猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

レベル・サーティーン

2023-02-17 21:38:32 | 日記
2006年のタイ映画「レベル・サーティーン」。

セールスマンのプチット(クリサダ・スコソル・クラップ)は、ライバルに
顧客を奪われ、母親からは弟の学費を要求され、会社から突然クビを言い
渡されてしまい、借金を抱えて破産寸前になる。そんな時何者かから電話
がかかってきて、13のゲームに参加してクリアすれば、3億円の賞金が獲
得できる権利を得たと言われる。初めはいたずらかと思ったプチットだっ
たが、ゲームをクリアするたびに口座に少しずつ金が振り込まれるのを確
認し、ゲームを続けることにする。

闇のネットゲームに参加した青年が、過酷な試練によって人間性を失って
いく姿を描いたサスペンス。はっきり言って気持ちの悪い映画だが、割と
おもしろかった。タイ映画は何作か観ているが、オカルトものが多いので、
こういう奇妙なサスペンスは初めてだった。楽器セールスマンのプチット
はとことん不運が続き、破産寸前にまで追い込まれていた。そこへ携帯電
話に着信があり、13のゲームをクリアすれば最終的に3億円の賞金が口座
が振り込まれると言う。電話の相手はプチットが今金に困っていることだ
けでなく、出身大学や専攻など、何もかも知っていた。
プチットは友人の誰かのいたずらだろうと思うが、最初のゲーム「そこに
ある新聞紙でハエを殺すこと」で、やってみると実際に口座にいくらかの
金が振り込まれており、驚く。電話の相手はゲームを続けるかどうかを聞
き、プチットは続けることにする。ゲーム2、ゲーム3、とクリアする度
に金は振り込まれた。ただし、「①ゲームを失敗する、②自分からゲー
ムをやめると言う、③ゲームの主催者を探ろうとする」のいずれかを行
った場合は今まで振り込まれた賞金は全部引き出されると言う。
何ともエグいゲームばかりで、私ならゲーム2でもう無理である。プチッ
トは借金を抱えているので必死にゲームを続けるが、日本円で3億という
のはタイではどのくらいなのだろう。私は10億と言われてもできない。
異常なゲームをさせられる度に、プチットの精神は参っていく。そしてこ
のゲームを見ている人たちがたくさんいるであろうことに気づく。いわば
視聴者参加型のリアリティ・ゲームなのだ。ゲームの異常さはどんどん増
していく。
各地で変な暴力事件が起きていることで警察は捜査を始めるが、プチット
の元同僚女性はプチットが犯人だと気づき、そして命令によってさせられ
ているであろうことにも気づき、何とかしてプチットを止めようとする。
すると携帯に電話がかかってきて、そこにある日本刀で元同僚女性か彼女
の犬かどちらかを殺せと言われる。プチットは仕方なく彼女の飼い犬を殺
す(動物が犠牲になるシーンって嫌だな)。とにかく精神的に来る映画だっ
た。ラストもあれではプチットが気の毒すぎる。よくこんな映画作ろうと
思ったなあ。




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