猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

幸福の罪

2018-11-17 19:17:15 | 日記
2011年のチェコ映画「幸福の罪」。

リハビリ医のトマシュ(オンドジェイ・ヴェトヒ)は、妻のミランダ(ズィタ・モラヴコヴァ)
と娘、ミランダの父親、ミランダの妹のリダ(アンナ・ゼイスレロヴァ)と暮らしている。あ
る時、患者である14歳の少女オリンカ(アンナ・リンハルトヴァ)に性的暴行を受けたと訴え
られ、逮捕される。捜査に当たることになった刑事のラダ(ヒネク・チェルマク)はミランダ
の元夫だった。ミランダはラダと結婚中にトマシュと不倫し、トマシュの子供を妊娠したこ
とからラダと離婚しトマシュと再婚したのだった。ミランダはラダに、その仕返しをしてい
るのだろうと言い放ち、ひどく貶す。

チェコの心理サスペンス映画。とてもおもしろかった。リハビリ医のトマシュは患者である
14歳の少女に性的暴行で訴えられる。観ている方は彼が無実だとほぼわかっているが、捜査
の行方が気になる。トマシュは屈辱的な検査まで受けさせられ、ようやく釈放される。だが
このトマシュと妻のミランダは最低である。ミランダはトマシュと不倫をして妊娠し、夫ラ
ダと離婚してトマシュと再婚したという経緯がある。ラダは刑事として客観的に冷静に捜査
をしているだけなのに、ミランダから中傷を受ける。ミランダを見ていると腹が立ってくる。
自分が不倫をしているのに。ラダとの間にできた息子は知的障害児で、ミランダとラダは交
代で面倒を見ている。ラダは息子を愛しているが、ミランダの娘は父親違いの兄を嫌ってい
る。本当にラダがかわいそうなのだ。ミランダの妹のリダは病院でボランティアをしている
が、実はこれは彼女にとって罪ほろぼしなのだ。リダの罪は物語の中核を成している。
トマシュは診察の時、患者を下着姿にさせていて、ちょっと驚いた。普通検査衣とか入院衣
とか着てやるものではないだろうか。だから14歳のオリンカも下着姿で、そのシーンは刺激
的である。それに刑事とオリンカとの会話で、「君が15歳だったら問題はなかったのだけど
ね」みたいなことを言っているのだが、チェコでは15歳なら大人が性交渉を持ってもいいの
だろうか。色々と文化の違いが興味深い。
一見幸福に見える家族も実はドロドロしている、という映画だ。トマシュのラストは因果応
報と言うべきか。でも本人も罪を受け入れているように思えた。やっぱりヨーロッパ映画は
深く、重く、おもしろい。



「聖☆おにいさん」の表紙描いてみました。下手だな~
11月22日に16巻が発売されます。(さり気なく宣伝)






映画評論・レビューランキング

人気ブログランキング
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする