猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ジャスティス

2014-12-05 01:54:01 | 日記
1979年のアメリカ映画「ジャスティス」。
舞台はボルチモア。弁護士アーサー(アル・パチーノ)は、妥協を許さぬ熱血漢で、多くの人々に
信頼されていた。そのため、厳格な法の遵守を信条とする裁判官のフレミング判事(ジョン・フォー
サイス)と何度となく対立していた。アーサーは投獄中の若者ジェフ(トーマス・G・ウェイツ)の冤罪を
信じるがゆえ、その行き過ぎた行動から査問会に呼ばれる。また新たにラルフ(ロバート・クリス
チャン)という黒人青年の量刑を軽くしようと動き出した矢先、フレミング判事が強姦罪で告訴
される。相棒の弁護士ジェイ(ジェフリー・タンバー)や同僚たちは彼を有罪だと言う。しかも、
フレミング判事が弁護人として指名してきたのは、アーサーであった。

熱血漢の弁護士が腐敗した法曹界の真実に疑問を投げかける法廷ドラマ。とてもおもしろかった。
若いアル・パチーノがかっこいい。感動的な映画である。全体的に明るい感じで物語は進行するが、
悲しいエピソードもいくつかある。それらに直面した時のアーサーの悲しみ、苦悩がよく表現されて
いて、さすがアル・パチーノという感じである。アカデミー主演男優賞にノミネートされたそうだ。
それに対してフレミング判事の憎たらしいこと。観ていてむかむかしてくる。
他にもアーサーの相棒のジェイや、自殺癖のある奇人の判事など、個性的な面々がおもしろい。
ジェイの担当した事件のことで、ジェイの心が壊れていく様子はかわいそうだった。やっぱり弁護士
って大変な仕事だなあ、と思った。
ラストの裁判のシーンは感動的だったが、エンドロールがちょっと物足りないというか、テレビドラマ
みたいな感じで、それだけが残念だった。



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アザーズ

2014-12-01 02:38:04 | 日記
2001年のアメリカ・スペイン・フランス合作映画「アザーズ」。
1945年、第二次世界大戦の終わり頃のチャネル諸島のジャージー島。グレース(ニコール・キッドマン)
は、色素性乾皮症(光アレルギー)のため太陽光線を浴びることができない娘アンと息子ニコラスと共に、
広大な屋敷で閉ざされた日々を送っていた。夫は出征したまま帰ってこず、不安な日々を送る家族の
元に、3人の使用人が現れる。それを境に、屋敷で不可解な現象が次々と起き始める。

びっくりするような場面はないが、底知れない恐怖を感じるホラー映画である。この物語は、子供たちが
光アレルギーを患っているところに大きなポイントがあると思う。家に太陽の光を入れることができない
ため、常にカーテンを閉め切っていて、家の中が薄暗い。ランプの光だけである。この薄暗さが、物語の
不安や恐怖を煽っているのだと思う。私だったら、こんな薄暗い家で暮らしていたらノイローゼになり
そうだ。
また屋敷が広大なのも怖さを倍増させている。誰もいないはずの2階から足音や物音が聞こえる。ピアノを
弾く音が聞こえる。子供たちは誰かがいると言う。グレースの恐怖は日々募っていく。使用人たちも突然
現れて、なんだか不気味だ。夫が帰らない屋敷で、グレースは子供たちを守るのに必死である。
ニコール・キッドマンの表情演技がすごい。あの端正な顔から、グレースの恐怖が伝わってくる。そして、
驚愕のラスト。とてもおもしろかった。ゴシック・ホラーの傑作だと思う。



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