ている側にストレートに伝わってくるからだ。そしてこの作品がアメリカで大ヒットしたことも十分納得できる。WASP等の社会的マジョリティがマイノリティ文化と接触し、固有の習慣・生き方を理解して共存する。ここに観客は“多民族社会の理想形”を見たのだろう。
そしてギリシャ系住民の濃厚な人間関係は、時として鬱陶しさを覚えるものの、孤独とは最も遠い地点にある。親族全員が見守ってくれるという安心感はシビアな生活を送るアメリカの都会人にとって一種得難いものであろう。それを象徴しているのが婚礼のシーンで、両親と同僚だけという寂しい出席者の新郎側に対し、新婦側には山のような参列者が押し寄せる。新郎側はそれを羨ましく見つめるだけだ。ドライでスマートな人間関係を気取るより、賑やかで開けっぴろげな沢山の人々の間でワーワー言いながら暮らす方が(もちろん現実は甘くないが)数段幸せだ・・・・この映画が言いたいのはこれである。
こういったポジティヴなスタンスをバックアップするジョエル・ズウィックの演出も快調だ。それにしても、来客があると寄ってたかって御馳走攻勢や酒攻勢を仕掛けるギリシャ系のパワーには圧倒させられる。マトモに付き合うとこちらも10キロは太りそうである(笑)。