2019年のフランス映画「ディアスキン 鹿革の殺人鬼」を観にいった。
憧れの鹿革ジャケットを手に入れたジョルジュ(ジャン・デュジャルダン)。フリ
ンジのついたカウボーイ風のジャケットは完璧で、それを着た自分は非の打ち所
がないほど美しい。その異常なまでの鹿革への愛情は、やがて自分以外でジャケ
ットを着る者への憎悪へと変わっていく。ビデオカメラを片手に街へ繰り出した
ジョルジュは、"死のジャケット狩り"を開始する。
異常なほど鹿革のジャケットに魅せられた男の物語。ジョルジュは夢にまで見た
鹿革のジャケットを手に入れる。早速ジャケットを着てバーで飲んでいると、客
の女に職業を尋ねられる。ジョルジュはとっさに「映画を作っている」と言って
しまう。するとバーのウエイトレスのドゥニース(アデル・エネル)が興味を示し
てくる。彼女はいずれ映画の編集の仕事をしたいと思っていたのだ。ジョルジュ
が本当に映画製作の仕事をしていると思ったドゥニースは、ジョルジュに仕事の
ことを色々と聞いてきた。
一方ジョルジュはジャケットを愛するあまり、ホテルの部屋でジャケットと会話
をするようになる。そして帽子、靴、ズボン、手袋と鹿革のアイテムが増えてい
き、それらを身につけた自分を見ては悦に入っていた。やがてその執着は、自分
の他にジャケットを着ている者への憎悪になっていく。ジョルジュは街でジャケ
ットを着ている人を見ると殺害し、被害者が着ていたジャケットを脱がすという
行為に出てしまうようになる。そしてその殺人シーンをビデオカメラで撮影し、
ドゥニースに見せる。ドゥニースは「モキュメンタリーだわ」と言って喜び、編
集をさせて欲しいと申し出る。
もう意味不明で理不尽で異常な映画である。自分以外にジャケットを着る者は許
さないと言っても、鹿革だけでなく他のジャケットにもそれは向けられるのだ。
ジョルジュは相当イカレている。でも殺人は極端だとしてもこういう人っている
のかもしれない、と思った。そしてそれを映画にしてしまうところがさすがフラ
ンス映画。これはサスペンスなのか、サスペンス・コメディなのか。
街にあんなに死体が転がっているのに警察が動かないところとか、ジョルジュを
じっと見つめる少年は何だったのかとか、わからないところはあるけれど結構お
もしろかった。変態のおじさんの異常な映画である。
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憧れの鹿革ジャケットを手に入れたジョルジュ(ジャン・デュジャルダン)。フリ
ンジのついたカウボーイ風のジャケットは完璧で、それを着た自分は非の打ち所
がないほど美しい。その異常なまでの鹿革への愛情は、やがて自分以外でジャケ
ットを着る者への憎悪へと変わっていく。ビデオカメラを片手に街へ繰り出した
ジョルジュは、"死のジャケット狩り"を開始する。
異常なほど鹿革のジャケットに魅せられた男の物語。ジョルジュは夢にまで見た
鹿革のジャケットを手に入れる。早速ジャケットを着てバーで飲んでいると、客
の女に職業を尋ねられる。ジョルジュはとっさに「映画を作っている」と言って
しまう。するとバーのウエイトレスのドゥニース(アデル・エネル)が興味を示し
てくる。彼女はいずれ映画の編集の仕事をしたいと思っていたのだ。ジョルジュ
が本当に映画製作の仕事をしていると思ったドゥニースは、ジョルジュに仕事の
ことを色々と聞いてきた。
一方ジョルジュはジャケットを愛するあまり、ホテルの部屋でジャケットと会話
をするようになる。そして帽子、靴、ズボン、手袋と鹿革のアイテムが増えてい
き、それらを身につけた自分を見ては悦に入っていた。やがてその執着は、自分
の他にジャケットを着ている者への憎悪になっていく。ジョルジュは街でジャケ
ットを着ている人を見ると殺害し、被害者が着ていたジャケットを脱がすという
行為に出てしまうようになる。そしてその殺人シーンをビデオカメラで撮影し、
ドゥニースに見せる。ドゥニースは「モキュメンタリーだわ」と言って喜び、編
集をさせて欲しいと申し出る。
もう意味不明で理不尽で異常な映画である。自分以外にジャケットを着る者は許
さないと言っても、鹿革だけでなく他のジャケットにもそれは向けられるのだ。
ジョルジュは相当イカレている。でも殺人は極端だとしてもこういう人っている
のかもしれない、と思った。そしてそれを映画にしてしまうところがさすがフラ
ンス映画。これはサスペンスなのか、サスペンス・コメディなのか。
街にあんなに死体が転がっているのに警察が動かないところとか、ジョルジュを
じっと見つめる少年は何だったのかとか、わからないところはあるけれど結構お
もしろかった。変態のおじさんの異常な映画である。
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