1998年のアメリカ映画「アメリカン・ヒストリーX」。
白人至上主義に傾倒する高校生のダニー(エドワード・ファーロング)の元に、兄
デレク(エドワード・ノートン)が3年ぶりに帰ってくる。デレクは3年前に黒人の
車泥棒を射殺した罪で服役していたのだ。兄の帰宅にダニーは喜びを隠せない。
父親を黒人に殺されたダニーは、兄のデレクを3年間崇拝し続ける日々の中で、
兄以上に白人至上主義に身を染めていた。しかし3年ぶりに会うデレクは、以前
とはまるで別人のように穏やかで公平な人間になっていた。母親や妹は喜ぶが、
ダニーは困惑する。
人種差別や貧困といった、アメリカが抱える問題を扱ったドラマ映画。父親を黒
人に殺されたデレクとダニーの兄弟は、白人至上主義になり、兄デレクはその会
のリーダーだった。ある夜自分の自動車を盗もうとしていた黒人の泥棒たちをデ
レクは射殺する。そして投獄される。母親が面会に行き、今までの考えを改めて
欲しいと言っても耳を貸さなかった。しかし刑期を終えて家族の元に帰ってきた
デレクは、今までの暴力的な態度が嘘のように穏やかになり、差別意識もなくな
っていた。過去の狂信的だった自分を恥じている、これからは真面目に働いて自
分が家族を支えると言った。刑務所生活の中でデレクに何があったのか、ダニー
は戸惑いを隠せない。デレクはダニーにも公平な人間になるよう諭す。
アメリカにおける人種差別は普遍的な問題で、恐らく解決することはないのだと
思う。父親を黒人に殺されたことがきっかけで、デレクはその街の白人至上主義
の会のリーダーになり、仕事もせず暴力に明け暮れる日々を送っていたが、刑務
所での生活が彼を変える。過酷な思いをする中で、彼の心は少しずつ穏やかにな
っていく。
エドワード・ノートンの演技は相変わらず素晴らしい。エドワード・ファーロン
グも良かった。ただ、父親を黒人に殺されたからといって白人至上主義になり、
刑務所での経験によって差別意識のない公平な人間になる、というのがちょっと
おおげさというか極端だと思った。人間ってそんなに変わるものだろうか。その
説得力が少し欠けている感じがするなあと思ったが、総じておもしろい映画だっ
た。そしてあまりにも衝撃的なラスト。デレクはこれからどうなってしまうのか。
考えさせられる物語だった。
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白人至上主義に傾倒する高校生のダニー(エドワード・ファーロング)の元に、兄
デレク(エドワード・ノートン)が3年ぶりに帰ってくる。デレクは3年前に黒人の
車泥棒を射殺した罪で服役していたのだ。兄の帰宅にダニーは喜びを隠せない。
父親を黒人に殺されたダニーは、兄のデレクを3年間崇拝し続ける日々の中で、
兄以上に白人至上主義に身を染めていた。しかし3年ぶりに会うデレクは、以前
とはまるで別人のように穏やかで公平な人間になっていた。母親や妹は喜ぶが、
ダニーは困惑する。
人種差別や貧困といった、アメリカが抱える問題を扱ったドラマ映画。父親を黒
人に殺されたデレクとダニーの兄弟は、白人至上主義になり、兄デレクはその会
のリーダーだった。ある夜自分の自動車を盗もうとしていた黒人の泥棒たちをデ
レクは射殺する。そして投獄される。母親が面会に行き、今までの考えを改めて
欲しいと言っても耳を貸さなかった。しかし刑期を終えて家族の元に帰ってきた
デレクは、今までの暴力的な態度が嘘のように穏やかになり、差別意識もなくな
っていた。過去の狂信的だった自分を恥じている、これからは真面目に働いて自
分が家族を支えると言った。刑務所生活の中でデレクに何があったのか、ダニー
は戸惑いを隠せない。デレクはダニーにも公平な人間になるよう諭す。
アメリカにおける人種差別は普遍的な問題で、恐らく解決することはないのだと
思う。父親を黒人に殺されたことがきっかけで、デレクはその街の白人至上主義
の会のリーダーになり、仕事もせず暴力に明け暮れる日々を送っていたが、刑務
所での生活が彼を変える。過酷な思いをする中で、彼の心は少しずつ穏やかにな
っていく。
エドワード・ノートンの演技は相変わらず素晴らしい。エドワード・ファーロン
グも良かった。ただ、父親を黒人に殺されたからといって白人至上主義になり、
刑務所での経験によって差別意識のない公平な人間になる、というのがちょっと
おおげさというか極端だと思った。人間ってそんなに変わるものだろうか。その
説得力が少し欠けている感じがするなあと思ったが、総じておもしろい映画だっ
た。そしてあまりにも衝撃的なラスト。デレクはこれからどうなってしまうのか。
考えさせられる物語だった。
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