猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ゴーストライター

2020-11-02 22:20:39 | 日記
2010年のフランス・ドイツ・イギリス合作映画「ゴーストライター」。

元英国首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自伝執筆を破格の報酬で依頼
されたゴーストライター(ユアン・マクレガー)。政治にあまり関心がない彼は気乗
りしなかったが、ラングの滞在する孤島の豪邸を訪問する。取材をしながら原稿を
書き進めていくが、次第にラングの過去に違和感を抱き始める。更には前任のゴー
ストライターの不可解な死の謎に行き当たり、独自に調査を進めていくが、やがて
国家を揺るがす危険な秘密に触れたばかりに、恐るべき陰謀に巻き込まれていく。

ロマン・ポランスキー監督のポリティカル・サスペンス。第60回ベルリン国際映
画祭銀熊賞(監督賞)受賞作品。元英国首相アダム・ラングの自叙伝執筆を破格の報
酬で引き受けたゴーストライターは、ラングが滞在する島へ向かう。同じ頃、ラン
グはイスラム過激派のテロ容疑者に対する拷問への関与が取り沙汰されていた。ゴ
ーストライターは自分の前任者が事故死していたこともあり、あまり気乗りしなか
ったが、自伝執筆のために取材を始める。しかしやがて前任者は事故死ではなく不
審死を遂げていることを知る。
冒頭から早速スリリングな雰囲気で興味を惹かれる。キャストもイギリスの俳優た
ちがメインでいい感じ。ティモシー・ハットンといったアメリカの俳優も出演して
いるが。ゴーストライター役のユアン・マクレガーがいかにも平凡な感じでギラギ
ラしていないのが良く、そのゴーストライターが知りすぎたために、真実に近づき
すぎたために陰謀に巻き込まれていく様子がとてもサスペンスフルだ。
気さくで愛想のいい元首相、何を考えているのかわからないその夫人、様子のおか
しなメイドなど、登場人物たちが個性的で興味深い。寒々とした孤島の映像もいい。
物語は割と地味で、ずっと緊張感が続くといった感じではないのだが、要所要所で
「そういうことなのね」と思わせられるのがとてもおもしろい。ゴーストライター
が島のある老人に聞かされた話にピンと来るシーンは印象的だ。老人は何気なく話
したのだがそこにゴーストライターは真実の匂いをかぎ取る。
ゴーストライターが車に追われるシーンは1番ハラハラした。そして意外な展開に
驚かされる。ラストも衝撃的である。よく練られたシナリオで、おもしろかった。


良かったらこちらもどうぞ。ロマン・ポランスキー監督作品です。
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