猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ベストセラー

2019-06-27 21:42:02 | 日記
2010年の韓国映画「ベストセラー」。

ペク・ヒス(オム・ジョンファ)は、10年に亘ってベストセラー作家として君臨して
きた。しかし、新作小説が盗作の疑惑を受け、一瞬にして作家としての名声を失い、
2年間創作できなくなってしまう。ヒスは娘ヨニ(リュ・スンニョン)を連れて、田
舎にある人里離れた別荘へ向かう。そこで執筆に専念しようと思ったのだが、その
家にやって来てから、ヨニが奇妙な言動を繰り返すようになる。

ホラー仕立てのサスペンス映画。女性作家ペク・ヒスはベストセラー作家だったが、
新作小説が盗作の疑惑を受けたことから、一瞬にして作家としての名声を失ってし
まい、その後2年間スランプ状態に陥ってしまう。しかし彼女の再起を信じる編集
長から、田舎の別荘に行って小説を書くよう勧められる。そこは昔孤児院だった大
きな屋敷だった。ヒスは幼い娘ヨニを連れてそこへ向かう。ところがそこにやって
来てから、ヨニが「2階にお姉さんがいるの」「お姉さんに歌を教えてもらったの」
などとおかしなことを口にするようになる。ヒスはヨニを怒るが、執筆が進まずに
焦っていたヒスは、ヨニがお姉さんから聞いた話を基に小説として書いてしまう。
出版されたその小説は瞬く間に売れるが、これもまた盗作の疑いをかけられてしま
い、ヒスは混乱する。
前半はオカルトかなと思って観ていたら、中盤からサスペンス・ミステリーに変わ
っていって、なかなかおもしろかった。ヒス役の人が熱演で、惹き込まれて観てし
まう。ヨニのエピソードには驚かされた。娘の妄想を基に小説を書いたのに、何故
それもまた盗作の疑いをかけられてしまうのか。ヒスはずっと前に出版された小説
が自分の作品とそっくりなのを知って、自分はこれを読んでいないのに、と驚く。
そして、屋敷が書かせているのだと確信する。
ヨニが会ったというお姉さんとは何者なのか。村人たちのおかしな態度は何なのか。
興味深くて一気に観てしまう。次第に謎がとけていく描写はおもしろかった。閉鎖
的な田舎の特徴をよく捉えていて、ああこういうことなんだな、とわかる辺りは異
常さが際立っていて目が離せない。ともあれ、人里離れた大きな屋敷には行きたく
ないものである。




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