チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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サンドマメ

2011年05月30日 | チエの玉手箱
「うまいなあ!甘みがあるよ。」夕食に出したさやえんどうのお浸しを食べながら、ヒロシが言う。
「でしょ!採れたては、スーパーなんかのと全然違うのよ。」

昨日、実家の母から遠慮がちな電話が掛かってきた。
「今年も、サンドマメがでぎだんだげど、食べっかい?
 今年は、うっかり畑の物をくれらんにがらなあ。
 お寺の若奥さんは、
『おばあちゃん、畑の野菜は絶対食べない方がいいですよ。放射能があるからね』
 って言うがら、『はい、はい、分かりましたよ』って相槌うってっけんちょも、
 なあに、うちでは勿体ないから、かまわず食べてるのさ。
 向がいのみっちゃん家では、孫の嫁さまが『絶対に食べない』って言うもんだがら、
 カブレナもサンドマメも全部引っこ抜いちまったんだと。
 気にする人は、気にすっから、下手にくれらんに。
 まったぐ、原発には困ったもんだ。
 いづになったら、放射能がなぐなるんだべ・・・」

「そうだね。小さい子どもがいる家は気を使ってるだろうけど、
 うちは全然気にしてないから、もちろんもらうよ。」

そう言ってもらったものの、このさやえんどうにはどれくらいの放射性物質が含まれているのだろうと、筋を取りながら考える。
考えたって、わからない。
放射性物質を含んだ食べ物をどれくらい食べたら人体に影響が出るのか、偉い学者だって、データがないから本当のところは分からないのだ。

こんなに美味しいのにね。