♪♪ 私の お寺ライフ ♪♪

 ブログアップして9年目に突入。相変わりませんが、私の「如是我聞」をお送りします。南無阿弥陀仏

慶聞抄2022年5月号

2022-04-24 12:44:02 | 随想
慶聞抄(きょうもんしょう)

    森の中のスポットライト

プーチン戦争(2)

始まってから2か月が経ちました。14年のクリミア半島併合時と同じようにとのプーチンの目論見は外れた模様です。この人の頭の中では、自分=ロシア国なのですね。そしてその国は、帝政ロシアそのままなのでは。ロシア革命の理念のかけらすら伺うこともない。元ソ連国家保安委員会(KGB)の諜報員。命令と監視、盗聴と密告。彼には、いやロシア国民の多くも、自由と民主主義の何たるかを学び実践する時間は多くはなかった!
 
この間、プーチンという人物とは別に、私のモヤモヤ感が何なのかを考え続けました。その1。ウクライナのゼレンスキー大統領は徹底抗戦の構えです。戦争が始まるや否や総動員令を出して、18歳から60歳の男性は出国できません。(ある60を超えた友人が、えーっ60で切られるのぅ?と寂しそうにボヤいてました。男性はそっちに反応するのか!)3人以上の子どもの保護者や、誰かの介助や看護をしているという例外は認められているそうです。

当事者(国)の決断に口を挟むことは控えなければなりませんが、あえて言わせてもらいます、「逃げる権利」はあるんじゃないですか。ここにきて性別を出されるのもいやです。男も女も(どちらでもなくても)自分の行動は自分で決める。前の戦争の時、「防空法」で消火は義務とされ、焼夷弾にバケツの水で対処させられました。敗戦まで全国で50万人もの空襲被害者が出たことを忘れることはできません。
 
その2。ゼレンスキー大統領が、各国の国会議員に向けてオンラインで演説するというのがありました。日本でもあって(3月23日)、その際、某国会議員が「ウクライナの人々が、命をかえりみず祖国のために戦っており、その勇気に感動している」旨を述べたそうです。命をかえりみず・・。感動するのは自由ですけれど、命より大事なものがあり、それは祖国だと。うなずけない私がいます。
 
その3。多分、モヤモヤの全部を包括することなのでしょう。国際刑事裁判所(ICC)の検察官がキーウ市街のロシア軍撤退跡地を精査して、戦争犯罪を暴くための活動を開始したと説明していました。戦争犯罪。2002年に発足したICCは、集団殺害犯罪(ジェノサイド)、人道に反する犯罪、侵略犯罪と戦争犯罪の4つを対象とするそうです。この言葉は、正しい戦争と正しくない戦争があることを前提としています。ゼレンスキー大統領は「正しく」戦争をしているのでしょう。

こんな時に「戦争そのものが犯罪」と言ったらいけませんか? なぜなら戦争は暴力だから。すべての暴力は犯罪です。そして戦争は政治の破綻であり、権力のミスリードです。国民は平和を委託したのであって戦争では決してありません。政治家は戦争を叫ぶ前に、その事態を招いた己のいたらなさを恥じ身もだえしなくてはなりません。
 
憲法記念日を迎えるにあたり、前文の一部をおさらいします。
「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」

 己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。(ダンマパダ)」   合掌

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